第19話 中学の頃といま

夢を見た


中学に通っていた頃の自分に戻る夢


夢だったとは言い切れない位、鮮明に覚えている


目が覚めたとき、なんだか寂しいような気もしたが、横で小さな寝息を立てる妻と子の顔を確認して、ひと安心する。


今を生きる。


それも一つ、大事なことだ。


そして愛すべき事象だ。


中学の頃、私はすごくモテた。


自分で言うのもなんだが、本当によくモテて、中1の初夏位には彼女もできていた。


その彼女を含む女の子たちのグループとカラオケに行ったり、その中の他の女の子からも好意を寄せられていると聞いたり、モテないと言う悩みすらなかった。


その彼女はちょくちょくうちにやってきては、自分の部屋で布団にくるまって遊んだ。


夏の誕生日には何故か親からコンドームをもらい、彼女からは、何かもらったのだけど、何をもらったかは忘れてしまった。


しばらくすると、その彼女からもコンドームを貰った。更にはお父さんに買ってもらったと言う女性向けの大人コミックも貰った。


私は恥ずかしくて、布団の下にそれを隠し、母親に見つからないようにしたけど、多分見つかっていたのかもしれない。


彼女はたびたびうちにやってきては、私にエッチなことを教えてくれるようになった。


10円玉をブラジャーの中に隠して、私に探させたり、目を瞑ってキスをしたり、胸を触らせたりといった具合だ。


当時の自分に性的衝動があったのかわからないが、その記憶はしっかりと残って、頭から今でも離れない。


初めて見た女性の乳首は少し黒いんだなと思った。割と色白気味の子ではあったが、自分が色白だったこともあり、なんかそう思った。


その時、自分のものが勃ったかは記憶していない。むしろその時のことを思い出した時の方がそうなってしまうようなことが多かったように思う。


2年生になったらその子には別に好きな子ができたようで、私は振られた。ある意味引く手数多だった私はその頃にはどうでも良くなっていた。


可愛い子だったが、当時の私にはそこまで興味が持てなかった。


今考えると、もう少しイチャイチャしておけばよかった。


本当のことを書くと恥ずかしい。


頭の中で描いていたことがどれだけ幼稚で、動物的か、改めて思い知らされてしまう。


それでも何故か、もう一度、味わってみたいと思う時がある。


夜更かしして、一人ぼっちになった時。


お寺で座禅を組んでいる時間。


母親に隠れて、車もなく、お酒も飲めず、ただ、女の子と密かに抱き合う抱き合うだけの事が、何故それほどまでに自分を惑わすのか。


不思議でならない。


もう20年も前の話だが、覚えている事はそんな事ばかりだ。


今は昔より幸せだ。


多分。


戻ってみないとわからないけど、制約だらけの当時よりも、自分でなんでも決められる今はとても良い。


嫁も美人で子供も可愛い。


そんなことを改めて確認されされる夢だった。


頭に浮かんだ、その当時の彼女と、そのおっぱいに、感謝を申し上げたい。


おやすみ。

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