### セカイの全てを表現する必要な性描写

触合いが

済んでいない身体の箇所が

なくなっていく。

幾つも新しいキスの造形が発見される。

振幅は大きさを変えながら

その範囲を深部に移動させる。

下半身での繋がりを

損なわずに

され得る

口づけのためにある

わたしの

全ての身体の箇所は

彼に

その風味を確かめられる。


その内に、

人生の最高の絶頂を迎えては、

より深い歓びと安らぎの境地が

発見されていく。


このセカイでは

全てが溶けそうになると

現実が

食べたくなるから

キスが与えられるという

システムが

成立しているようだ。


彼の形や

中っている場所を

意識できたのはもうずっと前。


わたしは

歓びだけでできた存在と

同化していく。


生物性を感じさせる

彼の

舌と唇と唾液だけが、

二人が

別の

形や匂いがある者だと

思い出させてくれる。


キスだけで生命を保つ

無力な雛鳥に

優秀な親鳥は

絶えず食事を供給する。


時折、

彼の細い腕で

現実セカイに救い上げられ

全てが

二人の愛で

できていることを

思い出させてくれる。


好きの言葉と

舌と手で

耳の先からつま先まで

歓びの器官に造りかえられる。


向かい合ったり、

跨ったりして

はしゃぎ疲れると

再び

思考が不要な存在に

返される。


現実に

取り残されて

寂しくなった

彼が

わたしの突起を操り出すと

もう訳が分からなくなった。


とても長い時間、

わたしは

愛による歓びのレセプターとして

彼を構成する部分であり、

彼は

愛を歓びとして供給する

一器官として

わたしを構成する部分であった。


わたし達は

人間でもケモノでもない

一つの未定義な存在として

セカイの全て

を表した。

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