第8話 アットホームな会議
「えーこれから新入生を招待するにあたって、一人一人それぞれ気になってる生徒と
その説明をお願いします
司会進行役は私 赤石 幸田
が務めさせて頂きます」
授業が終わり、さっそく放課後の打ち合わせが始まる
席の並びとしては、目の前に青木とパソコンを打ち続ける大地が向かい会っていて
その横ではニヤニヤしている水又先輩と手を前で組みゆったり座る水又先輩がいる
水又 努 【みずまた つとむ】先輩
顔立ちは甘く、更には肉体にも余念が無くしっかりしている
更には髪にはパーマ、ファッションは雑誌の人に取材されるくらいにはセンスがある
当然モテないわけも無く、全くうらやましい人である
「えー、では新入生に求める物とその理由について青木からお願いします」
さて、始まったのは毎年恒例の一年勧誘会議である
今年の司会は先輩からのパワハラと同級生の推薦によってやりたくない司会をやらされている
「は〜い、私は勉強を教えてくれる優しくて頭がいい後輩がいいです
理由は私のテストの成績が上がるからです」
清々しい笑顔で堂々といって除ける
「利己的なな意見ありがとうございます、これになにか意見、質問ある方居ますか?」
周りを見る限り特に何も無いようだ
「ツッコミ不在って怖いですね、次は大地くんお願いします」
「俺はグラビアアイドルみたいな子が良い
理由はそこにいて欲しいからだ」
「ラブコメ的な発言ありがとうございます
何か意見、質問ありますか」
「はーい」
「水又先輩どうぞ」
「今度グラビアアイドルみたいな子は紹介するから清楚系の子の勧誘も手伝ってくれないかな」
「という事らしいですが大地君どうでか?」
「その提案には有り難く乗らせて頂きます」
「では次岩上先輩お願いします」
「そうね私の求める後輩は、赤石君みたいな人以外かしら、理由は居るだけでむしょうに
腹立たしくなるから」
「辛辣で心に刺さる発言ありがとうございます、これについては後で自分から沢山の質問
ご意見有りますのでまた後ほど、最後に
水沢先輩お願いします」
「僕は取り敢えず女の子なら誰でも良いかな」
「取り敢えず先輩はメスのゴリラとでもお楽しみください、あとギスギスしたシリアス展開とか好きじゃないんで部活の後輩には手を出さないで下さい」
先輩はおかしい物でも見たかのように笑う
「昔はあんなに可愛かったのに言うようになったなぁ」
「そりゃあんな個性的な先輩方に連れ回されましたからね、おかげさまでだいぶ耐性付きましたよ」
「良かったじゃないか後輩」
「良くないです、だから最後に僕が後輩に求める物は常識のある普通の後輩です
理由はこのまま後一年続くと俺のメンタルが病むからです」
「あら、私がこんなにも熱心に後輩を配慮しているのにまだ足りないのね」
手を目のところまで持っていき泣きまねをする
「あー赤石が女の子泣かした」
「女心が分かってないな〜」
「全くですね、男の風上にも置けない奴だ」
三者三様それぞれの罵声が飛ぶ
「理不尽だ…」
「ファミレスで今度ランチ奢ってくれたら許してあげるわ」
「まあ、今回は一年お世話になりましたし、それくらいなら奢りますよ」
「あら、それは楽しみ
三つ星レストラン予約しとかなきゃ」
「じゃあ俺らは、いきなりだと悪いから一か月ごとに一人ずつ頼むわ~」
「平然とみんな分奢らせようとしないで下さい!」
「じゃあ早速みんなでファミレス行くか」
「さんせーい!」
「先輩のお誘いとあれば喜んで」
「別に俺は奢りませんからね!」
「ついでにナンパとかするか」
「これだから男子は…」
「いえ、普通の男子はあんな軽い感じでナンパしないので勘違いしないで下さい
そんなのできるのは幸田と水又先輩くらいのものですから」
「俺も巻き込むのはやめろ」
「あ、そうそう先輩方、私達が招待したい
転校生がいるんだけど良いかな?」
「ああ、例のあの子?良いよ良いよ、女の子は是非とも歓迎だ」
「マジで手を出すのはやめてくださいね」
昔、むくに遊んでいた記憶があるだけに、そうゆうのは夢見過ぎかもしれないが傷つく
「さすがにそんな見境無しには手を出さないって」
「だと良いんですけど」
「にしたって新入部員が来たらどうしましょうか」
「そりゃあれだ、歓迎会で例の酒一気飲みだ幸田が」
「ちげえよ!歓迎会で高校生に酒飲ませるな!」
「いやほら、あいつら浴びるように毎回飲んでるだろ」
「あれは漫画だからな」
「えっと、例の酒って何?」
「アルコール度数96%のお酒だ」
「何それ、ほぼアルコールじゃん!?
そんなの飲んで大丈夫なの?」
「一応売り物だし大丈夫だと思う、断言は
出来ないけど」
世の中は広いなぁ
「まあ今回は道具とか色々あるし、歓迎会終わったら普通にホテル取って旅行でいいんじゃないかしら」
「そうだね、どこか行きたいとかある?」
「個人的には青森に行きたいですね」
「ほう、そりゃまた何でだい大地君?」
「好きなアニメの聖地なのと、たまには仄々とした観光地も悪くないかなと思いまして」
「え〜、それだったら今回はいかにもな京都とか大阪とか、いかにもなところでいいんじゃないかな?
慣れてない子はメジャーなとこの方が交通とか施設も沢山あった方が楽だし」
「確かに、そっち方面で考えてみようか」
この日は結局こんな調子で行き先だけで部活が終わってしまった
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