第4話 競争社会が嫌い

私は競争社会が嫌いです。

競争すれば必ず敗者が生まれるからです。


そして、私は常に敗者側でした。


受験、仕事、スポーツ、恋愛。

あらゆる分野で負け続けてきました。


取るに足らない小さな勝ちはあっても、ここ一番の競争で勝った覚えがありません。


努力不足?

それなら、まだよかったんですけどね。


努力ではどうにもならないことがあるんですよ。

長くなるので事情は省きますが…。


さて。

当然ながら、負ける側にとって競争が面白いはずありません。


あまりにも連敗が続けば、競争する気が失せます。

努力する気も失せます。


重ねて言いますが、それは当然のことです。


なのに、私が悪いのでしょうか?

私が勝てなかったから悪いのでしょうか?


でも、私が勝てば他の誰かが負けるんですよ?

そしたら今度はその人が悪ですか?


だとすれば、競争とは悪を生み出すシステムということになりますね。


でも、競争がなければ人間社会は進歩しない。

それもまた必然。


もうワケが分かりません。


ただ一つ言いたいのは、

「もっと努力せよ」と言うなら、せめて一度くらいは花を持たせてくださいよってこと。


出来レース大いにけっこう。

一度でいいから、私を確実に勝たせてください。

そしたら、やる気が出ますから。


え、無理?

自力で何とかしろ?


知ってるよ。

容赦ないね、まったく。


もっとも、生きている時点で生存競争には勝ってるんだから、私に食べられた動物や魚から見れば、私も充分勝者側だと言われれば、否定はできないんですけどね。


それも知ってるよ。

だから、これはただの憂さ晴らし。

みんな大好き憂さ晴らし。


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