### 方針のイルミネーション
わたしはどうしたらいいのだろう?
娘想いの人格破綻者の子供を
産み育てる人生を歩むべきなのでないか。
嫌になる。考えたくない。
とりあえず、
今日は黄昏の魔術師と会う予定がある。
明日、病院に行けばいいのか?
だけれど、
病院には行きたくない。
あそこに行くと気分が悪くなる。
薬を飲んだり、注射をしたりしても、
症状は改善されず、感覚がおかしくなるだけ。
こういう場合に、
何をするかは知らないけれど、
病院で薬を使うことはきっと確かだ。
モーニングアフターピル?
ネットで見たけど、詳しく知らない。
薬での処置が不可能なら手術なのだろう。
嫌なことを考えねばならないのは辛い。
わたしはいつか愛する人の子供を産みたい。
大切な人との空間に
嬉しいを重ねる生活をしたい。
あの異常な人間の
あの数mlの分泌液のせいで
嬉しいを与えたい人を
悲しませるかもしれない。
もう
わたしは
未来に
大切な存在を
求めるべきでないのだろう。
わたしが
孤独から救われる可能性は、
そもそも
あったのだろうか。
生きることが嫌になる。
黄昏の魔術師と
結ばれる
可能性もなくなってしまうだろう。
待て、
そもそも、
そんな可能性はあったのだろうか。
そんなことを望んでいたのか?
悪い気はしないけど、年齢が違う。
父親であっても
別におかしくはない。
おじさん?
ただ、少しばかり好意を抱いているだけ。
あの人といると安心できるだけ。
今から会いに行くだけ。
それも駄目なのだろうか。
とりあえず、
今、
会いたい。
これは肯定が許されること。
会えることが心強い。
同情されるのが嫌いなわたしだけれど、
彼になら慰められても構わない。
少なくとも、今はそう思う。
そう、思って
頭のずっと上にあるものが
満天の星空か
どんよりした曇り空かを
確かめる気にもならない
弱り切った心を
キラキラした工事現場のLEDサインや
音を立てずに走る行き先不明の車列から
引き離すようにして
約束のファミレスまで
壊さないよう壊れないよう
慎重に慎重に
運んだ。
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