発表会
今日は、六歳の息子と二歳の娘の、保育園の生活発表会。
二人とも、お風呂で歌い、リビングで踊り、本番に向けて頑張ってきた。
大きな会場の舞台の上で、ビシッと整列した年長さん達。
皆が指揮を見つめて演奏する中、キョロキョロしている息子…。
色が変わる照明、たくさんのお客さん。キョロキョロしたくなるのは分かるけど…!
周囲がやけにお利口さんに見え、私は焦ってしまう。こんなんで、4月からの小学校、大丈夫なのか?
演奏されている曲目が、「世界で一つだけの花」であるにも関わらず。
どうしても、周囲と比べてしまう。
あとで他のお母さんと話したら、「うちの子、大きく口を開けて歌ってたのはいいけど、途中でアクビしてたんだよ~。あんなんで大丈夫かね?」と言っていた。
どこも同じだな…。
他の組の発表で、音楽がスタートして皆が踊り始めても、固まったままの女の子がいた。
涙をいっぱい溜めた瞳。
彼女が、精一杯舞台に立っているのが伝わってきた。
見かねた先生が彼女に走りよったけど、先生も悲壮な顔をしている。話しかける先生に彼女は頷いていたけど、先生が離れると、顔を歪めて泣き出してしまった。
精一杯、頑張ってるんだよね。
最後まで泣きながら、でも舞台に立ち続けた彼女。
私は心から拍手を贈った。
彼女のお母さんは、どんな気持ちで見ていただろう。
親の距離感だと見えないものが、他人の距離感だと、見えてくる。
プログラム最後の年長児の劇で、息子は主役を演じた。
…といっても、主役のピーターパンが5人いて、その一人なんだけど。
たくさん台詞があったけど、皆と一緒に声を張り上げていた。キョロキョロしながら。
人見知りが激しかった息子。
一歳頃は、初めての場所に行くと、一時間は固まって動き出さなかった。
それを思えば、自ら大舞台で主役に立候補するなんて。
息子なりの成長。
終了後、息子を労った後で、聞いてみた。
「キョロキョロしてたけど、何見てたの?照明が珍しかった?」
息子は答えた。
「それもあるけど。かずき君がカッコよかったから、真似しようと思って見てた」
なるほどねぇ…。
みんなそれぞれ、よく頑張りました。
誰もが特別な、only one。
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