第69話 あー…なんだっけ?



「なんで商業ギルドが関わってると思うの?」


「…今回現れた詐欺師の出した契約書がからです」


「え?」


「権利書は商業ギルドにしか用意できませんから。」


「いや、偽造とかそういうのは無いのか?」


「偽造なら作れますが本物は無理なのです。」

…どういう事?


「じゃあこれは偽物って事?」

しまっていた権利書を出す。

「いえこれも本物です。」

…意味がわからん。


「向こうのも確かにここの権利書でした。契約者のサインをしたのが別人である事以外は」


「あ」

なるほど使と…でも


「その権利書の元を盗まれた可能性は?」


「ギルド長の印がちゃんとありました。なので無関係と言う事はありえません」


「そもそも本物っていうのはどうやって判別するんだ?」


「ふふふ…私はこれでもハンターギルドの受付嬢ですよ鑑定すればすぐにわかります!」


「か、鑑定!?」

そんなスキルがあったのか!?


「私ほどのベテランになると触っただけで紙の質インクのランクなどを察知し鑑定する事ができるのです!」


「…」

…スキル?…スキルだよな?スキルツリーには出なそうだけど。


「それにあの時ご主人様が飛ばしたインクの跡がありませんでしたから」


「…あ」

確かに手元にある権利書は端にインクが飛んだ点が見えるが…


「アニタそんな所まで見てたのか…」

アニタ…ちょっと怖い。






「…でも商業ギルドに恨まれる覚えはないんだけどなぁ」


「いえ一人だけ関わってそうな人に心当りがあります。お姉…ご主人様も会った事がありますよ」


え!?アニタには犯人の目星がついてるって事!?


「うーん…」


 商業ギルドに関わったのって家買ったのと剣売ったぐらい…


「あ」


「思い出されましたか?」


「あ〜思いっきり殴り飛ばしたっけ一人………あ〜」


「…アーガスです」


あーアーガス…アーガス…うん覚えてたよ…うん。

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