第541話 2021/4/7 身分制度とか

 本日は8時半起き。体調は昨日より幾分マシである。天気もいいしな。予定も用事も特にない穏やかな水曜日。あ、明日プラスチックごみの日か。出さなきゃ。


 身分制度というものは、大なり小なりいろんな形でどんな国にも存在した。社会性動物である人間にとって、自らの社会的立場を確固たるものにする事は重要だ。当初は暴力によってなし得たそれが、社会の発展と共に経済力と切り離せなくなり、やがて社会制度によって設定された「身分」が個人の暴力や財力を上回るようになる。この歴史的変化は世界中で見られた。

 日本で身分制度といえば江戸時代の「士農工商」が真っ先に出て来るだろう。昔の教科書ではこの順番に身分の上下があったとされていたが、最近では武士だけが支配階級であり、それ以外は横並びであったとされる。さすがにもう江戸時代に生まれた人は生き残っていないからな、その辺は文献などから推測するしかない。

 だがどちらにせよ、諸外国の身分制度と比較すると、日本は少しユニークである。何が特徴的かと言えば、支配者階級に聖職者がいない事だ。たとえば現代まで残る身分制度としてインドのカースト制度が知られているが、ザックリ書くと以下のような順番となる。

1.バラモン(僧侶)

2.クシャトリア(王侯貴族、軍人)

3.ヴァイシャ(商工民、農民など一般市民)

4.シュードラ(奴隷)

 それぞれのカーストの中にも細かい区分けはあるし、カーストの外にはダリットと呼ばれる不可触民も存在するため、実際のカーストはもっと複雑だが、とにかくこんな感じで身分が分かれている。もちろんインド政府は憲法でカーストを否定しているものの、人々の間に骨の髄まで染みついた習慣がそう簡単に変わるはずもないのだ。

 閑話休題。

 このようにインドではバラモン階級がカーストの最上位とされているが、これはインドだけに見られる傾向ではない。18世紀フランスのブルボン朝における身分制度(アンシャン=レジーム)では、

第一身分(聖職者)

第二身分(貴族)

第三身分(平民)

 と分けられていた。奴隷階級がないだけでほぼ同様と言える。カースト制度が現代のインドでも息づいているように、フランスにおいてもまた階級制度が残っていると言われる。支配者階級と労働者階級の間には明確な分断があるとされているのだ。日本も最近社会的格差が深刻化していると言われるが、もしかしたらまだマシな方なのかも知れない。まあ、下を見て安心するのもどうかとは思うけどな。

 そんなフランスの民放テレビM6が2日報じたところによると、パリの高級地区にあるレストランで、秘密裏に豪華な夕食会が催されているという。言うまでもなくフランスでもいま新型コロナウイルスが蔓延し、国民生活には様々な規制が加えられている。すべての飲食店とカフェの店内営業禁止もその一つだ。しかしこの秘密の夕食会ではそんな規制など無視され、客もスタッフもマスクすら着けていなかった。

 パリの検察は報道を受けて主催者や参加者を特定すべく捜査を開始したそうだが、普通に考えて参加しているのは支配者階級だろう。現在フランスのSNS上では「#OnVeutLesNoms(名前を知りたい)」のハッシュタグがトレンド入りしているらしい。しかし検察の捜査がどこまで及ぶのかは疑問の余地が残るところ。もし検察の捜査が中途半端なところで行き詰まったらどうなるのか。やっぱり市民革命? フランスの場合は冗談に聞こえないのだよなあ。


 熱帯低気圧「セロジャ」による4日から降り続いた集中豪雨で、インドネシアと東ティモールに被害が出ている。6日両国の当局が発表したところによれば、インドネシアで130人、東ティモールで27人、今回の豪雨災害の死者は現時点で合計して157人となった。インドネシアではまだ約70人が行方不明となっている模様。

 日本政府は早急に動きを見せるべきだと思う。中国は間違いなく何かするだろうからな。


 ナイジェリア南部イモ州で5日、重武装の集団が刑務所を襲撃し、囚人1800人以上が脱走したらしい。ただし犯行声明は出ていない。大統領は無政府主義者のテロだと非難しているが、現地の分離独立派勢力は関与を否定している。

 ISが典型的だが、テロ組織とは自分たちに関係ない事件でも、とりあえず「我々がやった」と主張したがるものである。なのに否定しているというのは、本当に関係がないのやも知れない。だがそうなると犯人捜しは難航する。

 ナイジェリアのテロ組織といえばボコ・ハラムが有名だが、連中のテリトリーは東部から北東部である。だから北西部の学校から生徒らが大量に誘拐された事件でボコ・ハラムが犯行声明を出したとき、当局者は困惑したのだ。この南部の事件で、果たしてしゃしゃり出てくるだろうか。野次馬根性で申し訳ないのだが、ちょっと興味がある。


 極超音速ミサイルとはマッハ5以上で飛行するミサイルの事を言うらしい。しかしロシアが実用化したと噂される極超音速ミサイルは、公開された情報通りならマッハ27で飛ぶ。しかも不規則軌道で。これは弾道軌道を描かないという事であり、軌道計算ができない。つまり、いわゆるミサイル防衛網では防げないのだ。

 これに危機感を持ったアメリカは、遅ればせながら極超音速ミサイルの開発に力を入れ始めた。しかし5日、アメリカ空軍は極超音速ミサイルの実験に失敗したと発表した。B52Hから発射しようとしたものの、発射できなかったらしい。

 何事も最初から上手く行く訳がないし、失敗する事もあるだろう。とは思うのだが疑問が残る。何故これをわざわざ発表したのだ?

 それがアメリカのスタイルだと言われれば、そうなのかも知れない。だが機密扱いでも良かったはずだ。成功するまで何も発表しないという手もあったと思うのに、あえて失敗を発表する意味はどこにあるのか。

 まあ、普通に考えればロシアに対する圧力だろう。「アメリカも極超音速ミサイルを開発しているぞ」と直接的な言い回しをぶつけるのではなく、「いやあ失敗しちゃった。テヘ」と舌を出して見せたのだ。それは「アメリカにはまだ余裕があるぞ」と言外に主張しているようなものである。ロシアとしては心中穏やかでないはずだ。

 国家の発する言葉、特に軍事に関するものは常にキツネとタヌキの化かし合いと言える。北朝鮮が「ICBMでハワイを狙えるぞ」と言うのと本質的に変わらない。実際にできるかどうかの話ではないのだ。言い換えれば、今回の実験も「本当に失敗したかどうか」はアメリカ軍と政府にしかわからない。だからこそ抑止力にも圧力にもなる。日本政府も言えばいいのだがな、「弾道ミサイルを開発するくらいは簡単ですよ」とか何とか。マスコミが狂ったように騒ぐだろうけど。


 本日はこんなところで。昨日は1500文字ほど書けたのかな。まあまあ頑張った。今日どうなるかはわからないが、何とか少しずつでも頑張ろうと思うところ。

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