第645話 2021/7/20 掌握とか

 本日は4時半起き。早朝からじんわり暑くて嫌になる。そして今日もまた最高気温が30℃を上回るのだ。もちろんエアコンは頑張ってくれているのだが、それだけではどうにもならん。やる気とか雲散霧消してしまう有様。ああセミが鳴いてるーセミが鳴いてる-。はあ。


 スイス政府が発行している国民向けガイドブック「民間防衛」は日本語に翻訳されて国内でも買う事ができるが、この中には以前、敵対国の侵攻の前段階として「メディアの掌握」という項目があった。これは最新版では削除されているらしいものの、スイスの原本でも削除されているのか、それとも日本国内向けだけで削除されているのかは知らない。

 まあ要するに国境を越えて侵略をするつもりがある国は、まず隣国のメディアを買収して影響下に収め、自国のプロパガンダを隣国の国民に叩き込んでから軍事侵攻を開始すれば、最少限度の抵抗に抑えられるという訳だ。やたらと隣国の顔色をうかがうメディアについては日本でもイロイロ思い当たる。

 しかしメディアを買収といっても、隣国が日本で株を購入して買収するのはおそらく法的に難しいはずだ。ならば優良スポンサーとなって、いわゆる札束で顔をはたいて言う事を聞かせる方が簡単だろう。とは言え、広告担当を1人か2人味方に引き入れたところで、メディア全体の方向性に影響を与えられる訳でもない。これにはやはりそれなりの立場の人間と繋がりを持つ必要がある。そのために必要になってくるのがメディア関係者の個人情報である。

 さて世界の軍事技術をリードする国の1つであるイスラエルの企業が開発した「ペガサス」というスパイウェアは、犯罪者やテロリストの追跡のために使われるソフトウェアだと説明されているのだが、米紙ワシントン・ポスト、英紙ガーディアン、仏紙ルモンドなど世界の主要紙が18日、このペガサスは世界中のメディア記者やNGO活動家、政治家のスマートフォンの情報を監視していると報じた。もしこれが事実なら、世界的なプライバシーおよび権利の侵害事件となる可能性がある。

 しかし、現実問題としてプライバシー云々は小さな話だろう。このソフトウェアによって欧米のイスラエルに対する世論がねじ曲げられ、各国の中東政策に影響を与えた恐れがある。別にイスラエルが他国を侵略しようとしているなどと主張するつもりはないが、少なくともパレスチナ政策への国際的圧力を骨抜きにしようと画策した可能性は捨てきれない。さらに言えば、いずれイランとの間に戦端が開かれるであろう現実に、先手を打っているのかも知れない。

 まあこれは小銭稼ぎの犯罪とは訳が違うからな。イスラエルという国家が生き残るための戦法の1つと言える。国際的なルールに抵触する部分はあるのだろうが、ルールに縛られて自滅しては意味がない。この世は常に生き残った者が勝利者であり正義である。ルール違反を指摘されれば企業も政府も対応はするだろうが、この戦法をやめる理由はない。当分はイタチごっこが続くだろう。


 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が東京オリンピックに合わせて来日するそうだ。ネットには「最後のピースが揃った」などと書き込みがあって笑ってしまったが、バッハ、テドロスと来てここに習近平でも揃えば役満である。もちろん振り込むのは日本だ。

 しかし実際、何しに来るのだろうな。管首相と感染対策を協議するためという建前らしいが、それならもっと早い段階で来ればいいだろう。そんなにオリンピック見たいのかね。


 オリンピックといえば、欧米では1936年にナチスドイツで開催されたベルリンオリンピックを例に挙げ、「来年の北京オリンピックに参加するのは歴史を繰り返す事になる」とボイコットを求める声が上がっているという。日本でも井沢元彦氏が以前から同様の主張をしていた。

 国家の首脳や外交官が開会式に出席しない、いわゆる外交ボイコットについてはEUとイギリスが決議の採択をしたが、選手団については何も決めていない。だが選手が赴けば中国の有り様を認めた事に事実上なってしまうのは明らかだ。だからこそ、北京オリンピックそのものをボイコットしようという声が上がるのだろう。

