《転移者を探して》
転移者の情報を得るため、街の中を進んで行く俺。
とりあえず今は獣人の姿のまま行動してみる。もし、駄目なら今度は姿を変えて戻ってくるつもりだ。
街の商店街だろうか?店が多く沢山の人が歩く大通り。
街にいる人間はほとんどが人族だが、奴隷や他の大陸から来た人も結構いるようだ。
『あの、耳の長い人ってエルフ?』
〈はい。エルフ族の特徴はその長い耳です。それ以外は特に違いはありません。〉
『結構、人族以外にもいるんだな?』
〈はい。イース大陸に入る為にはシダ帝国を通る必要がありますが、検問所があるヴェダの街を北に抜けるとすぐにホース聖王国に入れる為、他の大陸の人間も多くフラー公国に訪れております。〉
あの、兎人の少女がどうやってこの街に来たのかと思ったけどそうゆう事か!
『魔人族はいるのか?』
〈はい。ですが魔人族は人族との仲は悪いですから"
へえ。まあ、魔人って聞くだけで何かありそうな種族だな。小説なら魔王が居たりね。
『なあ、魔人族に魔王っていたりするの?』
〈いますよ。ですがマスターが思うような魔王ではなく、この場合の魔王は、ただの称号ですね。魔王だからと言って別に世界の支配に動く訳ではありませんよ〉
まあ、小説とは違うか。さてと、サポーターと話ながら歩いてみたけど視線が結構向けられてるな。何でだろ?
俺がそう思っていると前から酔っ払った人族が4人歩いてくる!俺が避けようとすると道を塞ぐ。
「おいおい。獣人族が剣なんて持ってどうすんだ?」「剣なんて使えるのか動物が?」等と絡んでくる!
どうにか俺が避けようとすると
「おい。無視してんじゃねえよ?その剣を俺達に寄越しな!酒代にするからよう!」
剣を取ろうと近づいた男を足を軽く引っ掻けて転ばす。
「てめぇ、何しやがる。」と全員で殴りかかってくるが酔っぱらいの為、避けるのは簡単だ。俺は壁などを使いながら軽やかに避け続ける。
すると暫くして衛兵が来た。どうやらフォンは居ないらしい。
酔っぱらいを捉え牢に連れて行く!俺の事も捕まえようとするが周りの人の証言で免れる!
「あんた、凄かったね!獣人族ってのはそんなに身軽なのかい!」
先程の事を見ていた近くの店の女性が興奮気味に言ってくる。どうやら、俺の身軽さに驚いたらしい。そこで、俺はイース大陸じゃ獣人は基本は奴隷でレベルも高くないのが普通だと思い出す!
だが、周りの人の顔を見るにどうやら印象は悪くはないらしい。
「鍛えてますので!」
俺がそう言うと女性は
「あいつらは、いつも酔っぱらって街で迷惑をかけてたんだ。今回は良い薬になっただろうさ。」
そう言って笑う女性は店先で売ってる肉の串焼きを差し出してきた。
「これはお礼だよ。タダだからお食べ。」
「ありがとうございます。」
俺はお礼を言い、串焼きを受け取り一口。
「!?。美味しい。美味しいです!」
思わず満面の笑みを浮かべる俺の事をボーっと見つめる女性。それから恐る恐る俺に
「ちょっと。ちょっとだけ耳を触らせてくれないかい?」
そう恥ずかしそうに言ってくる。俺が別に良いですよと頭を差し出すと
「へえ。結構フサフサして気持ちいいんだね?」
そう言って笑う女性。すると近くの店からも数人が寄って来た。自分にも触らせてくれないかと頼む人達に触らせてあげる。
もちろん、全ての人が好意的に見てくれている訳じゃない!中には気持ち悪そうに見ている人も多い。
「獣人族ってのは怖いと思ったけど、結構普通なんだね。」
そう言って笑いかけてくれる人達に転移者の情報がにないか聞いてみる。
さて、何て聞けば良いかな?とりあえず1年の間の事を聞いてみる!
「あの、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
俺がそう言うと、周りの人達は何だい?と話を聞いてくれる。
「この1年の間にこの街で変な事って起きてない?」
俺がそう尋ねると最初に話しかけてくれた女性が
「変な事ってどんな事だい?」
そう言って質問してくる。どんな事?俺は少し考えてから
「う~ん?例えば変な事を言って騒ぎだした人とか、急に新しい事を次々と作り出した人がいるとかかな?」
「いや、聞いたことないね?まあ、確かに新しい料理とかはこの1年で結構出てきてるけど別に変な事じゃないしね?」
そう言ってわからないと言う女性。他の人も似たような反応だ。だが1人の男性が
「そういえばガルンの街なら変な事を言って死んだ奴が居たな?」
そう言って、その時の事を思い出しているのか気持ち悪そうな顔をする男性。
「変な事ってどんな事ですか?」
「ああ、俺は1年前はガルンの街に居てな、ちょうど1年ぐらい前に人族と魔人族の奴が一緒にいるのを見たんだよ。」
それで?
「魔人族と人族が一緒にいるなんて珍しいから俺も気になって眺めてたんだが、急に魔人族の方が騒ぎだしてな?俺は元の世界に戻るんだとか、夢がどうとか言って、貴族の馬車の前に飛び出してな怒った貴族に首を切り落とされたんだ。」
うえー。想像したら気持ち悪いな。でも、その2人は転移者っぽいな!どの世界の奴かは知らないけど。地球の人なら良いんだけど!
「それで?一緒に居た人族の人はどうしたんですか?」
一緒に居た奴の事を聞いてみる。多分そいつが、この街にいる奴だと思うんだけど。
「ああ、その人ならこの街で冒険者をやってるからギルドに行けば会えるかもな?まあ、俺も名前は知らないが街で見かけたら坊主に教えてやるよ!」
よし、それじゃあギルドに行ってみるか!でも、その前に料理の事を聞いてみる!
「そういえば、新しい料理ってのはどんなのですか?」
俺は料理の事を聞いた後、ギルドに向かった!
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