第667話 2021/8/11 英雄とか

 本日は9時半起き。ちょっと体が冷えて体調不良。昨夜はエアコン止めりゃよかったかなあ。でも27℃あったんだよなあ。この夏の暑さの峠は越えたと見ていいんだろうか。いや、まだ油断は禁物だ。でもなあ。ああ、このまま秋に突入してくれないだろうか。くれないだろうけど。


 昔から「英雄色を好む」という。なるほど、英雄と呼ばれるような人物は基本的に目立ちたがり屋で、かつバイタリティに溢れている。当然性欲だって有り余っているだろう。女色を好むのもやんぬるかな。まあ虫けらにはバイタリティとか精力的とかイケイケドンドンとか、この辺はまったく縁のない言葉であるから、自身が英雄になるのはもちろん、英雄とお近づきになる事すら難しい。そもそもなりたくもないが。

 英雄と言えば乱世であり有事である。平穏な世に英雄は存在し得ない。自分の身や将来に何の不安もないときに、わざわざ英雄を求めるほど人間は他力本願ではないし、理性的でも道徳的でもない。どんなに精力的で有能な人物でも、自分に関係ないときは見向きもしないのが人間である。平時から英雄を養い有事に備えておく、などといった賢いやり方を選択できる者ばかりではないのだ。いまの日本を見ればわかるだろう。

 平時に政治家を育てる、育てられる、そんな仕組みが我が国の中にあれば、有事の現在、こんな有様にはなっていない。与党を見ても野党を見ても、絶望的な顔ぶれが並んでいる。政治家がアホな事をしたら次の選挙で即座に叩き落とす、という習慣が有権者の間にないために生じているのが現在の状況である。

 選挙というのはゴミの中からまだ使えるゴミを選び出す作業であるとは言え、その「使えるゴミ」のレベルがドンドン下がっている。何故ならレベルを下げても有名政党の看板を背負えば、あるいはテレビなどで有名であれば、それだけで当選できるからである。これは有権者が悪い。

 選挙と言われても誰に投票していいかわからない、という声をときどき聞くが、難しく考えてはいけない。いまの政治に不満があるのなら、いまの与党以外の、できるだけ小さな党、あるいは政党の推薦とかまったく受けていない無所属にでも投票すればいいのである。

 もちろんその結果、とんでもないキチガイ議員が誕生する可能性は存在する。だがそのリスクは有名政党に投票してもゼロにはならないのだ、残念な事に。「俺1人くらいコイツに投票しても、たいして問題にはならないだろう」といったいい加減さが、すべての有権者に必要である。

 日本では政権交代というと、とんでもない大事のように扱われるが、本来そうあるべきではない。可能なら毎回総選挙のごとに政権与党が交替するくらいが望ましい。政治はサービス業であるから、そうする事によって競争意識が生まれる。それによって政治家の意識も変わるし、有権者の意識も変わる。新型伝染病の蔓延といった有事は今後も必ず起きるのである。英雄の生まれる土壌を育てておく事は絶対に無駄にはならない。

 さて、日本の政治には上記のように問題点が山積みなのだが、では海外の政治システムなら上手く行くのかと言えば、まったくそんな事はない。所詮人間の作る仕組みである、完璧など有り得ないのだ。

 2大政党制で政治家の競争意識が高く、有能な人材が輩出されやすいはずのアメリカでも、大統領はトランプ氏、バイデン氏と微妙なところが2人続いている。やはりいかにシステムが優秀でも、そもそも人材がいなければどうにもならない。政治家という職業がどれだけ魅力的で、かつ価値があるか、という点を政界が国民にプレゼンして、優秀な人材が政界に入るよう導く必要があるだろう。まあこの点は日本も同様なのだが。

 その大統領選挙で、次の民主党大統領候補として名前が挙がっていた1人に、ニューヨーク州のアンドルー・クオモ知事がいた。雄弁かつ明解な弁舌家で、ニューヨーク州の新型コロナ対策を引っ張ってきたイメージだったのだが、10日、辞任を表明した。直接引導を渡したのは相次いだセクハラ疑惑であるが、介護施設で発生した新型コロナウイルスによる死者数の規模を隠蔽したとの疑惑も持ち上がっている。

