022:くそいらねぇ……。
《個体名『ユウナ』のレベルが上がりました》
《個体名『ユウナ』のレベルが上がりました》
《個体名『ユウナ』のレベルが上がりました》
《カルマ値が大幅に下降しました》
《各種能力値が上昇しました》
《新たにスキル〈痛覚軽減〉を獲得しました》
《スキル〈痛覚軽減〉のレベルが上がりました》
《スキル〈痛覚軽減〉のレベルが上がりました》
《スキル〈痛覚軽減〉のレベルが上がりました》
《スキル〈痛覚軽減〉のレベルが上がりました》
《新たにスキル〈分裂意思〉を獲得しました》
《スキル〈並列思考〉はスキル〈分裂意思〉に統合されました》
《新たにスキル〈思考超加速〉を獲得しました》
《スキル〈思考加速〉はスキル〈思考超加速〉に統合されました》
《スキル〈思考超加速〉のレベルが上がりました》
《スキル〈思考超加速〉のレベルが上がりました》
《スキル〈思考超加速〉のレベルが上がりました》
《スキル〈集中〉のレベルが上がりました》
《スキル〈集中〉のレベルが上がりました》
《スキル〈集中〉のレベルが上がりました》
《新たにスキル〈極限集中〉を獲得しました》
《スキル〈集中〉はスキル〈極限集中〉に統合されました》
《スキル〈極限集中〉のレベルが上がりました》
《スキル〈極限集中〉のレベルが上がりました》
《スキル〈極限集中〉のレベルが上がりました》
《新たに称号『蛇殺し』を獲得しました》
《新たに称号『戦闘狂』を獲得しました》
《新たに称号『戦闘の鬼才』を獲得しました》
《新たに称号『スピードスター』を獲得しました》
《称号『戦闘狂』の詳細を確認したことにより、スキル〈狂化〉を獲得しました》
《スキル〈狂化〉とスキル〈獰猛化〉が統合され、新たにスキル〈獰猛狂化〉を獲得しました》
《称号『戦闘の鬼才』の詳細を確認したことにより、スキル〈身体強化〉を獲得しました》
《称号『スピードスター』の詳細を確認したことにより、スキル〈高速移動〉を獲得しました》
《スキル〈脱兎〉はスキル〈高速移動〉に統合されました》
++++++++++
……ぅん。
はぁ〜、爆睡してしまった。
よかったー、まだ生きてるっぽい。
…………。
ってあれ、何?
なんか顔に張り付いてるんですけど。
何も見えないんですけど。
というか何この居心地の悪さ!!
圧迫感半端ない!!
怖い!!
つぐみさーん!! つぐみさーん!!
《おはようございます、ユウナ》
うん、相変わらず冷静つぐみさん。
その冷静さになんかちょっと安心しちゃった。
ところで今どういう状況っ!?
凄く不安なんですが。
ピチピチのビニール袋にでも入れられてるの!?
《大丈夫です、安心してください。これはスキル〈全癒脱皮〉の効果によるものです》
え……脱皮?
じゃあ今私脱皮してんの?
確かにそんなスキルもあった気がするけど……。
《このスキルは発動に30秒もかかりました。HPはもちろん欠損等も全て回復できるため有用なスキルなのですが、戦闘中には使えませんね》
うん、そうだね。
30秒もかかるんじゃ無理だね……じゃなくて!!
そうじゃないよつぐみさん。
どうしたらいいの私。
《……戦闘時とは本当に別人ですね。あのどこまでも冷静で智謀に長けたユウナはどこへいったのですか?》
つぐみさんの唐突なディス……。
いや褒められてる……のかな?
《身体を動かしてみてください。それだけでいいです》
りょ、りょうかい。
ぐぬぬ。
ぐぬぬぬぬぬ。
メリッ
おっ
メリメリメリッ
おぉ!!
背中の方で何かが破れる音が聞こえた。
何かが開いた感覚もある。
尋常じゃない解放感も伝わってくる!!
よっしゃー、やったるぜー。
力を入れ、捻ったり曲げたり押してみたり、とにかくこの最高に居心地の悪い何かから抜け出すために身体を動かした。
そして、グッと上半身を起こす。
メリッという音と、ヌルっという感覚。
ぷっはー。
ついに出られたー。
半端じゃない解放感。
やば、これ好き。
《お疲れ様です、ユウナ》
うん、お疲れ様つぐみさん。
すごーい。
あんな死ぬかもしれないバトルしたのに、全然疲れてないわ。
ぴょんっ、とジャンプ。
半透明の私の抜け殻から完全に抜け出す。
……脱皮ってこんな綺麗に抜けられるものだっけ。
まあ、その辺はどうでもいいや。
というか、ここどこ?
