砂漠

「シロ様、この者・・・を連れていくのですか?」


「こんな砂漠に置いていくのも可哀想かと思ったが、置いていった方が良いか?」


シロはアオに聞き返し、クロを見た。


「お前のような生っ白い者は、この砂漠では数日と生きてられんだろう。」


「一番近い町までは連れていってやる。」


クロは生っ白い者と言われムッとはしたものの、この砂漠で自分がどうしてよいか分からないことは確かであった。



町と言っても貧しい町だ。ここからはちっと遠い。とシロは言った。


早く行かねば水も尽きる。水場を探さねばなるまいかな。この辺りは動物もおらん。


「干からびて飢え死にする。」


「シロ様、砂漠ガエルならおりますが。」


シロは露骨にイヤそうな顔をし、


「あれは不味い。」と言った。




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≪登場人物紹介≫

・シロ ・・・ 本当の名をゲンカイ・ナダという。

・クロ ・・・ 本当の名をクロ・ト・ジュノーという。ジュノー王国の王子。

・アオ ・・・ 本当の名をアポトーシス・オルガという。






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