第609話 2021/6/14 合議制とか

 本日は6時起き。快晴。体調はほどほど。雨の予報が外れてくれた事は幸い。別段用事はないのだが、気分が軽いに越した事はないのだ。ただ当たり前だが、天気が良いと気温は上がる。また冷房を入れねばならんのか。やれやれ。


 独裁政治はすなわち「悪」であると我々は学ぶ。まあ確かに、あらゆる物事を一人の裁量に任せるというのは非合理的である。人間には得手不得手があり、体力も精神力も無限ではない。裁量権を各問題の担当者に分割するのは重要と言える。周りをイエスマンで固めてしまうと、自分の行動や言葉を客観的に評価してくれる者がいなくなるからな。独裁体制は間違いに気付きにくい体制でもあるのだろう。

 独裁制の対義語は何だろう。合議制か。実際、合議制なら独裁制の問題点をよくカバーできる。様々な価値観と視点を持った様々な立場の人間が知恵を出し合うのであるから、結果として安易な思いつきレベルの判断は出て来にくい。より多くの人々の多様な権利を守るためにも合議制を取るのは重要である。ただ。

 ならば合議制ならすべての問題が解決できるのかと言えば、そんな簡単な訳はない。昔から「船頭多くして船山に上る」と言う。またどんな会議にも「鶴の一声」はあるものだ。会議で合意を得るためには誰か優秀な者が会議をリードし、意見を集約しなくてはならない。まとめ役のいない会議など時間の無駄である。

 そこでありがちなのが合議制に見せかけた独裁体制だ。選挙によって選ばれた議員で構成される議会は存在する。だが議会は与党が圧倒的過半数を占め、すべての権限は首相や大統領に集中している。独裁者の提案はすべて無批判で議会を通過し、それをもって国民の支持を得たという建前で独裁政治が行われる。国民や野党が独裁者を批判しようものならテロ組織扱いで弾圧だ。だが体裁を整えたところで所詮は独裁、結局暴走するしかない。ロシア、中国、トルコ、北朝鮮、ベラルーシにベネズエラ等々。

 一方独裁制ではないのだが、それに近い印象を持たれている国もある。ネタニヤフ首相による強権政治が12年に渡って続いたイスラエルなどがその例だ。

 そんなイスラエルで13日、国会の承認によって12年ぶりにネタニヤフ氏以外が首相を務める新政権が発足した。中道や極右、アラブ政党まで8つの政党が参加した連立政権。これによってネタニヤフ氏は首相の座を追われる事となる。彼には様々な事件の容疑がかかっているため、逮捕も時間の問題である。

 ネタニヤフ氏の強烈なリーダーシップから解放され、今後イスラエルはしばらくの間、8党の合議制で進んでいくのではないか。しかし船頭が多ければ船は山を登るのだ、意思決定に時間がかかり、方針も迷走するかも知れない。イスラエルの動きは中東情勢に極めて大きな影響を与える。ピタゴラスイッチ的にまったく想定外の反応が意外な場所から起こる可能性もある。それは世界を震撼させるだろう。我々は新たな危機に備える必要があるのだろうか。


 13日、神奈川県川崎市はファイザー製の新型コロナのワクチン6396回分を廃棄する事になったと発表した。ワクチン管理拠点に設置した冷凍庫が、マイナス75度前後を保つ設定にしていたにもかかわらず、約9度にまで上昇したためだという。13日朝に市の職員が冷凍庫の警報音に気付いた模様。

 まあミスなのだろう。事故なのだろうとは思うのだが、海外には意図的にワクチンを室温に放置したりする事件が起こっているからな。日本でそういう事案が発生しないとも限らない。少しでもその可能性があるのなら、ただちに警察に届け出るべきだと思うところ。


 島根県雲南市のスーパーマーケットで11日午前、売り物の饅頭が押し潰される事案が起こった。困った店側が警察に相談して署員が警戒していたところ、同日午後になって饅頭3つ入りのパックを指で押し潰す男を発見、器物損壊容疑で現行犯逮捕した。63歳のこの男、菓子製造販売業だという。

 納品実績を上げるために自社の商品を押し潰したのか、販売実績を落とすために他社の商品を押し潰したのか、その辺は報道では明らかになっていないが、食い物関係の仕事をしながら食い物を粗末にするなど言語道断である。大目玉を食らえばいいと思う次第。


 かつてベルギーの植民地であった現在のコンゴ民主共和国の独立運動を率いた指導者であり、独立後の初代首相でもあったものの、ベルギーの策略によって政争に敗れ処刑されて遺体が硫酸で溶かされたパトリス・ルムンバ氏の歯は、ベルギー人によって持ち去られていたのだが、このたび故国に戻る事が決まったそうだ。

 とりあえずざっと書いてみたのだが、ベルギー人ひでえ事するな。ルムンバ氏の処刑は1961年だそうだ。第二次大戦後だいぶ経ってからである。どうせこんな事しながら一方では「ナチスは酷い!」とか言ってたのだろうと思うと、いささか乾いた笑いが漏れる。まあ、人間なんて所詮こんなものである。


 イギリスのコーンウォールで開催されていたG7の会議は13日終わった。東京オリンピックの開催について支持を得て、管首相はホッとしているのかも知れない。まあ、自分らが困る訳ではないから、余所の国は気楽に支持するだろうさ。

 首脳宣言で中国の人権問題や「台湾海峡の平和と安定」に言及できたのは、想定内だが成果と言えるだろう。途上国への「資金および現物供与を通じ、来年にかけてワクチン10億回分の供与に相当する支援」(時事通信)を打ち出せたのも価値ある結果だ。全体としてはアメリカが世界を主導する立場に復帰した事が印象深い。

 管首相は「普遍的価値を共有するG7として国際秩序をリードしていきたい」(時事通信)と記者団に語ったそうだが、日本がどれだけ率先してG7各国に働きかけられるのかは不透明である。なるべくならそうしてもらいたいとは願うが、正直あまり期待はしていない。

 日本はオリンピックが終われば総選挙である。世界の問題に積極的に関わる余裕はたいしてないかも知れない。まあそれでもアメリカのためのG7に関与できた事は意味があった。この先いろんな問題について、多少なりともやりやすくなったのではないか。とりあえず本格的に動くのは選挙が終わってからになるだろう。それまで世界が平穏であってくれればいいのだが。


 本日はこんなところで。昨日はファンタジーを800文字ほど書けた。まあ、少しずつやって行くさ。今日も頑張ろう。

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