第10話 友達
(なんなんの!? この黒い生き物は!? まさか!? 悪魔!? 私が呼び寄せたの!?)
クリスティーナの心の声が悪魔を呼び出した。クリスティーナには悪魔召喚するスキルを持っていたようだ。
「ギャア!? 化け物だ!? 近づくな!? 悪魔め!? 悪魔なんか死んでしまえ!?」
エリザベス家の王族の皆さんは悪魔の登場に恐怖で恐れ怯える。
「悪魔!?」
その言葉にクリスティーナは反応した。
「そうね。悪魔は死ぬべきね。人間の皮を被った悪魔は死になさい! 皆殺しよ!」
形成が逆転した。襲われていたクリスティーナが、今度は王族を襲う側に交代したのである。
「かしこまりました。」
「ギャアアアアー!?」
悪魔は次から次へと人間を殺していく。
「や、やめてよ!? なんとかしなさいよ!? クリスティーナ!? こいつらあなたの言うことなら聞くんでしょ!? 早く止めなさいよ!? あなた私のお世話係なんですから!?」
この期に及んでもプライドの高いエリザベス姫はクリスティーナに命令を下す。
「やめるわ。あなたのお世話係。」
「助けてくれ!? ギャアアアアー!?」
エリザベス王に続いて、エリザベスの兄たちも次々に殺されていく。
「ねえ!? クリスティーナ!? 私たちは友達よね!? 孤児院の子供たちも学校に通わせてあげるわ!? お金もいっぱいあげる!? だから助けて!? ね!? ね!? ね!?」
命乞いするエリザベス姫。
「友達? 私はあなたを友達と思ったことは一度もないわ!」
「ヒイーイ!?」
これまでエリザベスにされたいじめの屈辱がクリスティーナの脳裏によみがえる。
「消しなさい。サタン。」
「かしこまりました。」
無意識にクリスティーナは悪魔の名前がサタンだと分かった。
「ギャアアアアー!?」
エリザベス姫はサタンに無残に粉砕された。
(スッキリした。嫌な奴だったけど人間が死ぬのを見て、私は喜んでいる? これはどういった感情なの?)
人間の悪魔エリザベスを倒すと、今度は目の前の悪魔が気になるクリスティーナ。
「あ、あなたは悪魔? あなたは何者なの? 私も殺すの?」
不思議とクリスティーナは化け物の悪魔のことが怖くはなかった。
「これは失礼いたしました。」
化け物の悪魔が人間の姿に変わる。それこそ、人間の王族よりも王族らしい姿に。
「お迎えにあがりました。セーラ姫。」
「姫?」
「はい。あなた様は、先の魔王様の忘れ形見、セーラ姫様です。」
クリスティーナの出生には誰も知らない秘密があった。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。