【番外編】成神マンシール 第二弾
神奈子「日用品だけでなくチョコまで買って頂いて、ありがとうございます」
ビンゴ「いえいえ。ついでだし、甘いのはぼくも好きだしね。それにしても、時任さんがこういったお菓子を好んでいるとは意外だね」
神奈子「誤解です。私が無断でシールに使われているとの噂を聞いたので、その裏取りをしたいだけです!」
ビンゴ「は、はぁ」
神奈子「というわけで、一緒に開封してみませんか? ていうかしましょう! ね!」
ビンゴ(なんだろう、この断れない気迫は)
〇成神マンシール No.004
『
〇プロフィール
ブラックセーラーの作者にして、その登場人物であるホワイトボルトのコスプレをした成神だ! かなりナルシスト!?
〇神業『
自分の感覚と運動を加速させ、超高速での行動が可能。投げたボールを急加速させたりすることも可能で、応用は無限大!
ビンゴ「加速は、なんでも出来る時任さんもけっこうな頻度で使うよね」
神奈子「便利ですからね。虚を衝くのにも適してますし」
ビンゴ「でも、どうせ『なんでも出来る』んならさ、いっそ加速なんて言わず時を止めればいいんじゃないかと思うんだけど」
神奈子「はぁぁ……失望しました」
ビンゴ「え」
神奈子「何も分かっていませんね。こういう能力バトルもので、最初から時間停止なんて能力が出てきちゃダメなんですよ」
ビンゴ「は、はぁ……」
神奈子「それに、もし時間が完全に停止したら、重力も働かなければ、光も完全に停止しているから視覚も奪われ、そんな中では活動できないんですよ」
ビンゴ「……カガク的なことには詳しくないけど。そういうのって、加速に対しても言えるんじゃないの?」
神奈子「いいえ。例えば重力は、発動者である私が不便にならないよう重力も同時にほどよく加速させていると説明がつくのです。光も同様」
ビンゴ「……はぁ」
神奈子「正直にぶっちゃけると、時間停止系の能力は超強キャラじゃなければ使えないというイメージが邪魔して、上手く発動できないだけです。はい」
ビンゴ「今後使えるようになる可能性はある、と」
神奈子「そもそも加速と時間停止を混同して考えること自体がナンセンスです! これらは全くの別物なのです、いいですか、そもそも時間停止能力を創作で取り扱った起源というのはもごごごっ……」
ビンゴ「
〇成神マンシール No.005
『ブラックセーラー』
〇プロフィール
漫画の中から飛び出してきた、都市伝説級の激レア成神!? 漫画同様、夜な夜な悪党を成敗して回っているとの噂が!
〇神業『なんでも出来る』
変身さえすれば無敵という原作の設定と同じく、加速も巨大化も思いのまま。真偽は定かでないが、本当なら成神最強格!?
神奈子「あっ、出ました! 私のシール!」
ビンゴ「よかったね。それにしても、世間では時任さん……ブラックセーラーは、正体不明の都市伝説ということになっているのか」
神奈子「みたいですね。街中をこの格好で歩いていてもコスプレと思われるだけだし」
ビンゴ「なんか令和になってから、コスプレみたいな派手な格好で出歩く人、増えたもんな。それにうまく紛れられている、ということなのかな」
神奈子「……有名になりたいわけじゃないですが、いまいち納得いきません。そんなパリピと同じだと思われているとは」
ビンゴ「まぁまぁ。本物だとバレた方が面倒だしいいじゃないか」
神奈子「いっそのこと、神業を使って、そういう派手な格好をしている人間の服を全部剥いでみましょうか。読者サービスというやつです」
ビンゴ「男子中学生みたいな妄想するね、君……」
神奈子「えっ? もしかしてビンゴさんも中学生の時はそういう妄想をもごご……」
ビンゴ「
〇成神マンシール No.006
『ミドルフィンガー
〇プロフィール
指相撲世界チャンピオン。彼の妙にクネクネした指の動きを正視し続けて精神に異常をきたしてしまった指相撲選手もいるとか。
〇神業『今治フィンガー』
指で武器の形を表すと、例えば指で鉄砲を形作れば指先から弾を撃てるなど、武器の力を指に得られる。名前に何の捻りもない。
神奈子「……えっ、誰ですか、これ」
ビンゴ「没キャラみたいだね」
神奈子「没キャラ!?」
ビンゴ「元々のプロットでは、一章の成神闘技ではぼくと彼が闘う予定だったらしい」
神奈子「いやいやいや! 指で武器作れますよ程度の奴が、テレポートとかビームとか何でもありのインチキ手品おじさんに勝てるわけないじゃないですか!!」
ビンゴ「今サラッとぼくの事えげつない呼び方しなかった?」
神奈子「えっ、ていうか今回これで最後じゃないですか?」
ビンゴ「……買ってきたチョコはこれで全部だ。今回これで最後だね」
神奈子「OKAZさんは!? こんなよくわかんない没キャラ紹介してる場合じゃないでしょう! みんな気になってますよ、『あの天パけっこう中二臭い技名みたいなの言ってたけど結局どれが神業なんだよ』って!」
ビンゴ「ちょくちょく毒吐かないと喋れないの?」
#
神奈子「……なんだか納得いかないですが、今回のところはこれで終わりにしましょうか」
ビンゴ「今回は? 次回があるの?」
神奈子「当たり前じゃないですか」
ビンゴ「いや……時任さんの目的はブラックセーラーのシールを確認することだったんじゃないの?」
神奈子「そ、それはそうですけど! でも最後に出したシールが『ミドルフィンガー今治』で終わるのは嫌ですよ!」
ビンゴ「それはそうだね」
神奈子「椎橋くんに買ってもらったぶんがまだ少し冷蔵庫に残っているので、次回はマヤンちゃんを誘ってそれを開封していきたいと思います」
ビンゴ「……ちなみに、一人で開封する気はないの?」
神奈子「えっ、次回も出たいですか?」
ビンゴ「絶対に嫌だ」
神奈子「そこまで言わなくても。あ、今回出たぶんはアルバムに入れとかなくちゃ」
ビンゴ「…………」
神奈子「…………」
ビンゴ「……ミドルフィンガー今治もちゃんと入れてあげなよ」
神奈子「いります? これ」
ビンゴ「ゴミを押し付けるな」
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