 個人的にはまったくその通りだとは思うのだが、それでも世界は同じ歴史を繰り返すのではないか。そしてまた将来に禍根を残すのだ。


 サッカーの鹿島アントラーズでお馴染み茨城県の鹿嶋市では、鹿島スタジアムで行われる東京オリンピックのサッカーの試合を小中学生が観戦する事が決まっているらしいのだが、それに関する学校から保護者への通知に、

「(持ち込む)飲料はペットボトルの場合、コカ・コーラ社製の飲料でお願いします」(毎日新聞)

 と書かれてあったらしい。9日に組織委員会が会場を視察した際、担当者が各校の教職員に対して、

「コカ・コーラ社製以外のペットボトルは持ち込み禁止で、それ以外はラベルをはがして」(毎日新聞)

 と発言したのを受けた通知だそうなのだが、まあJOCや組織委員会がスポンサーのケツを持つのは百歩譲って理解できなくはない。しかし何で小中学生がそれに付き合わねばならんのか。そもそも組織委員会は下々に命令できる立場だと思っているのだろうか。またそれを唯々諾々と受け入れる教員もおかしかろう。

 この件で苦情が殺到した鹿島市の教育委員会では、「誤解のある表現だった」と釈明しているらしい。市教委は学校にラベルを剥がすことのみ求めていたという、と毎日新聞は報じているが、結局ラベル剥がさせるんかい! 何で教育委員会がコカ・コーラにそこまで気を遣わねばならんのか理解できない。コカ・コーラ側からすれば、小中学生は客だと思うのだが。いつからメーカーは客に命令できる立場になったのだろうか。


 大相撲名古屋場所は横綱白鵬関の全勝優勝で幕を閉じたが、その相撲に対する姿勢が「見苦しい」「美しくない」と批判が巻き起こっているらしい。人気欲しさに外国人力士を容認しといて、日本人ぽくない相撲を見せれば文句をつける。イチャモンもいいところである。そこまで国技だ国技だ言うのなら、日本人以外禁止にすればよかろう。そこまでガッツポーズが見苦しいのなら、ガッツポーズしたら引退とかルールを作ればいい。そうすれば若い人材は相撲に入ってこなくなり、いずれ自然消滅するに違いない。それがお望みなのだろう? 何が歴史だ。何が格式だ。いまを全力で生き抜く事に勝る美しさなどあるものか。


 19日、イギリス政府はイングランドで新型コロナ対策の規制を撤廃した。これによりナイトクラブが営業を再開、その他の屋内施設も人数制限なしでの営業が可能となり、ソーシャル・ディスタンシング、マスク着用や在宅勤務などの規制も撤廃された。

 ちなみに現在、イギリスの一日当たりの新規感染者数は5万人を超えている。書き間違いではない。1日で5万人だ。イギリスの人口は6750万人超、日本の約半分と言える。それで規制を撤廃するというのだから、何と言うかまあイロイロと凄い話だ。

 現在自主隔離中のボリス・ジョンソン首相はビデオメッセージで、

「今やらなければ、新型ウイルスが寒さで有利となる秋や冬に規制を撤廃することになる」

「今やらなければ、いったいいつやるのかと自問しなければならない。今が好機だが、慎重にやらなければならない」(以上AFP)

 と述べたそうだ。何となく言いたい事もわからないではないし、これ以上長期間規制を続ければ経済が死滅してしまうという危機感もあるのだろうが、それでもこのタイミングか? という疑問は残る。

 イギリスでは全成人の3分の2がワクチンの2回接種を完了し、成人全員が少なくとも1回の接種を行っている。それがあっての強気の政策なのだとは思うのだが、さてこれが成功するのかどうか。言葉は悪いが貴重な実験として日本政府には経過を注視していてもらいたい。


 本日はこんなところで。ネタがないのは相変わらず。昨日はまったくダメな日で、200文字ほどしか書けていない。果たして今日は頑張れるだろうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る