### 守護のためにワンドが必要となる
わたしは
黄昏の魔術師が好きだ。
彼が欲しい。
欲しくなってしまった。
無くなって構わないセカイに
欲しいものが
見つかってしまった。
心も身体も食べてしまいたい。
どれくらいの
柔らかさと硬さがあるのかを
試したい。
匂いや味や温度も触れ心地も。
彼の全てを消化したい。
わたしの全てで。
会っていないと寂しい。
会うときっと寂しくなる。
彼は
外側から心を撫でるだけ。
好きと嬉しいが
湧く泉を
最初から一番奥に
植えつけて
表面にすら触れてはくれない。
触れられないと
彼は言った。
汲み上げられることない
井戸は
朽ち果てて
いつか全ての害となる。
この井戸が
枯れてしまったなら、
わたしは
きっと死んでしまう。
胸の奥で
こんこんと溢れる愛情機関の
ずっとずっとの下層部を
慰めたい。
彼に生えた
突起物が欲しい。
代わりの何かだっていい。
代わりの男性器は
欲しくない。
いつだって触れたくない。
微かに触れた
あの人の形に似た
バイブはないものだろうか?
黄色が目印の
激安の殿堂に
売っていた筈だ。
辛い涙液が
つらりと垂れて
ギリギリの希望を
繋ぐ
明日を思えた。
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