第58話気がつくとそこは…
「…ここどこだ?」
寝起きで頭が回らない中広がる海原ボーと眺めていた。
「確か昨日は…」
シャリアに昼間あった事を説明し一段落したあとお姫様の暮らしに興味を持った二人が質問攻めをしシャリアはシャリアで年の近い女の子に色々聞きたいらしく夜遅くまで盛り上がっていた。そう三人は盛り上がっていた。つまり俺は蚊帳の外である。そして元々が男の俺がその場にいることが耐えられなくなりシャリアに自分のベッドを譲り代わりに彼女の部屋を借りて先に就寝する事にした。
「……何で海の上?」
海の上と言ってもプカプカと浮かんでいるわけではないちゃんと船の上であるしかもそこそこ大きい。
「あ!ひ…様こんな所にいらっしゃったのですか!」
後ろから突然声をかけられたが…ひ様?…姫様?
振り返って見ても知っている顔は無いが一人明らかにこっちを見ている女性がいる。
「姫様取り敢えず部屋に…ここでは…」
耳元で小声で話しかけられたが…やはり姫か…完全に勘違いしてるな。まあいい今は言うとおりにしておこう。
「…であなた…達が私をこの船に乗せたと?」
「「「はい!!」」」
…スゲー軍隊みたいに敬礼しながら返事してる。
「姫様の部屋にあった船のチケットでこの船に乗船予定だと判明しましたので…安全を確保するため少々手荒になってしまいまして申し訳ありません…」
…なるほどシャリアはこの船に乗って勇者から逃げるつもりだったのか。だが…
「あなた達は間違いを2つほどおかしている…」
「一つは、勇者との結婚はもうありません衛兵や民衆が証人です。」
「え!?」
「2つ目は…というかこちらが致命的ですが…私はシャリアではありません」
「「「!?」」」
…何言ってんだ!?みたいな顔をしている。まあ気持ちはわかる。…なら。
「キャラ変更〈リリス〉」
「な!?」
「これで納得できたか?」
「き、貴様!?姫様をどこに隠した!?」
私を運んだとされる男の一人が詰め寄るが…
「…だから私はシャリアじゃ無いって言ってるでしょ!」
胸ぐらを掴んできた腕を掴み軽く捻る。
「イテテッ」
「な、なら本物の姫様は!?」
私が姫で無いとわかったのか最初に話しかけてきた女性が質問してくる。
「多分宿の大部屋で寝てるんじゃないかな…私の仲間と一緒に」
あのテンションなら多分明け方まで起きてただろうしね。
「そ、そんな…」
「さてどうするかな…取り敢えずこのまま海の向こうまで行ってみるかな」
部屋にあった机で手紙をしたためるとドラ吉〈飛竜〉を呼び出す。
「この手紙をセレス達に届けて来て」
「きゅー〈了解であります。〉」
…あれ?なんか軍人みたいな返事が聞こえたけどドラ吉あんな感じなの?鳴き声可愛いのに!?
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