最終学歴は中学生

よっこ

第1話 新生活

出会いと別れの春。希望に満ちた新生活の始まり・・・のはずだった。

思春期という名の病はとても厄介で、誰もが通る道なんだろう。


ちょっとした事で反抗したりして、精神的にも不安定。

『当たり前のように高校生になって青春を満喫』という道を、

自らドロップアウトしていった。


中卒なので当たり前だが、こじんまりとした、小さな会社に就職。

右も左もわからないままの新生活が始まった。



「え~新入社員の【横井直樹】君だ。みんなよろしく頼むな」


会社の部長らしき人が自分の紹介をした。

周りを見ても、同年代どころか若そうな人は誰もいない。

元々が人見知りな自分なだけに『不安』だけが頭によぎる。

慣れない事ばかりだから、一か月ぐらいは家に帰ってダウンの繰り返しが続いた。


中学時代は友達も少なく基本はボッチ・・・


「高校デビューも出来ないし、俺・・・何やってんだよ・・・・」


休日もどこも出かけず家で引きこもっていると、近くに住む、いとこの【光武哲治】

が訪ねてきた。


「おーす直~。仕事は上手くいってるか~?」


「お~哲、高校生活は楽しいか~?」


「そりゃもう楽しいよ~彼女も出来たからな~」


「おまえは相変わらず・・・もてるよな」


哲は中学時代から人当りも良く、格好良くて話し上手、顔もイケメン。


「で、仕事の方はどう?」


「そんなの楽しいわけないじゃん・・・若い人もいないし話し相手すらいないし」


「そっか~だったら今度、俺の彼女も紹介したいから今度遊びにいこうぜ~」


「彼女の友達でも紹介してもらえばいいじゃん」


そう言いながら勝手に話が進んで、今度遊びに行くことになった。

ただ、自分自身はあまり乗り気ではなかった。

なぜなら、『中卒=ヤンキー』のイメージを絶対に持っていると感じてるからだ。


卒業生300名くらいのうち、高校に行かなかったのは一割未満。

その一割未満の、大体が悪さをしたヤンキーが多いのも事実。

それでも今の生活を変えられるならと、多少の期待を持ちながら遊びに出かけた。

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