 伝染病の蔓延に対抗するリーダーとしては結局無能だったのだろう。口は立ったがそれ以外が追いつかなかった。女好きも度を超していた。一時的に英雄にはなれたものの、人の上に立つには脇が甘すぎたと言える。

 しかしこれだけ有名になってしまうと、次のキャリアは大変だな。余計なお世話なのだろうが、この先の人生を心配してしまうところ。


 アメリカで民主党の大統領候補者選びが行われているとき、人気投票でクオモ知事に負けていたバイデン大統領であるが、10日記者団の前で、アフガニスタン政府軍に対し「戦う意思を持たなくてはならない」(産経新聞)と述べた模様。いまさらそんな事を言われてもな。松岡修造氏でもあるまいに、応援だけされても戦争には勝てない。

 アフガニスタンでは反政府武装勢力タリバンが、昨日までに6つの州都を陥落させている。ここまで来るともう政府がタリバンと対等な立場で話し合うとか、政権に参加してもらうよう交渉するとか、そんな段階ではなくなっている。アフガニスタンの半分の領土を渡すから勘弁してください、と、いつ白旗を揚げるかというところまで来ているのではないか。もちろん、タリバンは勘弁してくれないだろうが。

 トランプ政権で大統領補佐官を務めたボルトン氏はアフガニスタンからのアメリカ軍撤退を厳しく非難している。まあこの人はトランプ政権が撤退を決めたときから非難していたし筋は通っている。

「駐留米軍の全面撤収は重大な誤りだ」

「タリバンは近い将来に全土を掌握するだろう」

 と産経新聞の取材に答えたそうだ。そりゃ普通はそう思う。最初から見えている結果だしな。ボルトン氏は小規模な軍事力の駐留を継続させる事を提案している。でもバイデン大統領はそうしないだろう。厄介事からは完全に手を引くつもりなのだ。せめてアフガニスタン国内の通訳など米軍の協力者を救出する作戦くらい実行しても良さそうに思うのだが、たぶんそれもしない。大統領とは言え、所詮70をとうに過ぎた老人である。一度決めたら頑迷にそれにこだわる。柔軟性など期待してはいけない。


「ロンドンのタワーブリッジ」と言えば、イギリスのロンドンにある機械式の跳ね橋であるが、「ロンドン名物タワーブリッジ!」と言えばロビンマスクである。だから何だという訳でもないが、現地時間の9日午後、ロンドンのタワーブリッジが橋を跳ね上げて開いたまま閉じなくなり、10日未明まで復旧にかかったそうだ。昨年8月にも1時間ほど開いたままになっていたらしい。

 跳ね橋は見ている分には面白いのだが、自分が車で通ろうとしたら跳ね橋が上がっているので通行止め、とかになったらイライラするだろうなとは思う。ロンドンで暮らすのも大変だ。

 

 ミャンマーでクーデターの末に生まれた軍事政権を否定し、国民との連帯を表明しているミャンマーのチョー・モー・トゥン国連大使。先般、彼を殺害しようと計画を立てたとして、2人の在米ミャンマー人が逮捕された。

 ミャンマー外務省は10日国営紙を通じてこの件に関して声明を出し、

「米国の居住者間の謀略であり、ミャンマーは事件とは何の関係もない」(時事通信)

 と関与を否定した。その上で、

「チョー・モー・トゥン氏は既に解任され、反逆罪で指名手配されている」

「米国に身柄引き渡しを求めているが、実現していない」(以上時事通信)

 とアメリカを非難した。つまり殺害計画には関与していないが、殺害するからこちらに引き渡せというのだ。ナイスジョーク。


 本日はこんなところで。昨日はミステリーを3300文字書けたが、ファンタジーにはまったく手つかず。脳みそがガス欠になってから復旧しなかった。その影響はいまだに続いている。頭がスカスカで気持ちが悪い。今日は糖質多めに摂るかなあ。

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