第544話 2021/4/10 敬称とか
本日は5時起き。さすがに昨日と同じ轍は踏まない。部屋に掃除機をかけ、階段をクイックルワイパーで拭き、トイレを掃除した。いったい何ヶ月ぶりだろう。しかしたったこれだけの作業でグッタリ疲れ切ってしまう脆弱な体よ。まったく面倒臭い事この上ない。
目上の者には敬称をつけるのが日本においては一般的である。この「目上」という概念がいささか癇に障るがな。目上かどうかはあくまでも社会通念によって判断される。自分の頭の中で「コイツは自分より上に置いてもいい人間だ」と思うかどうかは関係ないのだ。碌でもない低能としか思えないヤツでも世間的に敬称をつける相手とみなされていれば、敬称をつけざるを得ない。まったく厄介な話。
しかし会社員なら普段の生活の中で敬称を意識する必要はない。会社の中では役職の肩書きが自動的に敬称となるからだ。部長職なら全員まとめて「部長」と呼んで構わない。自社の部長であろうと取引先の部長であろうと、単なる部長であろうと取締役部長であろうと、部長は部長だ。何なら苗字を思い出せなくても困らない場合も多かろう。さすがに電話で取り次ぎを求められた場合にはそうは行かないが。
「部長の山田は席を外しておりまして」
と、この場合は呼び捨てにせねばならないのが常識である。中小企業であろうと大企業であろうと、「山田部長さんは生憎と」などと言ってはならない。こういう自分の所属先の上司を部外者の前で呼び捨てにするのは、武士の時代からの風習らしい。それが後に町人にも広まった。
この点でちょっと変わっていると小耳に挟んだのが学校である。田中先生に来客があっても「担任の田中はいま授業中で」とか言わないという。「田中先生はいま授業中で」と言わないと教頭や校長から怒られるという話を聞いた事がある。もしかしたら学校によって違うのかも知れないが、さもありなんという気がする次第。
いまの日本には貴族はいないし、海外の貴族と知り合いになる日本人もまあ滅多にいないだろうからほぼ不要な知識ではあるものの、小説書きには必要となる可能性のあるのが貴族の敬称だが、吹き替え版のドラマとか映画とか見ている限りにおいては、自分の主君を外部の者に取り次ぐとき、「我が王」とか「我が主」などを名前の前に置くだけで、敬称は省かれている印象。
配下の者が貴族に話しかけるときの敬称はどうなのだろうな。男爵とか公爵とか侯爵とか子爵とか、その辺はまとめて閣下なのだろうか。だが支配下にある領民が貴族に向かって「閣下」と呼びかけている絵面というのは見た記憶がない。そもそも領民が貴族に話しかけるシチュエーションなど滅多に存在しなかったのかも知れないが、何らかの特殊な事情で話しかけねばならないときはどうしたのだろう。日本なら「お殿様」あたりが無難なところ。まあ「男爵様」でも怒られはしなかったような気はしないでもない。
皇室・王室への敬称となると、もっともポピュラーなのは殿下か。日本では宮様という言葉もよく使われるが、これは皇室外部の者が口にする言葉という印象がある。関係者はやはり殿下を使うのではないか。親王殿下、妃殿下、等々。
陛下を使うのは日本では天皇皇后両陛下だけであった。ついこの間までは。しかし現在は上皇陛下と上皇后陛下がおられる。歴史上の、たとえば後鳥羽上皇などといった方々も当時は陛下と呼ばれたのだろうか。
皇后陛下という言葉ができたのはおそらく明治以後ではないか。Wikipediaには大宝律令における皇后の敬称は殿下であると書かれている。ならば天皇の母である皇太后も殿下であった可能性は高い。
現代のイギリス王室の場合、陛下と呼ばれるのはエリザベス女王ただ1人である。配偶者(王配)はフィリップ殿下だ。フィリップ陛下とは呼ばれない。関係は夫婦でも、立場は女王の下の存在になる。イギリスには「両陛下」という言葉が存在しないのだ。
そのフィリップ殿下が9日、ウィンザー城で亡くなった。99歳だったという。まあ生前はイロイロ話題の豊富な方だったらしいが、とりあえず大往生であろう。エリザベス女王陛下とご遺族にはお悔やみを申し上げるところ。
9日、菅首相は官邸で開かれた新型コロナウイルスの対策本部会合において、蔓延防止等重点措置の適用対象に追加した東京、京都、沖縄の3都府県についてこう述べた。
「期間、区域を限って、緊急事態宣言並みの強い措置を実施する」
「感染力の強い変異株(の割合)が高まっており、最大限の警戒を続ける。今後も、各地で発生する波を全国規模の大きな波にしないため、地域を絞った重点措置を機動的、集中的に講じて感染を抑え込む」(以上毎日新聞)
うーん、まあリーダーだからな、勇ましい言葉を使わざるを得ない場面なのかも知れないが、正直なところ空虚である。緊急事態宣言並みって、だったら緊急事態宣言出せばいいと思うのだ。そもそも日本の場合、緊急事態宣言自体たいした事ないからな。ほぼお願いでしかない。違反した店舗の名前を晒すぞ、と言われて恐れおののいている飲食店もないだろう。
政府は我々と違い、専門家の協力を仰げる。すでに様々な知見も集約できているだろう。だったらもう少し何とかならんものか。まあ、海外のニュースを見ていても、新型コロナに関して自国の政府が適切な対応を取っていると思っている国民は、どこの国にも見当たらない。おそらく世界中のあらゆる国の国民が、政府に対して「対応が遅い」「不適切だ」と不満を抱えているのだ。そう考えれば日本政府だけが際立って無能である訳でもないのだろう。それは理解しているのだが、それでももう少し何とかならんものだろうか。
2014年のロシアによるクリミア半島強奪以後、ウクライナ東部においては親ロシア勢力とウクライナ軍が戦闘を続けている。2020年の7月には停戦合意がなされたが、ウクライナとロシアの双方が「相手が合意を破っている」と主張し、戦闘は停止されていない。
そのウクライナの東側にあるロシアとの国境に、2014年以降最大規模のロシア軍兵力が集結しているらしい。8日、アメリカのサキ大統領報道官が懸念を示した。
これを受けてロシアのコザク大統領府副長官は8日、
「大統領が言うように、スレブレニツァ(の虐殺)と同じことが起きているのなら、我々は彼らを守りに行かなくてはならないだろう」(BBC)
と述べた。
スレブレニツァの虐殺とは、1995年に旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナにある町スレブレニツァで、セルビア人勢力が約8000人のイスラム教徒を虐殺した事件であるが、同様の事がロシア系住民に対し行われている可能性がある、と言いたいのだ。つまり、これが次にロシア軍がウクライナを攻撃するための根拠であり、建前である。ロシア系住民の命を守るため、やむなく軍事介入すると。
具体的な理由を挙げている以上、ウクライナとの全面戦争は近いと見るべきだろう。ドイツのメルケル首相が8日、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行って軍の撤退を求めているが、これに応じるのなら苦労などない。ロシアとはそういう国であり、そういう国が日本の隣国なのだ。いい加減真剣に対応を考えるべきだと思うところ。
本日はこんなところで。昨日は500文字ほどしか書けていないが、ゼロよりは随分とマシである。今日も何とか頑張ってみたい。明日は用事があるので、たぶんここは休みとなる。たぶんであるが。
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