第2話キャラチェンジと後悔…

「…なにか混乱しているようだが大丈夫か?」


「…大丈夫じゃないけど…大丈夫…です。」

冷静になってみると自分の声色がいつもより高い事に気がついた。


「それは大丈夫じゃ無いんじゃないか?」

周りばかりに気がいっていて気がつかなかったが目の前の男も変な格好をしている。


(甲冑に背中に背負っているのは…槍?)

どう見ても登山の格好ではない。

というか町に出たら一発で通報されるだろう。


「ここはモンスターは少ないとはいえ無警戒に寝ているのは危ないぞ?」


「モンスター?」

…何それ?


「…?嬢ちゃんはハンターじゃ無いのか?」


「ハンター…」

たしかゲーム内でのブレイヤーの役割がハンターだったはず…ふと甲冑に映った自分の姿が目に入った。


「…!セ…リア?」

そこには一番使いなれた金髪ドリルの姿があった。

背中をまさぐると何か固いものが当たる…思った通り身の丈ほどの両手剣がそこにはあった。


(これって俺が使ってたキャラ?)


「兄貴逃げて!ドラゴンが来ます!!」


少し離れたところから頭に犬耳が生えた男の子が叫びながら走ってきた。


「なんだと!?ここにそんな奴いなかったはずだぞ!?」


先回りするように上空から黒く大きな物体が降り立つ。


「ちっ!レオン!お前はこの嬢ちゃんを連れて逃げろ!」


「な!兄貴は!?」


「俺はこいつを足止めする!」


「こいつは…」

二人がドラゴンを目の前に問答をよそに降り立ったドラゴンに釘付けになっていた。


(こいつはヘルモス…たしかチュートリアルで最初に出会う)

ゲームではレベル1では倒せない設定になっており逃走して町へと逃げるというイベントバトルだったはず。

そのあと別のイベントで遭遇して討伐するのだが。

その時の殿をつとめたNPCはイベント上死亡している。

つまり…


「ここで逃げたらこいつが死ぬ…か…」

ここはゲームでは無いだが力量的に生き残るのは厳しいだろう…


「…しょうがないか」

背中の両手剣を抜き二人の前に出る。思ったよりというか大きさの割りに全く重さは感じなかった。


「あんた!?」


「その子を連れて早く逃げなさい!こいつはお…わたくしがやります!」

一応こだわりとしてお嬢様口調にしてみる。


「なら俺も!」


「その子を守りながら戦えるの?」


「くっ!」

横にいるレオンを見て悔しそうに顔を歪める。


「安心して!アイツならソロで何回も倒した事がありますわ!」

…ゲーム内でだけど


「わかった!すまねぇ!」

レオンを抱え山を下っていく…誰だっけ?


「名前聞くの忘れたな…」

とぼやいているとドラゴンが爪で切り裂いてきた。

「くっ!」

剣で受けると少し後ろに弾き飛ばされる。


「ノックバックか!」

このあと来るのはたしか…


「飛行してからの突撃!」

行動パターンもゲーム通りなら!

予想通り少し後ろに飛び上がり頭から突っ込んで来た。


「ここで!」


【スマッシュ】!

スマッシュは片手、両手剣スキルで相手にダメージと怯みを与える。

「ぐわぁぁ!」

突撃が止まり隙が生まれる。


「効いてる!」


【ショック】!

ショックは魔法スキルでINT依存でのダメージだが副次効果が多く他の武器の魔術師以外でも使っている人が多かった。

その効果とは…


「グッ!」

当たった相手に転倒を与える効果と次発動するスキルのダメージを倍にする効果である。


【ソードサイクロン】!


ソードサイクロンとは片手両手剣スキルで剣圧で生み出した竜巻で相手を切り刻む技である。


「グホォ!」

傷だらけになりながらも飛び上がりレオン達が逃げた方角へと向かおうとしていた。


「ちい!このキャラだと遠距離攻撃の手段が無い!」

厳密に言えばソードサイクロンは遠距離攻撃だが高低差があると当たらないのである。

「アイツらが使えれば…」

と思っていると見慣れた画面が目の前に広がる。


「メニュー画面!?」

色々と突っ込みたい事があるがとりあえずキャラクターの項目をタッチする。


「あった!」

キャラクターの画面からさらにキャラクター変更をタッチ


「シオン!」

キャラクターの中から遠距離攻撃が得意なキャラを選択辺りが光ったかと思うと猫耳を生やした水色短髪の女の子になっており、手に持っていた両手剣が消え弓が握られていた。


【インパクトアロー】!!

インパクトアロー弓、クロスボウスキル

溜めが少々長いが弓で使用した場合のみ100%相手を気絶させる。

「グッ!」

そのまま地面へと落下してくる


【チャージ(ディバインアロー)】

ディバインアローとは矢を構えながら力を溜めもう一度発動することにより発車される弓系最強スキルである。


地面に叩きつけられ意識が戻ったがもう遅い!



【ディバインアロー】!!

輝く矢が7つに分かれるとヘルモスに突き刺さるがまだ仕留めきれていなかったようで立ち上がろうとしている。


「まだ動くのか!」


「キャラチェンジユリア!」

また輝くと一回り小さなピンク髪のツインテールが現れる。


【ショック】!

そしてこれでトドメだ!!

【ジ・エンド】!!

ジエンド…魔法スキルの最上位であるが他のスキルの約3倍のMPを使う上に詠唱時間も長いというある意味一か八かのスキルである。

だが…そのデメリットを補ってあまりあるメリットそれは…


「沈めヘルモス!!」

ヘルモスのを囲いこむ魔方陣が現れそして…光の柱が貫き大爆発が起きる周囲を巻き込んで…。


「…ちょっとオーバーキルだったかなぁ?」

ちょっと子供ぽいニュアンスで喋っている事にちょっと気恥ずかしさを感じる。


「それにしても…」

もう一度メニューを開きキャラクター変更の画面を開く。


「…我ながら女の子キャラばっかりだな…」

13体ある自分のキャラクターの中男は3体のみ割合的に8割近く女性キャラである。


「…こんなことになるならもっと男性キャラ作っときゃ良かった!」

一人膝をおり落ち込むユウトだった。




セリア

金髪ドリルお嬢様

両手剣使い

シオン

ケットシー族の女の子

弓使い兼剣、弓スミス(鍛冶スキル持ち)

ユリア

ピンク髪ツインテール妹系

威力重視 魔術師



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