ある犬の一生
タクゾウ
第1話
わたしが産まれた時はたくさんの兄弟とお母さんがいつもそばにいたの。
でもわたしが歩き回れるようになって、お母さんのおっぱいがいらなくなって、ご飯を食べるようになった頃に知らない人間のところに連れていかれちゃったの。
最初はいつもいたお母さんもいないし、一緒に遊んでた兄弟もいないし寂しかったなあ。
でもわたしを連れて行った人間はとっても優しかったの。美味しいご飯をくれるし、遊ぶものをいっぱいくれるの!
おっきい男の人と、おっきい女の人。それに中ぐらいの女の子と中ぐらいの男の子がいたんだ。
ご飯をくれるのはおっきい女の人。外に連れて行ってくれるのはおっきい男の人。たまに中ぐらいの男の子も連れて行ってくれるかな。中ぐらいの女の子はわたしが遊ぶ物を持ってきてくれるの。
わたしが産まれた所は外が真っ白でとっても寒かったけど、この人達の所は外に白いのがなくってあったかい所だったの。
うんちとオシッコをしたい時にしてたらおっきい女の人にすごく怒られちゃった。でもガサガサする紙の上でオシッコしたらすっごく褒めてくれたの。散歩してる時はいつオシッコしてもうんちをしても怒られないの。怒られれのはいや。褒められるのは嬉しい。だからわたしはうんちは散歩の時にすることにしたの。
わたしがいつも食べてるご飯とは違う物を人間のみんなは食べてるんだ。わたしのご飯と違ってすごく良い匂いがするし、毎日違う物を食べてるみたいなの。それが羨ましくっていつもテーブルの側で待ってるんだけど、たまに中ぐらいの男の子が自分が食べてる物をくれるの。とーっても美味しくってもっと欲しいんだけどあんまりたくさんは貰えないの。けちだなあ。
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