## 幸福追求に関する任意の決意
### 不意の再会と不意打ちの殺意
大人のおもちゃ売り場には、
未知の商品がたくさんある。
欲しい品は決まっているから、
どうでもいい。
欲しい物の代替には、
これで十分だろうか。
直接触れられないから、
箱の外からマジマジと見確かめる。
「名子ちゃん?」
どこかで聞いたことのある声だった。
少し顔にも見覚えがある。
中学校の同級生だ。
そこそこ良い成績の真面目な男子。
普通の男子。
人並みの幸福を
糧にして生きていくだろう男。
名前は覚えていない。
「ん?久しぶりだね。」
わたしは
少し戸惑った不機嫌な表情を作って答えた。
そうすれば、
きっと話を続けずに済む。
今、わたしは忙しいのだ。
気が合うことがないだろう彼は、
理解があるという顔をして
優しいトーンで話しかけてきた。
「けっこう大変な生活しているって話。
聞いたけど、
お仕事に必要なモノを仕入れに来ているの?」
明確な殺意。
それが
その時に
目の前の同級生に抱いた
感情の正しい名前。
汚された。汚された。
汚されたのだ、わたしの純真な想いは。
わたしの美しく気高い純真な想いは
葛藤の末の行動はそんな風に見られている。
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