明日の空が変わるまで
綾綺 瑠梨
プロローグ
あなたは、目の前におかれた事実を信じることが出来ますか?受け入れることが出来ますか?
もし、明日の世界を変えることが出来るのなら、今を信じますか?明日を信じ続けることが出来ますか?
これは、あなたにも起こる日が来るかもしれません。
月明かりが照らす夜。川沿いから見える花火を一人で眺めていた夜。僕は彼女に出会った。
「君、死ぬよ?」
そう言った彼女の笑顔は、どこか不気味だった。
紫陽花の浴衣を着た彼女は、花火に照らされてより綺麗に見えた。後ろに高く結んだ長い髪は、黒一色だ。整った顔立ちと、僕に見せる笑顔は何故か僕の心臓をうならせる。
「何を言っているの?」
僕は、嘲笑うように言った。
「そっかー。信じないんだ。一年後に死んでも知らないよ?」
僕の返事を待たずに、ケラケラと笑って彼女は帰って行った。
満月の月は、雲に被さっていた。花火の音が鈍く聞こえる気がしたのは、きっと気のせいだろう。
僕が彼女の言葉を信じるわけが無い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます