第32話【匂わせ女】
【匂わせ女】
私は恋をしています。
同級生の前田
彼が好きなものを私も好きになりたいし、彼が行った場所にも行ってみたいし。
いつも彼を感じていたいだけなんです。
彼のインスタやTwitterもいつも見てるし
そんなの普通だよね、好きな人の全てを知りたいって恋する乙女ならあたりまえだと思うんだよ。
彼の好きなアーティストの曲は必ず全部聴いてダウンロードしてるし、好きなアニメも深夜でも絶対に観てるの
👿(アニメに関しては結構楽しんでるしな)
彼が美味しそうなものを食べてる画像を見たら、全力で探して行ってみる。
👿(それって…ヤバくない?)
彼の好きな本だって必ず読むの
👿(やっぱりヤバいって…)
彼が旅した場所も行くの、ホテルも探しあてるの得意だし。
👿(もはやストーカーだよ)
彼の好きな人だって好きになろうと努力してる、これはかなり難しいけど…
👿(それは…うん…仕方ないね)
誰にも見せてないんだからいいでしょ?
自分が楽しむだけなんだから、さっきもね駿君がTwitterに画像を載せてるのに気がついた。しかも今私がいる場所の凄く近い場所。
あの公園で夕陽を見てるはず。だって私もよくあそこからの夕陽が好きでよく行くから知ってるの。
駿くんはいつもの彼女と一緒にいた。
何だか泣きそうになったけど遠くから二人のことを見ていた。
ねぇ駿くん知ってる?
彼女…
だから…気をつけて欲しいの……
👿(お前も同類だと思うんだけどなぁ、それも自分でわかってんだろ?ちょっとアイツのことは忘れてみたらどうだよ!何かが変わるかもしれないぞ)
「そうなのかもね」
自分の中にいる👿悪魔に初めて共感して、公園を後にした。
👿(気づくの遅くね?でも…ガンバレよ)
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