第640話 2021/7/15 キリング・フィールド

 本日は13時半起き。はうー。昨日の反動か。外は曇天。雷が鳴っている。さすがになーんもやる気にならんな。とにかく夜まで様子を見るか。


 1985年の映画「キリング・フィールド」は70年代のカンボジアを描いた作品である。アメリカ人記者とその取材助手を務めたカンボジア人が主役なのだが、1975年ポル・ポト率いるクメール・ルージュがクーデターを起こしたとき、アメリカ人記者は帰国せざるを得なくなる。命の危険があったためだ。だがこのとき、カンボジア人助手はその場に残された。一緒にアメリカに連れて行くかどうかで葛藤はあったようなのだが、結果的にはカンボジアに置いてアメリカに逃げ帰る形となった。

 その後、助手はポル・ポト政権下のカンボジアで文字通りの地獄を目の当たりにする。医者が殺され、教師が殺され、メガネをかけているというだけで人々が殺されて行った。一方その頃、記者はアメリカでピューリッツァ賞を受賞していた。だが他の記者に罵倒される。「助手を見捨てて逃げてきたくせに」と。

 まあその後、何やかんやとあるのだが、映画として面白い作品であるのは間違いない。いま観てもイロイロ考えさせられるだろう。ミャンマーやイエメンやエチオピア、あるいはそれ以外の意外な国で、今後キリング・フィールドの世界が展開されないとも限らない。1975年から46年分この世界が進歩したとは思えないからだ。

 さて今後キリング・フィールド的世界が展開しかねない国をもう一つ挙げるなら、やはりアフガニスタンである。アメリカを始めとしたNATO軍が撤退を開始して以降、反政府武装勢力タリバンのアフガニスタン政府軍に対する攻撃は激しさを増している。別に予言などするつもりはないが、アフガニスタン政府がタリバンを倒せる可能性はほとんどない。

 タリバンはぶっちゃけて言えば狂信者集団である。それだけに士気は高く、人数と装備で圧倒的に上回らない限り勝てない。アフガニスタンという国には歴史があっても、いまのアフガニスタン政府には歴史がない。武器の使い方はアメリカ軍が教えてくれたが、愛国教育や軍人としての使命感などを叩き込むだけの時間はなかった。ましてアフガニスタンは部族社会である。自分の部族に忠誠は誓っても、政府に対する忠誠心は薄い。だから当然政府軍の士気は低いのだ。

 さらに言えばアフガニスタン政府は強烈なリーダーシップを持った誰かが引っ張ってくれるような状態にはない。政府の中にいくつも権力があって、闘争を続けているのだ。兵士は誰の言うことを聞けばいいのかわからない。そんな軍隊が強いはずがない。対するタリバンは強固な一枚岩だ。アフガニスタンは事実上もう詰んでいると言っていい。

 そんなアフガニスタンで、これまで駐留していた米軍のために通訳をしていた人たちがいる。アメリカ政府のジェン・サキ大統領報道官は14日、そうした人たちを対象とした「協力者避難作戦」を今月最終週に開始すると記者会見で発表した。彼らがタリバンから攻撃の対象とされる恐れがあるためだが、いま発表して良かったのだろうか。先に秘密裏に作戦を敢行して結果が出てから発表しても良かったように思う。

 タリバンと言えば2001年のバーミヤン大仏破壊に代表されるように、イスラム教――正確に言えばタリバン式のイスラム教――以外のあらゆる文化を否定する。殺人犯の公開処刑など原理主義的イスラム法に基づく処罰を支持し、テレビや音楽、映画などの娯楽、10歳以上の少女が学校に通う事を禁止する。タリバンに「国家百年の計」などというものは存在しない。短絡的で近視眼的に時間を止めようとする集団なのだ。

 この先アフガニスタンには地獄しか待っていない。せめて人の命だけでも大事にされて欲しいと願うところなのだが、まあ、それも無理だろうなという気がする。


 大変に短いが、本日はこれだけ。小ネタはいくつかあったのだが、まあ仕方ない。明日はまた病院なので、ここはたぶん休み。3週連続通院の3週目である。何とか起きられますように。

 昨日はミステリーとファンタジー、1000文字ずつくらい書けたのかな。そこそこ頑張った。今日は早めに寝たいところだが、さてどうなるか。

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