第539話 2021/4/5 悪魔とか

 本日は3時半起き。調子はまだ戻らない。今日は朝から犬を病院に連れて行く。二度寝する余裕はないだろう。

 ん? 犬? と思った方もいるかも知れない。そう、犬を飼い始めたのだ。昨年7月に先代の犬を亡くして、もう犬は二度と飼わないだろうな、と思っていたのだが、縁あってまた飼う事にした。何と言うか、やっぱり張り合いがあった方が生きやすい。理由がなければ朝も起きられないヤツだからな。何とかいろんな意味で頑張りたいところ。


 漫画家水木しげる氏の生誕百周年記念プロジェクトの1つとして、『悪魔くん』のアニメ化が決まっている。1989年のアニメと繋がりがあるのかどうかは不明だが、今度の主人公は2代目悪魔くんだ。十二使徒やメフィストフェレスがどうなるのかはまだ明らかにされていない。

 前回アニメ化された悪魔くんにはファウスト博士も登場する。ファウストもメフィストフェレスもゲーテの『ファウスト』に登場するキャラクターだ。が。しかし彼らはゲーテが創作したキャラクターではない。

 虫けらはこの事実を知らず、ずーっとファウストもメフィストフェレスもゲーテが創作したとばかり思っていたのだが、そもそもドイツにはゲーテ以前からファウスト伝説と呼ばれる話が伝わっていたのだそうな。

 ファウスト伝説とは実在した錬金術師ゲオルク・ファウストと伝説的な魔術師ヨハネス・ファウストの2人の伝説が混ざった話である模様。2人の伝説を1人の物語としたファウストの伝記を、おそらく16世紀頃に無名の作家が書いており、これを元にして様々なファウストの物語が後世に書かれた。ゲーテの『ファウスト』もその作品群の1つであるらしい。メフィストフェレスは最初から登場していたようだ。

 言い換えればメフィストフェレスは16世紀に生まれた悪魔であり、他の著名な悪魔に比べるとまだかなり若い。ソロモン王の封じたバアル、ベリアルなど72柱の悪魔や、蝿の王ベルゼブブなど旧約聖書に書かれた連中は紀元前だからな、年期が違うと言える。しかし悪魔は悪魔だ。結局は冷酷で残忍で、その知謀で人間を惑わせる点は変わりない。

 そう、悪魔はたいてい知恵が回る。そして人間の弱みを突いてくる。これは洋の東西を問わない。いまでは悪魔と言えばキリスト教の専売特許のような雰囲気さえあるが、そもそも「悪魔」という言葉は昔の中国で作られたものだ。

 仏教がインドから伝来した当時、中国には「魔」という文字がなかった。仏教にはブッダを惑わそうとするマーラという悪神がいるのに、これでは表意文字で表す事ができない。そこで新たにマーラを表す魔の字を作り、これが悪神である事を強調するため悪の字を前に置いたのだ。悪魔という言葉はこうして生まれた。

 従って英語のdevilを悪魔と訳すのは本来的には正確ではない。ただ他に当てはまる言葉がないので仕方なしに使われているに過ぎない。まあ人間の立場からすれば、聖書の悪魔だろうが悪神マーラだろうが大差ないしな。どちらも超自然的な力を振るう悪意である。そして悪知恵が働く。最近ではサイコパスとかソシオパスとか言われる事の多い反社会性パーソナリティ障害を、以前は悪魔的と表現していた。わかりやすい言葉だと思うのだが。

 さて、2月1日のクーデター以後、国民と国軍との間に緊張が続くミャンマーであるが、ネットが遮断されマスメディアも活動を抑え込まれているために情報が出て来ない。そこでアメリカのCNNは現地に記者を送り込んで情報を集めている。この辺はさすがと言えるのかも知れない。だがそのCNNが、いま災いの種となっているらしい。

 CNNはミャンマーで国軍に許可を得て取材をしている。ところがCNNが市民に取材をすると、その取材を受けた市民が、取材の直後に軍に連れ去られるという。それが何軒も起きているのだそうな。これはなかなかに悪魔的な悪知恵が働く者が、軍の内部にいるのだろう。

 CNNの取材を受けた者を連れ去る事で生じる軍にとってのメリットは、

1.誰もCNNの取材を受けなくなる

2.CNNが軍とつながっていると思われ、信頼を失う

3.CNNがミャンマー国内の情報を発信できなくなる

4.CNN以外の海外メディアもミャンマーに関する報道が難しくなる

 などがある。CNNの取材を拒否するのではなく、あえて取材許可を与える事によってCNNを動けなくする作戦である。これを思いついた者は相当に頭が切れるのだろうし、他の軍政国家や独裁国家は今後このやり方の真似をするはずだ。CNNのジャーナリズムに対する姿勢や考え方は否定しないものの、今回は迂闊だったと言えよう。正攻法の通じる相手ではなかったのだ。

 真実の報道が無力だとは思わない。それはそれで重要な事である。だが、その正義が常に通用するとは限らない。ときには物量で、暴力的に叩きつぶさねばならない相手もこの世界にはいるのだと改めて思い知らされた次第。


 いつまで経っても先行きが不透明な東京オリンピック・パラリンピック。本当にやるんだろうか。外国から選手団を招き入れるとか自殺行為としか思えないのだが。聖火リレーが始まってからはNHKを始めとしたメディアも開催するのが当たり前であるかのように報じているし、いったいどこが「権力の監視装置」なのだろう。権力側とズブズブなのではないか。

 そんなこんなですっかり残念なイメージが付いてしまったオリンピックであるが、2032年の夏季大会はオーストラリアのブリスベンが有力な候補地らしい。しかしいまそれに待ったをかけようと画策しているのが韓国なのだそうな。北朝鮮との南北共同開催をIOCに提案しているという。

 百歩譲って韓国内の競技会場で試合を行う選手はまあ何とかそれでもいいかも知れないが、北朝鮮に行かされる選手の身になって考えるべきなのではないか。そもそも食料すら足りていない北朝鮮の一般国民にとっては、オリンピックどころではないだろう。まさかそれらを解決する手段が韓国にあるとでも言うのだろうか。

 そんなものがあるのなら、とっくに平和的な南北統一が成し遂げられていると思うのだが。「オリンピックを開催するのだから世界が知恵と金を出せ」とか言いそうな気がしてならない。


 虫けらは国政においては基本的に自民党を支持してきたのだが、地方議会においてはその限りではない。と言うか、たまに地方で脳みそ腐ってるとしか思えないヤツを飼ってるよな、自民党。

 自民党の三重県議会議員が,男性同士のカップルの個人情報を自身のブログに掲載し、削除要請にも応じていない。公開質問状を送られて来たから「ほんなら住所も名前も公開してええやろ」と判断したらしいのだが、何とも頭が痛い。「馬鹿につける薬はない」ということわざは、諦めの境地から出た言葉なのだろうな。


 ロシア極東の都市ブラゴベシチェンスクにある病院で2日、火災が発生した。患者ら60人ほどが避難する騒ぎになったのだが、このとき1階の手術室では心臓外科手術の真っ最中だったという。結果として医師たちは建物が燃える中で手術を完遂、患者は手術完了後に別の病院に移されたのだそうな。

 医師としては他に選択肢がなかったのかも知れないが、何とも怖い話。結果オーライと言えばそうなのだけれど。


 本日はこんなところで。昨日はまったく書けていない。ため息が出るが仕方ない。また今日から頑張るしかあるまい。

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