第36話 契約成立と…
アニタの件は自分のせいではないとわかっていた。だが私には見捨てる事ができず、 気がついたら彼女を買い取っていた。
まあ少々高い買い物だったが別に雇うつもりだった管理人として置いておけば問題ないだろうと自分を納得させる事にした。
「あ、あの…おね、御主人様…何故私を…?」
その質問に答えるにはここでは目立ち過ぎるな…というか今おねって言わなかった?
「えーと…とりあえず今日は宿を取りましょうか」
アニタにどこまで話していいやら…
「一応会った事はあるけど名前は知らないだろうから自己紹介するか…」
前置きをしていると
「私はクレア!」
とクレアが言い終わる前に名乗った。
「…セレス」
とクレアに追従するように名乗った。
「…で私がリリス…でもあり…」
メニューでキャラ変更を選択し
「ユウトでもある」
銀狼族と言われてた姿へと変身する。
「…!!!」
すぐさま土下座の体制になるアニタ。
「も、申し訳ありませんでした!!!」
ガクガクと震えながらも謝罪の言葉を口にした。
「…まあもういいよ。リリスの姿での生活にもなれたし」
最初は風呂とかどうしようとか思ったけどその時だけユウトに戻れば問題ない無かったし。
「…リリスが本体じゃないの?」
クレアが脇から問いかけて来た。
「…男の方が嘗められないと思って…」
今さら精神が男だとは言えないかな…
「あ~なるほど~」
納得してくれたようだな。
「で、では私は…何を…?」
アニタはまだ土下座の体制から動かない。
「あ~頭を上げてもらえます?話しにくいので」
そう言われてようやく頭をあげた。
「アニタさんあなたには私たちが買った家の管理を任せたいのです」
「管理ですか?」
「私たち今度銅級に昇格するんですが本拠地が必要で家を買ったのです。」
「…はい?本拠地登録の為に家を買った?」
アニタが唖然としている。
「…まあ普通そう思うわよね」
セレスが呆れたように言った。
「…リリスこの子にも見せた方が早くない?」
マイルームの事を説明した方がよくないかと言うことか?
「あんまり人に知られたく無いんだけどね…」
「ならそう命令すればいいじゃない隷属してるんだから…」
…そうか奴隷だもんね…
「じゃあ今から見るものについて他人に言わないわかった?」
アニタはこくこくと頭を下げる。
「マイルーム」
目の前に広がる光景を見たアニタの第一声は、
「…あの…御主人様は神様ですか?」
…気持ちは分からんでもない。
「違うけどこういう魔法があるから拠点が無いのよ」
「なるほど…確かにこれがあったら宿はいらないですね…」
詳しい話は契約が終わってからなので今日の所はこのまま眠る事にした。
朝食をマイルームで取ると昼前に宿を出て商業ギルドへと向かった。
「いらっしゃいませ!お待ちしておりました!」
入口を入って直ぐに昨日の職員さんが駆け寄ってきた。
「どうぞこちらへ!」
奥の商談室とかかれた部屋へと案内された。席につくと直ぐに人数分のカップが用意されかなり厚待遇に見える。
「なんか扱いがおかしくないか?」
リリスが呟くと
「いや…即日で家買ったり奴隷買ったりしてるから上客だと思われたんじゃない?」
…そういうことか。
「しばらくは散財するつもりは無いんだけどね…」
所持金半分になっちゃったし。
そうこうしている間に書類を持って職員が帰ってきた。
「こちらが売買契約書になります、確認お願いします」
書類をざっと読むが不備とかは無さそうだな。
「はい大丈夫です」
「今年の分は料金に含まれていますが、税金として国に毎年5万マーニを支払う事になるので気を付けて下さい」
「わかりました」
「ではここにサインを…」
リリスとサインをし支払いを済ませる。
「はいこれで取引は終了です、こちらが家の鍵となります」
「ありがとう…あ、そうだあなたは目利きとかできる?」
鍵を渡し書類をまとめ立ち上がろうとしている職員を呼び止める。
立ち上がろうとしていた3人も中腰で止まる。
「え、まあ専門は不動産ですができますけど?」
「この剣っていくら位かしら?」
ゲーム時代に作った型落ち武器の売れ残りを何点か見せる。
「え!?どこから!?…ってこれは!」
武器をどこから取り出したかも気になったようだが取り出された武器に目が止まる。
「しょ、少々お待ちください!」
武器の一本を持ったままどこかに走り出す。
「え、あ、あれ?」
まだ本命出す前何ですけど?
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