迷宮化した東京駅を歩く。

奈津

第1話

2090年


鉄道が多くの国で国境をまたいで走るようになった。

日本も例外ではない。

日本は、2070年頃第二次経済成長が起こった。

その中には、時速3000キロメートルで走る。

超高速リニアモーターカーが実用化され、

更に、トンネルの掘採作業が1キロメートルあたり、

10分程度で彫り抜くようになった。

そして2080年大革命が起こった。

自称異界からやってきたある男が、

”巨大構造物の超安定化”

の方法を唱えた。

結果は良好

10年もの間に巨大地震が3度起きた東京では、

この方法によって、東京駅など、この方法が行われた建築物は、

地震、津波にも無傷で耐えていた。



そうして今に至るのだが、

東京駅は、北アメリカ、オーストラリア、そしてアジア各国を結ぶ、巨大な乗換駅となっていた。

東京駅は地下110階地上150階と超膨大になっていた。

地下110階から90階までは、職員の居住スペースとなり、

89階から61階までは地上階のスペースの管理事務所となり、

地下60階から地下30階までは国をまたぐ国際駅というのもあり、

各国の管理ブースとなっている。

地下29階から地上25階までが各鉄道のホームとなっており、

26階から40階までが商業スペース。

41階から85階まではオフィスエリア

そして86階から110階までは飲食店街が入っていた。

111階からは空港のスペースがあり、

地上130階から150階が離発着フロアになっている。

そう駅なのに空港があったりする。


僕は今日ここで働いている友人の家に行くのだが、もう完全迷路になっていた。

僕は今、地上120階到着ロビー3にいるのだが、ここからまず1階のメインエレベーターホールに行く必要があるのだが、

まずエレベーターで地上110階に行き、

その後入り組んだ飲食店を抜け、

地上110階メインエレベーターホールに行きそこから40階に下る。

その後、40階のエレベーターホールから、

1階のメインエレベーターホールまで下り、

そこで、職員居住スペースへの券を発行して、

エレベーターで地下90階へと降りる。

こんな感じだ。


まずは110階行きのエレベーターを探す。

どうやら到着ゲートには有名人が来ているのか、

多くの人が到着ゲート前でスタンバイしていた。


僕はそんな人達をよそに、右に進む。

150メートルほど歩くと、セグウェイがおいてあった。

1時間1000円と比較的高いが、移動を楽にできるこの乗り物は、人気らしい。

だが、僕はあえて乗らなかった。

飲食店スペースではセグウェイでは入れないが

ショートカットできる道がたくさんあるからである。

そうして、120階エレベーターホールについた。ここから110階へと下る。

「まもなく110階メインエレベーターホールです。点滅しているドアが開きます。

この階で飲食店フロア間エレベーターと、国際線到着・出発ロビー行き高速エレベーター。40階まで高速エレベーターにお乗り換えができ

サブエレベーターホールから、空港管理エリア行き高速エレベーター、

オフィスエリア行き高速エレベーターにお乗り換えができます。」

チーン


110階メインエレベーターホールに着いた。

110階にはエレベーターホールが2つあり、僕のいるのが空港に接続している、

メインエレベーターホールでは空港と各階の飲食コーナーが接続されており、

もちろん40階まで行くことができる。

ただ異様に混むのである。

40階とここを結ぶエレベーターは4基あるのだが、

それでも、少なくとも10分は並ばなければならないというほどである。

今日は特に混んでおり、まだ時間がかかるようだ。

僕は諦め、友人に教えてもらった、裏ルートを使うことにした。

俺は、110階の名物、空腹を引き起こさせること間違いなしの、

カレーネオン街を早足で通り抜けた。

ちなみに90階から95階には常夜の街と呼ばれる、

歓喜街があり、未成年が入れないよう、該当フロアへのアクセスは

86階エレベーターホールからの専用エレベーターからしか

アクセスできないようになっており、

そこで年齢確認もしているらしい。

実際には、もう一箇所一般人が入れるルートがあるらしいが、

そこから人が入ったことはないらしい。



そうこうしている間にサブエレベーターホールについた。

サブエレベーターからオフィスエリアのメインエレベーターホールまで下る。

このエレベーターはなぜか設計ミスか何かで40階まで行けるのである。

おまけに台数も8台あり混むことはないらしい。

完全なるミスである。

無事エレベーターに乗ることができた。

「まもなく40階サブエレベーターホールです。

この階で一階までの直通エレベーター、

1から40階までの各階停車エレベーター、

地下1階への直通エレベーターにお乗り換えできます。」

チーン


40階サブエレベーターホールに着いた。

ここから一階へ行くのだが、実はこの階にはもう一つ変わったものがある。

短距離テレポーターだ。

1階と40階を結ぶテレポーターは

2085年日本が開発に成功した。

詳しい技術は、未だに

「特殊工学利用物製造秘匿法」により、とある会社の2人の人間と、

隔離されたコンピュータからしかわからない。

というわけで未だに謎の多い技術である。

だが安全性は保証されており、

3億回の検証をすべて動画サイトにアップロードしたところ、

何故か12億再生を突破したらしい。

もちろん、この技術の欠点は、3キロ以上の距離はまたげないらしく、

一回につき結構な電力を使うらしい。

ただ人数は関係ないらしいけど。

僕はテレポーターを使うことにした。

一回300円

安い。

テレポーターには約200人の人が乗っていた。

テレポートする...


着いた。一階だ。

居住スペース管理塔へ向かう。

管理塔で、券を発行してもらい中にあるエレベーターに乗る。

ちなみに従業員はポケットなどに鍵を入れておけば、

スルーパスで入ることができる。

鍵無しでスマートデバイスをかざすことでも通行できるらしい。

そうしてエレベーターに乗り込んだ。


空港の到着ロビーから、約30分、

普通に一般人が降りると約1時間かかることで有名な東京駅迷宮

クリアできた喜びを感じていた。


そうして地下90階居住エリア、メインエレベーターホール。

やっと着いた。

僕の友人がエレベーターホールで待っていてくれた。

「ようこそ。我が家へ。」

と友人は言った。

そして、僕たちは、、、、

この地下95階の友人宅で人工太陽を使って、

のんびりと日向ごっこを他愛のない話をしつつ楽しんでいたのだった。




































帰り際に、友人が最近できたとっておきのルートを教えてくれた。

従業員用のルートで、

地下100階と地上113階空港管理室を結ぶ簡易テレポーターである。

所要時間は友人の部屋からわずか3分という驚異の短さである。

僕は、帰りこのテレポーターに一緒に乗せてもらった。

早い。

そうして僕は、友人との別れを惜しみつつ、

国際線の保安検査場へと入っていった。

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迷宮化した東京駅を歩く。 奈津 @ufo0403

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