電車に揺られるサラリーマンの呟き

海魚

第1話 電車という病

窓から見える景色


移り行くのに代わり映えない景色


踏切の前に並ぶ人々


止まった駅から見える白いフェンス


どこで降りるかわからないのかキョロキョロするおじさん


加速する電車


秋の香り


いや、人の香り


汗 湿気 押入れ 石鹸


充満してこだまする嫌悪となんとか譲り合おうとする正義感


まて、まて、


俺は今、何処にいる


止まらない電車


止まらない思考


帰る時もまた同じ


明日の行きもまた同じ

 

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