第14話 ゾンビ

「ガオー!」

 エリザベス城にゾンビが大量発生した。もちろんサタンたち悪魔に殺された人々が生きる死体ゾンビとして蘇ったのだ。

「キャアアアアアアー! お城が真っ赤に染まっている!?」

 白銀のエリザベス城が殺された人間の血で炎の様に赤いエリザベス城に変わり果てていた。

「ゾンビどもを殲滅せよ! 全軍突撃! 突撃!」

「おおー!」

 ハリウッド王国は軍隊を派遣して、エリザベス城のゾンビの掃討作戦を始めた。

「ここにクリスティーナたちが魔界に行った理由があるはずだ!」

 ブラピはクリスティーナたちが、なぜ魔界に行ってしまったのか、理由を知りたかった。一夜にして血塗れのゾンビ城に変わってしまったエリザベス城に手がかりがあると睨んだのである。

「後方支援は任せろ。火魔法! ファイヤー・ボール!」

「簡単な回復魔法は使えます! 回復魔法! リカバリー!」

 ジョニーとエマもブラピのパーティーとして、エリザベス城にやって来た。

「クリスティーナ、ここで何があったんだ!?」

 ブラピは悪魔サタンに成す術なく倒されて気絶してしまい、クリスティーナを守ることができなかったことを後悔している。

「ブラピ!? なんで魔法が使えないんだよ!?」

「俺の夢はハリウッド1の剣士になることだ。魔法なんか要らない。」

「カッコつけている場合ですか!? そんなんだからクリスティーナに愛想を尽かされるんです!」

「おお!? 今のは俺の心にグサッと刺さったぜ。二度と言うな。」

 ブラピの前でクリスティーナの話は禁句である。

「でやー!」

 くだらない会話をしながらも3人は、真実を知るためにエリザベス城の奥へと進んで行く。

「おまえは!? セバスチャン!?」

 ブラピはエリザベス姫の執事セバスチャンのゾンビを見つける。

「あなたはブラピ!? 全てはおまえの性だ! おまえがエリザベスお嬢様のものにならなかったのが原因だ! 死ねえー!」

 ゾンビと化したセバスチャンはブラピたちに襲い掛かってくる。

「俺の性? 教えてくれ! あんたはなぜゾンビになったんだ!? いったい、この城で何があったんだ!?」

「ケッケッケ。いいだろう。教えてやろう。おまえがエリザベスお嬢様の愛を拒んだから、その腹いせにエリザベスお嬢様は、おまえの愛するクリスティーナをいじめることを思いついた。孤児院の子供たちやおまえに危害を加えるとエリザベスお嬢様はクリスティーナを脅して服従させていたのだ。」

「なんだって!?」

 ブラピはクリスティーナの身に危機が迫っていたことを初めて知る。

 つづく。

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