めちゃくちゃ草むらだけど。
《ユウナが戦闘を行ったコンビニから最も近い道路脇の草むらです》
へ、へぇー。
つぐみさんが移動したの?
《はい》
今さらだけど私の身体動かせたんだ。
あの時は咄嗟だったんだけど……。
さすがつぐみさん。
《ユウナとワタシはそれほどに相性がいいので。身体を動かすというのは初めてだったので難しかったです》
そうなんだ。
うん、とりあえずありがとつぐみさん。
助かったよ。
私だけじゃ絶対倒せなかった。
《…………》
ん?
どうしたのつぐみさん?
《……いえ、なんでもありません》
そう?
それならいいんだけど……。
あっ!
そういえばあの後蛇は……って、聞くまでもないか。
殺せたんだね。
このでっかい魔石がそれか。
私の目の前には、紫の淡い光を放つ今までで1番大きな魔石がある。
すごく綺麗。
でもなんで食べてないの?
身体動かせるなら食べれば良かったのに。
《戦果を独り占めなんてできません。一緒に食べましょう。……それに、ワタシは今回なんの役にも立てなかったので》
え。
さっきの沈黙って、もしかしてそんなこと気にしてたの?
《…………》
つぐみさんって意外と繊細だねー。
《ユウナ……その……》
いいんだよ、つぐみさん。
私たちはチームなんだから。
得意なことと苦手なこと、分ければいいじゃん。
むしろ私は安心してるよ。
有能すぎるつぐみさんにもできないことがあるんだなーって思えて。
《はい……申し訳ありません》
…………。
だぁー!!
テンション下がる話はなし!!
せっかく生き残れたんだからまずはそれを喜ぶの!!
いただきます!!
私は勢いよく魔石にかぶりついた。
バリボリ、バリボリ。
あー、やべー。
バリボリ、バリボリ。
超美味しい。
半端ねー。
まじ半端ねー。
めちゃめちゃ幸せ。
あ、そういえば。
人間も魔石って食べるの?
なんか想像したら結構ヤバいけど……つぐみさんたちには必要なんでしょ?
《不明です。ですが、ワタシたちは寄生した生命体の精神構造によって必要な養分が変わります。人間と魔物では大きく精神構造が異なりますので、恐らく違うかと思います》
ふーん。
そうなんだ。
まあどうでもいいか。
バリボリ、バリボリ。
バリボリ、バリボリ。
あぁー最高。
最高……なんだけど……。
…………。
えっとー、つぐみさん。
《はい、なんですかユウナ?》
ずっと無視してたんだけどさ……この剣なに?
黒くて禍々しくて、いかにもヤバそうな剣が実は私の足元に転がってる。
私のサイズからしたら超デカい。
脳の処理が追いつかなくて今まで無視してたんだけど……。
なにこれ。
まじでなんなのこれ。
と、悩む間もなく私の脳内には情報が届いた。
『魔剣レーヴァテイン:四大魔剣の内の一振り。全てを焼き尽くす黒炎を司る魔剣』
…………。
あのぅ……つぐみさん。
《あの蛇型の魔物『ザルヴァ・アングイス』の討伐を終えた後、魔石と共に1つのクリスタルが残りました》
ふむふむ。
《ワタシはすぐにそれが『ドロップアイテム』であると理解しました》
ふむふ……え、ドロップアイテム?
《はい。本当はユウナが目覚めるまで待ちたかったのですが、すぐに身を隠し回復する必要があったため、仕方なくワタシはそのクリスタルに触れました。すると、僅かな発光と共にこの剣が現れたというわけです》
へ、へぇー。
ふーん……。
《この草むらまでこの剣を咥えて移動するのは大変でした》
お疲れ……さまです……。
《? ユウナはあまり嬉しそうではありませんね。これはアレじゃないのですか。ユウナの知識にある、スーパーレアドロップというやつではないのですか?》
…………。
くそいらねぇ……。
【後書き】
Q.精神寄生生命体の影響は人間にもあるのか?
A.あります。しかし、寄生生命体と寄主には相性があるので、影響が出るまでの時間と度合いには個人差があります。加えて、人間の精神とは基本的に相性が悪いため現在は変貌後の世界に適応できていない人が多く存在しますが、いずれは、ただ怯えているだけの人間はいなくなります。子供でさえも生きる為に武器をとり、戦うことでしょう。
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