　本日は５時起き。外は快晴、体調もまあまあ良し。好事魔多しとも言うから、こういうときほど調子に乗らずに気をつけるべきなのだろうけど、イロイロと上手くやれそうな気がしないでもない。とりあえず気分が落ち込むよりよりはマシである。

　今日は午後から用事があるから、ここは午前中に更新しておこう。そんな訳で本日は小ネタ集。数だけはあるのだよなあ。

　８日、フランスの南東部ドローム県タンレルミタージュを訪問したマクロン大統領が、柵の向こう側にいた男に握手をしようと近づいた際、頬を張り倒されたらしい。ボディガードによって２名が逮捕された模様。

　ＡＦＰの短信なので詳細は不明なのだが、あっぶねえなあというのが素直な感想。もちろん大統領の訪問先であるから、その場にいる者に対しては事前にボディチェックは行われているはずだ。しかし人間の素手の攻撃力も馬鹿にはできない。いざとなれば武器を使わずに人を殺すくらいはできる。

　今回の被害それ自体はたいした事はなくても、テロ集団や犯罪組織に良くないメッセージを送ったかも知れない。ボディガードや現場を取り仕切ったセキュリティ関係者は大目玉を食らった事だろう。この問題が後々まで尾を引かねば良いのだが。

　ボウガンをはじめとしてイロイロな名称がある洋弓銃を「クロスボウ」と定め、所持を許可制とする改正銃刀法が８日、衆議院本会議で可決、成立した。公布から９カ月以内、おそらく来年３月までには施行される。

　今後クロスボウの所持には猟銃などと同様、都道府県の公安委員会の許可が必要となる。用途はスポーツ競技などに限定され、これまでのように個人の鑑賞用という建前は認められない。新規購入希望者だけでなく既に所持している人も対象で、施行後６カ月以内に許可を申請するか、廃棄しなければならない。違反すると３年以下の懲役、または５０万円以下の罰金が科せられる。

　販売業者は届け出制となり、購入者の所持許可証の確認が義務化される。インターネット経由の販売では事前に許可証を郵送してもらい、海外からの輸入の場合は税関に許可証を提示する。この場合の許可証が原本でなくてはならないのか、それともコピーでも可なのかは報じられていないが、「クロスボウの所持等の在り方に関する有識者検討会」の資料によれば原本の提示が原則のようである。

　フリマサイトやネットオークションでの違法売買を防ぐため、警察庁は運営会社に対し、クロスボウの出品を禁止するよう働き掛ける模様。警察庁によれば２０１０～２０２０年の１１年間にクロスボウを使った事件は摘発されただけで３７件発生し、そのうち１６件は殺人や殺人未遂、強盗致傷など人の身体や生命を害する犯罪だったそうだ。残りの２１件は何だったのだろう。この間、クロスボウに関する相談は１７２件に上ったという。

　まあ普通に考えて、規制が遅すぎたわな。何でもかんでも規制される世の中を望んでなどいないが、明らかに危険な物まで野放図にほったらかしにするのを自由とは言わない。善良な愛好家には面倒臭い世の中になるが、こればっかりは仕方ないのではないか。

　いま東京と大阪には自衛隊が新型コロナウイルスのワクチンを接種する大規模接種センターが置かれているが、先月２４日から３１日までの８日間で、４０８１人が予約をキャンセルせずに来場しなかったらしい。要はばっくれた訳だな。政府は８日の閣議で、この旨の答弁書を決定した。

　４０００人もばっくれたのか、凄えな、と思ったりもしたのだが、これは約８万８５００人の予約枠に対しての数である。割合的に言えば４.６％だ。言い換えれば、９５％以上は予約通りに来場してワクチン接種を受けているか、律儀にキャンセルしている。こっちの方が凄くないか。この辺は日本人だなあ、と思うところ。

　なお防衛省によれば、東京と大阪の両会場で実施されるワクチン接種の予約は、８日午後５時現在で、計１０万５０００人の枠に対し、

１４～２０日の１週間が２万７１４５人（２６％）

２１～２７日の１週間では５８５７人（５.６％）

　にとどまっているのだそうだ。２８日以降は２回目の接種予約でほぼ埋まる見通しらしい。まだ１回目の接種を受けていない東京、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、兵庫の７都府県に住む６５歳以上で接種券を持つ人は、１４日から２７日が狙い目ではないだろうか。

