第25話【妄想少女】

 授業中に後ろの席の松山くんから小さなメモを渡された、開いてみると「今日時間があったら付き合ってくれへん?」

 今は古文の授業中だ、この先生は私語に恐ろしく厳しい。後ろを振り向いて返事をするのはかなり危険なのでノートの片隅に「塾があるから少しならいいで」と書いてそっと渡した。


 なんの相談やろ、気になって授業中やのに色々考えてみた。


「俺さ、ずっとお前のこと好きやってん、俺と付き合ってくれへん?」なんて言われたらどうしよう。


 松山くんは女子からも人気があるし、皆から妬まれたらどうしよう?

 妄想するな…自分にそう言いたいけど、考え出したら止まらなくなってきた。


「もうすぐ武田の誕生日やろ、おれ誕生日祝いたいんやけど」


 なんて言われたら断ることもできひんな…


 いやだから妄想すんなよ!

 自分にダメ出しする。


 物心ついたころから、あらゆることに対して妄想をしてしまう自分に呆れながらも止められない。


 授業中は特にその傾向が高いから、もちろん成績は伸び悩んでいるが、それは仕方ないことなのだ。


「俺さ…実はスパイやねん」

「見た目男子やけど中身は乙女やねん!ほんで、地下アイドルやってんねん」

「この先生の秘密を入手してん!!」

「実は某通販サイトのCEOやねん」


 いろいろと妄想してみるが、やっぱり一番しっくりくるのは「幼なじみやけど俺と付き合ってくれへん」なのだ



 しかし授業かったるいなぁ

 早く終わらんかな?



 授業が終わって松山君から言われたことは……


 さて何だったのでしょうか?


 



✣おわり✣

さて…皆さまの妄想コメントお待ちしております。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る