この世界の最強とは?
黒猫
第1話 世界の最強とは?
この世界で最強なのは勇者であるのか?
答えは否である。
この世界の最強は…
「ギャー、面倒くさい書類が山積みに…しかも今日までに終わらせないと帰らせてくれないの?」
「そうです。というかですね…1か月前から締め切りがあるのに遊びまくってた人は誰ですか!」
副会長のサーシス・ルナがキレているが仕方がないと思う。
せっかくの休みがあるのに生徒会長だけ仕事してろっておかしくない?
この男こそが世界最強カード・イアである。
「イーアー。お姉ちゃんにかまってよ~」
いつの間に侵入したのかわからないが背後から抱き着き頬ずりをしつこくしているのが俺の姉であるカード・レイである。
「姉さん…いつも言ってるでしょ?侵入してくるな、抱き着くな、頬ずりするなって」
姉さんは俺から離れソファーに座りルナが出したお茶を飲みながら、しらな~いと言ってくる。
「大体、世界最強と言われてる姉さんがこんなところに毎度きてちゃダメでしょ…」
普段はこんなどうしようもない姉だが、戦闘となれば態度が一変する。
一度世界が魔の手に落ちかけた時姉さんが救ったということになっている。
「へぇ~。隠れ蓑になってあげてるお姉ちゃんにそんなことを言うんだ~。へぇ~」
「いや、それとこれとは違いましてですね…」
「お姉ちゃん、うっかり本当のことを離しそうだなぁ~」
机に積んであった書類が舞い散るほどの勢いで土下座をかました。
「すんませんでした!!」
こんなことを言ってはいるが、姉もこの世界の3本の指に入るほどの強者だ。
なので大半の魔人は狩れるし魔物退治も苦戦することはない。
「それで、謝罪は行動で示さないとね?」
「なので土下座をしている訳なのですが…」
もしやこれでは足りないと…?
「そういえば甘いものが食べたいな~」
「はいただいま」
そう言って生徒会室の窓を割り最速でシュークリームがおいしいと人気の店へ走った。
「あの人は…」
頭を抑えながらお茶を注ぐルナちゃん
「全くイアはからかいがあるなぁ」
お腹を抱えながらケタケタと笑っている。
「勘弁してくださいよ…こういう窓とかを戻すの私なんですから…」
そう言って先ほど割った窓を修復していく。
「いつ見ても凄い綺麗に戻せるね」
「まあ、戦闘系は駄目ですけどこういう造形系は長けてますから」
そう言って淡々と修復していく
多分イアがそこから入ってくるから今やらないほうがいいと思うけど
少し抜けてるところもあるがイアとはなかなかうまくやっている
「なんでイアは自分の功績にしないんですかね」
「あの子は面倒くさいことが嫌いだからだろうね…」
なんだかんだ、魔人を狩りに行くと伝えたり伝われば一緒に来て見定めている。
そんなことをするなら自分がやればいいのにと言ったら
『姉さんには死んでほしくないけど、強くなって欲しいからね』と言っていた。
「結局自分の大事な人たちが危険になるってわかったら本気を出して守るんだよ」
「そうですねだから、惚れてしまったんですよね…」
ポロっと恋心が漏れていたのを聞き逃さずにイアが帰ってくるまでいじり倒した。
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