第543話 2021/4/9 現行犯とか

 本日は4時起き。外は天気も良いようだ。体も軽いし調子が良い。よーし、今日は部屋の掃除でもしてみるか! と思っていたのだが、朝食後少し横になるつもりがガッツリ昼まで眠ってしまった。まあ、よくある話だ。困った事に。


 逮捕とは犯罪を行ったと想定される者を強制的に身柄拘束する事であり、大きく分けて3種類あるとされる。

1.事前に逮捕状が必要な通常逮捕

2.事後に逮捕状の請求が必要な緊急逮捕

3.逮捕状が不要な現行犯逮捕(および準現行犯逮捕)

 一般的には逮捕は警察官が行うものであるが――麻薬取締官や自衛隊の警務官はともかく――「警察官でなくても逮捕できる」という話を聞いた事のある方もいるかも知れない。いわゆる私人逮捕だ。これは現行犯逮捕および準現行犯逮捕にのみ許される。

 ただ、現行犯だから何でもかんでも逮捕できる訳ではない。刑事事件として立件されないような軽犯罪、たとえば歩行者の信号無視などで「現行犯逮捕だ!」と身柄拘束とかしてしまったら、それは逮捕した方が不当逮捕で犯罪行為となる。よほどの緊急事態でもない限り、逮捕は警察に任せた方がいい。

 たまに勘違いしてる人がいるのが、「以前店で万引きしたヤツを見つけた。逮捕してくれ」と、警備員に言ってくるケース。警備員は私人なので逮捕権限はない。現行犯ならともかく、何の証拠もない状態で他人の身柄を拘束するのは無理である。そして窃盗の現行犯なら店の人間が私人逮捕できる。警備員にできるのは警察に通報するくらいの事だ。

 さて昨日8日、かねてより放送法の外資規制への違反が指摘されていた放送持ち株会社フジ・メディア・ホールディングスの社長が記者会見を開き、2012年9月末~2014年3月末の外資比率が20%を超え、違法状態であった事を発表した。2014年12月には総務省に報告したが、口頭で厳重注意を受けただけだったという。

 これを受けて9日、閣議後の記者会見で武田総務相は放送持ち株会社の「認定取り消しはできない」と述べた。理由は「報告を受けた時点で違反状態が解消されていたため」だという。

「違反の事実をもって直ちに免許(認定)が無効になるものでなく、取り消し処分を行う時点で取り消し事由が存在することが必要だ」(時事通信)

 と武田大臣は説明しているのだが、その解釈は変ではないか。つまり過去にどんな違法行為があっても、いま適法なら問題ないという事である。放送法は現行犯でしか適用されないとでも言うのだろうか。

 本来なら2014年の時点で放送免許の停止処分が下されるべきであったのだ。さかのぼって判断を訂正すべきだろう。これは事後法ではないから法の不遡及に触れるような事ではない。それとも政府は常に無謬であるとでも言うつもりか。いつから政府は神様になった。

 内閣法制局が1981年に示した見解に基づいた判断であると武田大臣は述べているが、昭和だぞ。さすがに時代が違いすぎるだろう。国内外を取り巻く情勢が40年前と同じだとでも思っているのか。こじつけと言われても仕方ない。

「東北新社は認定を受けた時点で規制に抵触しており、本来なら認定を受けることができなかった」(共同通信)

 と武田大臣は言う。東北新社が正直者だとは言いたくないが、結果としては正直者が馬鹿を見ている事になる。ごまかしてその場を乗り切れば問題ない、現行犯じゃないからセーフ、と国務大臣が主張しているのだ。さすがに呆れ返ってしまう。

 まあフジがOKなら日本テレビも問題にはならないのだろう。マスメディアは国家によって庇護される特権階級という訳だ。報道の自由? 権力の監視? お笑い種である。フジと日テレ以外のメディアがこれを糾弾するのであればまだわかるが、おそらくそんな展開にはなるまい。メディアを含めた権力者を、我々国民が監視すべきなのだろう。腹立たしい事に。


 先月26日、Twitterを始めとするSNSで、文科省が「#教師のバトン」プロジェクトを開始した。教員を目指す若者に仕事の魅力を知ってもらおうという目的だったのだが、集まったのは仕事の過酷さ悲惨さを訴える声や文科省への批判だった。

 まあ虫けらは学校という場が大嫌いであり、教師という職業に偏見を持っているのではあるが、労働環境という点においては確かに同情できる点はある。教師の数は増やすべきだし、負担は減らすべきだし、給料は上げるべきだし、残業手当は出すべきだ。ここまでやりがい搾取の徹底した職場も珍しいだろう。国家のレベルを上げたいのなら教育のレベルは上げねばなるまい。文科省には頑張っていただきたい。期待はしていないが。


 学校と言えば兵庫県の高校教師が保健の授業において、自分の妻の出産の様子を映した映像を生徒に見せて3人が体調不良になったそうだ。虫けらは教育の専門家でも研究者でもないので事の良し悪しを判断する基準を持ってはいないが、個人的に学校で受けたい授業ではない。「命をいただく授業」とかも同様なのだが、プライベートな場所で、自分なりのペースで理解したい情報を、他の生徒と一緒に十把一絡げでまとめて頭ごなしに押しつけられるのは不愉快である。

 避妊の仕方とか緊急性のある情報についてはその限りではないものの、何でもかんでも学校で教えるべきではない。何でもかんでも学校で教えろというクソのような保護者もいるのだろうが、学校は子どものための場所であって保護者のための場所ではない。「命の大切さ」は絶対的概念ではないのだ。数学や物理学を教えるような訳には行かない。


 警視庁は8日、32歳の会社員の男を窃盗の容疑で逮捕した。男は容疑を否認しているそうだ。いったい何を盗んだ嫌疑がかかっているのかというと、マスクである。「ああ、ドラッグストアからマスクを万引きしたのか」と思われるかも知れないが、さにあらず。この男、夜にマスクをして歩いている女性に自転車で後ろから近付き、追い抜きざまにマスクだけをひったくって逃走したのだそうな。近隣では同様の事件が数件報告されているという。

 うーん、まあ考えようによっては下着泥棒と本質的な差はないとも言えるのだが、何ともかんとも。


 本日はこんなところで。昨日は1500文字ほど書けたのかな。まあまあ頑張った方だろう。さて、今日はどうだろうなあ。

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