《夢だと思ってたのに違うらしい》

『もしもし、聞こえてますか~?』


頭の中に女の声が聞こえてきた。


混乱している頭が更に混乱する。


『あれ~?聞こえてないですか?おかしいな?』


やはり、頭の中に誰かの声がする。


え?なんだこれ?マジで意味が分かんないんだけど。怖い。


俺がそう考えた時、


『あれ?なんだ~!聞こえてるなら返事してよ!』


と誰かが言ってきた。


とりあえず、返事をしてみよう!と俺が頭の中で『だ、だれ?』と恐る恐る返事をすると


『神様です!』


と返ってきた!


『さようなら!』


俺は返事が聞こえた瞬間、すぐに別れを告げた。


アホか!神なんて居るわけがない。


きっと、まだ夢を見ていてもう1度寝れば今度は部屋で目を覚ますハズだと思い横になる!


『え?ちょ、ちょっと何寝ようしてんですか?』


まだ誰かが頭の中で話しかけて来るが無視して目を閉じる。


『お~い!聞こえてるでしょ!返事して。コラ~!神様を無視とかあり得ないんですけど?ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、』


『うるせぇぞ、おい。寝れないだろが』


俺は頭の中で騒がしくする自称神様に怒鳴りつける。


すると


『おい、コラ。神が話しかけてるのに無視してるんじゃねえよ!しかも、うるせぇだと?せっかく、私が状況の説明をしてあげようってのに無視して横になるとかあり得ないんですけど?ねぇ、わかってんの?』


とドスの効いた怒り声で話しかけて来る神様に俺は


『すみませんでした』


と土下座する勢いで謝るしかなかった。


いや、だって怖すぎるから。心臓を捕まれる様な感じがしたよ!


俺が謝ると声の誰かは、


『今回は許すけど次に舐めた態度とると知らないよ!』


と言い、続けて


『とにかく今、君に起きてる状況を説明するから良く聞きなさい?質問があっても後にしなさい!わかった?』


『は、はい』


と俺が返事をすると


『よろしい!まずは良く聞きなさい。あなたは夢を見ているだけだと思っているようだけど、現実だから。そこは地球とは違う別の次元に存在する世界。あなたに分かりやすく言うなら異世界ね!まずは、そこを理解しなさい!』


『は?』


俺は突然の話しに意味が分からず、ただ一言呟くだけだった。




『お、落ち着いた?』


恐る恐る質問してくる自称神様?に俺は『はい』と返事をするのが精一杯だった。


くそ、頭が凄く痛い。


突然の話しに意味が分からなかった俺は、近くの岩場に頭突きを繰り返した。


そうすれば、きっとまだ夢の中で起きたら部屋にいると思ったけど残ったのは痛みと頭から出る血だけだった!


その夢の中ではあり得ない痛みが、これが現実だと理解させる!


思えば、あの歩き回った後の疲れも現実なら当然ってことか。


『とにかく、説明をするわね。まずは今までの事も夢じゃなくて現実。あなたには地球から精神だけをこの世界に来てもらってたの。』


意味不明です。


『実は、あなただけじゃなくて他にも地球から呼んだ精神はあるわ。その精神を私達が用意した体に入れて活動してもらってたの!』


私達?


『目的は、この世界の発展の為。ここは、地球と違って文明がまだまだ低いのよ!だから私達は、たまに他の世界から発展に貢献しそうな人達を呼び出すの!夢だと思わせてね!』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る