　そんなワクチン接種は大規模接種センター以外でも当然行われているのだが、京都府伊根町は６日から、１２歳から１５歳へのワクチン接種も開始した。これが報じられると、７日から抗議電話が殺到したため、町は新型コロナワクチン接種コールセンターを終日停止した。「子どもへの接種はリスクがある」「接種をやめるべき」といったものから、「人殺し」「殺すぞ」という悪質な物まで様々な電話があった模様。町は京都府警に相談している。

　東日本大震災の起こった後、東北の産品を「食べて応援」しようとする動きに対して同様の反応があった事を思い出す。イメージキャラクターになった男性アイドルグループに向かって「人殺し」と言った馬鹿もいた。

　虫けらはあれ以来、１００％全部ではないにしろ会津産の米を食べ続けている。結果、太りすぎで脂肪肝にはなったが、生憎とガンにはなっていない。で、誰が人殺しなのだろうか。

　こういうのが厄介なのは、悪意に基づく行動ではない事だ。歪んだ正義感が暴走しているのだが、歪んでいる事に本人が気づいていない。自身の行動を客観視する余裕が持てれば、もう少し数も減ると思うのだけれど。

　アメリカの次期大統領の可能性が少なからずあるハリス副大統領が、現在中米を外遊している。７日グアテマラでアレハンドロ・ジャマテイ大統領との会談後に共同記者会見に臨み、その場でグアテマラの移民希望者に対して、

「多くの人は故国を離れたいと思っていないと、ジャマテイ氏と話し合った」

「ともに協力していくことが、両国の利益になる」（以上ロイター）

「（アメリカに）来ないで。来ないで。アメリカはこれからも法を執行し、国境を守り続ける」

「我々の国境に来れば追い返されるだろう」（以上ＢＢＣ）

　と、アメリカに不法入国しないよう求めた。まあ、当然の対応である。「これじゃトランプ政権と変わらない」という声は当然出るだろう。だが、できない事をできるとは言えまい。それをできると言ってしまえば、ヨーロッパのようになるのは目に見えているのだから。

　そもそもアメリカ人だって、「不法移民に温情的対応をせよ」という人はいても、不法移民をどんどん増やせと言う人はいないはずだ。まして自分の暮らす町に大量の不法移民を受け入れよと主張する人はもっと少ないのではないか。理想として政府につける注文と、真に実行してもらいたい政策を求める声とを混同してはいけない。

　その昔、プロ野球の阪神タイガースが弱かった８０年代の頃、チャンスが来ると「川藤出せ」という声が客席から上がった。しかし代打に川藤氏が本当に立つと、その客はこう怒鳴ったのだ。「ホンマに川藤出してどうすんねん！」。

　政治も本質的にこのヤジと変わらない。国民が何を望んでいるのかはデモや世論調査を見ているだけでは理解できない。より広い俯瞰的な視点が求められるところ。

　中米と言えば、７日エルサルバドルの刑務所から２８歳の女性が仮釈放された。加重殺人の罪で服役していたのだ。加重殺人とは日本ではほとんど聞かない罪であるが、いったい何をしたのかと言えば、妊娠中の胎児を殺したのである。

「ん？　中絶とどこが違うの？」と思う人もいるかも知れない。その通り、何も違わない。エルサルバドルでは人工妊娠中絶は「いかなる理由においても」認められていないのである。

　２０１６年にはレイプされて妊娠し、赤ん坊を死産した１０代の少女に、加重殺人罪で禁錮３０年の刑が言い渡されている。つまり病院で中絶手術を受けたかどうかなどまったくどうでもいいのだ。どんな理由で妊娠した子供でも、必ず生きて産まなければ殺人者とされてしまうのがエルサルバドルなのである。

　今回仮釈放された女性は２０歳の妊娠８ヶ月のとき、洗濯中に滑って転倒し意識不明となった結果、胎児が死亡した。普通に考えれば流産ではないかと思うのだが、これが人工妊娠中絶と当局に判断され、当初は加重殺人罪で禁錮３０年の判決を受けた。その後減刑を受けたものの、それでも禁錮１０年であり、約９年間服役してやっと仮釈放にまでたどり着いたのだ。

　まあ虫けらは個人的に一事が万事という見方は嫌いなのだが、それでもこの現実を見る限り、「そらアメリカに行きたいわな」と思ってしまう。カトリックの教義がどうとか言っているが、国力を低下させて何の意味があるのだろう。日本は決して完璧でもベストでもないが、この辺の国と比較すればはるかにマトモで優秀な国家である。下を見てもキリはないが、ホント日本に生まれて良かったと思う次第。

　本日はこんなところで。昨日はファンタジーを３行ほど書けた。少しずつ少しずつ進んでいこう。他にできる事もないのだから。