クリスマス
クリスマスイブ。
五歳の息子が言った。
「いい子にしないと、サンタじゃなくてブラックサンタが来るんだって。プレゼント盗られちゃうんだ」
保育園の先生から、聞いたのだと言う。
私は言った。
「みんな、いい子だよ。悪い子はいないの。悪いことすることもある。
リュウくんも、悪いって分かってても、イライラしてユヅちゃん叩く時あるでしょ?
叩くのは悪いこと。
でも、叩いたからって、リュウくんは悪い子じゃない。いい子なんだよ」
息子はきょとんとしている。ちょっと、難しかったようだ。
君は、いい子なんだよ。
トットちゃんこと、黒柳徹子さんの有名な話だ。
前の小学校では問題ばかり起こすと、怒られていたトットちゃん。
トモエ学園の先生は、トットちゃんに優しく語りかけた。
「君は、本当は、いい子なんだよ」
果たして、我が家の息子と娘の元にも、サンタさんはやって来た。
リクエスト通り、娘には緑の電車。
息子には、顕微鏡。
グズっても、なかなか寝なくても、わざと怒られるようなことをしても。
サンタさんは、ちゃんとやって来る。
みんな、いい子だから。
息子は今朝、考え込んでいた。
「なんで、サンタさんは夜来るのかな~?
…正体を知られたくないのかな?」
鋭い質問。返事に窮する私。
息子は笑顔になり、言った。
「皆にありがとうって言われるのが、恥ずかしいのかも!」
そうだね。
きっと、サンタさんはシャイなんだね☺️
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます