第7話 放置


〜草原〜


勇者side


急に、体が動かなくなった。


何がどうなったのか分からず、皆沈黙していた。


「ぇ……」


そんな小さな声を発したのはリンだった。


その小さな声でみんな話し始める。


「プレイヤーの子、御手洗にでも行ったのかな?」


「画面開いたまま?」


このゲームは折りたたみ式のゲーム機で出来る。画面開いたまま御手洗はあるかもしれないが……


「まぁ、待ってればいいかもな……」




〜1時間後〜


「えプレイヤーの子来ないんですけど!?座りたいんですけど!?」


「いやそっち!?」


1時間もすれば、さっきの暗い雰囲気なんてどこかへ消えてしまって、いつものユメの明るい声が響く。


「はぁ、これ、放置だよな……」


「うん……しかも1時間って……」


〜3時間後〜


「プレイヤーはよ戻ってこいや!!」


そんなユメの声は空の彼方に消え、代わりに静寂が返ってきた。


もう立ちっぱなしで、みんな喋る気力がなくなってきた。


その時、画面が点滅し始めた。


「へ!?」


「目がチカチカする……」


(俺らどうなるんだ……!!)


その時、画面が真っ暗になった。

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