ライトノベルシリーズ
逆上之助
第1話 僕は旅に出る
特に強い動機は無い。なんとなくいつもと違う事をしてみたかった。唐突に用意もなく僕は北海道に行く事にした。ルート云々手配云々いろいろあるでしょう。そういうのはすっ飛ばす。リアルである事より自分の主観的感情のみを書き記す、そんな後から思い返す旅行記になれば良いなと綴る事にした。
唐突に僕は北海道北竜町のひまわりの里に行く事にした。アニメか何かで使われたとか聞いたから、それが事実か?は知らない、ふと耳にした噂話しに過ぎない。なんて無計画な、でも、それだからこそいつもの自分と違う事をしてる気分になる。いつもの自分ならもっと丁寧に考えるだろう。それに疲れてしまった。
到着すると案外人が居る。会話が聞こえてくる。
「ここが天体のメソッドで出てきた場所だよね?」
「うん」
ほー、やっぱり日本でこんな場所そうあるのか?と思ってたけどやっぱりここだったんだ。勇気を出して旅の恥は掻き捨てと話しかけてみる。
「あのすいません、ここって水瀬いのりさんが声をあてていたキャラが出たアニメで使われた場所で間違いないんですよね?」
(ちょっと不味かったかな。でも多分オタだよなこの二人)
「そそ、そのキャラ、ノエル」
「ああそうそう、どうも有難うございました」
会話が続きそうだったのでさっさと退散する。いつもの自分と違うなんてここまでだ、無理は禁物。あんまりやりすぎるとストレスになる。すでにぐったり疲れている。二人の邪魔をし無いように僕はオタっぽい人達とは別行動を取った。
正直アニメはきっかけに過ぎない。現実にその場所があると聞いたのがもう2,3年前。旅を思い立ったが特に行きたい場所があったわけじゃない。だからかなり適当に決めた。聖地巡礼はそうこれは言われるのだろうと言うだけで、そのつもりはなかった。きっかけが欲しかっただけなんだ。
じゃ何故声優の名前?いやアニメ別に好きだから…。声優覚えていて、キャラ名忘れてるって実は凄くある。要するに声だけ覚えている。ざっくり言えばあまり面白いアニメじゃなかったんだ。だから聖地巡礼じゃないんだ。旅行目的のきっかけとして都合の良いアニメってだけで、そういったのを誤魔化すのに、声優の名前を出しただけってなる。オタ同士ならこの程度で本心を誤魔化せるだろうと。
日本のどこに自分の複雑な胸中を言い当てる人間がいると言うんだ。我ながら自画自賛だが、悪い印象は与えなかったはず。
いろいろ見回ってから最後にと思っていたら、舞台となった民芸御殿さんのすぐ近くにあったためゴールであるひまわり畑についてしまった。
観光客と地元の人って区別が付くんだろうか?そんな普遍的な疑問は置いておいて直感でそれっぽい人に聞いてみた。
「ここがひまわりの里なんですよね?」
あまりにあっけなく到着してしまったので別にもあるのかな?と思って聞いてみた。
「そうですねひまわり畑ですよ」
(北海道弁とかあったような気もしたけど、よその人には違うように話してくれるのかな?)
「ひまわりの里ですよね?」
「そういう特別な呼び方は思い当たりませんね」
「あれれ?」
私が頭の中でぐるぐると思案してると、
「北海道には他にもこういった大きな花畑があります。ひょっとしたら別の場所の特別な言い方を、この場所にも観光客の人達が間違えて広めてしまってるかもしれません」
「え、そうなんですか?」
「正確にはひまわりの里が、どこの場所を指すか?は分かりませんが、おそらく北竜町のひまわり畑の事では無いか?と思います」
自分に分かる事はここまでと言う事で、観光案内のようなものを兼ねた壮瞥町役場を紹介してもらった。忙しくなさそうな人を取りあえず捕まえてと言うと何か公務員はなどと愚痴もでそうなので、とても忙しそうじゃない人にと心の中で言い直していた。
「申し訳ありません。観光に来たのですが、ひまわり畑が有名だと聞いて来たのですが、ひまわりの里と呼ばれてますよね?」
「観光客の方がどう呼ばれるか?まで分かりませんが、そう呼ばれる有名なひまわり畑なら、おそらく北竜町のひまわり畑じゃないかと思います」
ここでもやはり北竜町なのか。
「どこでその話を?」
「この町、アニメの舞台になった場所ですよね?」
「はい」
「そういった人達が話してた聖地巡礼についてで、ひまわりの里って名称が出たためです。ただ町の名前はここでした。洞爺湖が有名なので、すぐに繋がったのもあります」
「それは多分他の場所が混ざってしまっただけで、特にこの町のひまわり畑はそうやって言われる事は無いですが、来る場所を間違えたというのじゃないのなら安心しました」
「どうも申し訳ありませんでした」
来る場所は確かに間違えてない。なんとなくモヤモヤするが、すっきりもしたので再度聖地巡礼を再開する事にした。アニメの内容はほとんど覚えてない。覚えていたのがひまわり畑だけなんだ。自分としては期待していた。クラナドと言うほかのアニメが中々面白くて、その作者が尊敬するというのがこのシナリオを書いた人だったからで、キャラデザの方がオマケだったが、ノエルのキャラデザも良かった。
ただ、これが聖地巡礼というものか、確かに実際アニメに出てきた場所がそこにあると不思議な気持ちになるものだ。全然覚えてない作品だが、その場所に来るとある程度高確率で思い出せた。
そんなこんなでケチがついた聖地巡礼の旅は無事終わり帰る事にした。
さて、これからどうやってこの気まぐれで始めた旅行記にしていこうか?悩むところだ。写真なども取ってきたので、いずれブログ形式でやろうと思ってるのだけど、正直言えば初めてすぐだが面倒になってきた…。これが三日坊主と言う奴か。
面倒はなったが、反省点をいろいろ考えていた。自分としては行って見たいなって気持ちを書きたかった。だから道のりとか過程とかすっとばした。ネットの会話の適当さの批判みたいなテーマになってしまった。是非次回に生かしたいものだ、次回があればだけど。
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