第9話【騙されない女】
私はもう騙されない!!!
「体重が落ちすぎて苦情続出」こんな文句に何度惑わせられただろう!
ネットのダイエットサプリには騙され続けている。
初回は500円、しかし2回目からは確実に値段が跳ね上がる。
体験者のお礼のハガキなどが掲載されてるけど、それって絶対にヤラセだよね!
もう騙されないわ!
女友達の「その服かわいい~!!!今度の合コンに着てくれば~」
もう騙されないってば!
どうせ引き立て役にしたいだけでしょ!
もう騙されないってば!
収穫なしの合コンの帰り道突然後ろから声を掛けられた、振り向くと爽やか系のイケメンが微笑んでいた。
こんな夜更けに男性に声を掛けられるとドキッとする
この近くは痴漢も報告されてるし…
「すみません、ちょっとお時間頂けませんか?」
どこかの宗教団体なのか?
それともAV出演の勧誘なのか?
それとも…まさかナンパ?
「怪しいものではないですよ、まぁほんとに悪い人がよく言うセリフでもあるんですけどね」
何じゃその爽やかな笑顔は!でも、その言い方に何故かキュンとした。
イヤイヤダメだ!
もう騙されないと決めたのだから…
「これで信用してもらえませんか?」
なぜか次々に個人情報を提示してきた、免許証、保険証、マイナンバーカード、キャッシュカード、クレジットカード
黙っていたら戸籍謄本でも出しかねない。
慌てて返事をした
「あっ分かりました、信用します笑」
何だか分からないけど、この謎のイケメンを信じてみようかと思っ……騙されない……いや騙されたくない。
誠実そうに見えるし、好みの顔だし今回は騙されてもいいかも…そんな、単純なやつなんだ私って。
爽やかイケメンはずんずんと道を歩いた、時々振り向いて笑顔で確認しているようだ。
昔そんなボーイフレンドがいた、大股で歩く彼に付いて歩く時いつも私は早足だったっけ…
20分位歩いただろうか、ある店の前で歩みを止めた、連れてこられたのは小さな青い扉の喫茶店「BLUE BIRD」という初めてみる店だった
「さあ、扉を開いてみて下さい」
言われるままに重い扉を開ける
扉の向こうは一面の花畑だった。
色とりどりの花は美しく、そよそよと風になびいている。
そんなのあるわけないじゃん
慌てて扉を閉めた。
やっぱり騙されてる?
ここは都会の片隅だよ
どうしてこんな別世界があるの?
気がつくといつの間にか、爽やかイケメンの姿は見えない。
やっぱり騙されてたんだ…
帰ろうと歩きだすと、扉から声が聞こえてきた。
「その人生で満足していますか?」
満足してはいない…
確かに満足してないのだ。
あまりにも忙しい仕事にも理不尽な上司の言葉にも飽き飽きしてる 。
どうしてこうも真髄を突いてくるの?
「満足しているか?」
その言葉に少しイラっとしたので、思い切ってもう一度青い扉を開いてみた。
今度は青い空と白い砂浜そして透明な遠浅の美しい海辺の風景が目の前に広がっている
初めて見る景色なのに懐かしいと思うのは何故だろう?
導かれるようにその砂浜へと1歩進んでみた。
そこにあらわれたのは……
❀続きます!❀
決して期待せずにお待ち下さい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます