風邪

二歳の娘がトイレの後、「着ない!」とパンツもズボンも拒否。可愛いお尻のまま駆け去ってしまった。

あれこれやってみたけど、拒否。

娘は風邪で発熱し、やっと良くなったところなのに。

「またお熱出るよ!」とパンツを履かせようとしても、暴れて泣く。もういいや。

家に裸族が来たのだと思って、しばらく放置した。


10分後、大人しいこども達に目をやると。


真剣にクレヨンで絵本にオリジナルキャラクターを書き込んでいる息子。

真剣にクレヨンで両足に縞模様を書き込んでいる娘。


こらあぁぁぁぁ (゚Д゚#)


いや息子は別にいいんだけど。娘よ娘!

娘の足を拭くも、とれず。

でも気は済んだらしく、大人しく着替えて裸族終了。やれやれ。


そして、なぜか。

裸族の娘はピンピンしてるけど、今度は息子が発熱……。連休明けから、延々保育園お休み。

息子は手洗いうがいも欠かさないし、裸族にもなってないんだけどね。まぁ何やっても、風邪ひく時はひくよね。しかも中耳炎までなっちゃってますます長引くしね。


世間は新型肺炎で大変ですが。

学校も休校って……。

息子の卒園式も、どうなるのかな。4月から登校できなかったら、どうしよう。いろいろ考えてしまう。

かかった当事者の方々は、二重三重に大変だろうなと、思う。感染したお子さんもいる。親御さんは、どんな思いで過ごされているだろうかと思う。

私が住む街でも新型肺炎が出た。

これだけ広がったら、どこで感染しても、おかしくない。対策は勿論欠かせないけれど。かかる時は、かかってしまうし、うつしたくて、うつしたわけじゃない。


うまく言えない。


どこを探しても、マスクが無い。

一方で、定価の何倍もの値段でマスクを売ってる人がいる。


「こどもが喘息で咳をしてたら、学校で苛められるから」と、こどもを休ませた保護者の方がいる。

過剰反応だっていえない現状があるんだろうと思う。

娘や息子が熱を出したとき、まさかのまさかだったらどうしようって、よぎった。

もし、こどもが新型肺炎になったら、うちはどうなるだろう。

同時に、もし同じ保育園のこどもが新型肺炎にかかったら、私はどう思うんだろうって、思う。その親子をどう見るだろうって。


新型肺炎は、怖い。

でも人間の心も、同じくらい怖い。

自分自身の心も。


職場の隣の席の人は、新型肺炎にかかると命に関わる持病がある。毎日、長時間電車に乗って、たくさんの人に出会わざるを得ない職場に出勤してくる。マスクも、手の消毒も欠かさない。

熱が続く私の息子を心配してくれて、その息子を病児デイケアに預けて出勤してくる私を、責めない。


うまく言えないけど。


自分がちっぽけな人間だって、知っている。

自分の弱さを知っている。


だからこそ。

自分のために。

みんなのために。

何ができるんだろうって、考えたい。


早く春がきますように。

穏やかな、春が。


祈りをこめて。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る