第487話 2021/2/12 権謀術数とか

 本日は11時半起き。うがー。暖かいから気分的には楽なのだが。

 最近夢に親が出て来る。まあ二人とも死んでいるのでそれなりの感慨がない訳ではないものの、ちょっと気に食わない事がある。詳しい内容は憶えていないのだが、どうも言動が美化されている印象なのだ。「そんな綺麗な事言うヤツやなかったやろ」と思いながら目が覚める。これもアレか。「昔は良かった」病の症状の一つか。人間の脳の持つ機能なのかも知れないが、あまり気持ちの良いものではないな。


 12世紀の中国、南宋の儒学者朱熹しゅきに始まるのが俗に言う「朱子学」だが、彼の著した『大学章句序』に出て来る言葉に「権謀術数」がある。自身の地位や評価を高めるために取られる利己的な手段や策略を言い、大学章句序では人の生き方の悪い例として挙げられているという。

 しかし、その悪い例が堂々と白昼の大通りを大手を振って練り歩いている印象が、いまの中国にはある。

 11日、中国の放送規制当局はイギリスのBBCワールドニュースが国内報道指針に「深刻な違反」をしたとして、同局の放送を停止したと発表した。どんな違反があったのかと言えば、中国の放送指針には、

・事実に即し公正であるべき

・中国の国益を害さない

 という、一見正しいように見えて、冷静に考えれば矛盾しているとしか思えない項目があり、これにBBCの報道が引っかかったという訳だ。まあおそらくは事実に即して公正な、故に中国にとっては都合の悪い報道をしたのではないか。BBCは、新疆ウイグル自治区の強制収容所で組織的なレイプが行われている、といった報道をしているからな。中国にとっては煙たい存在である。

 とは言え、それだけで放送を停止した訳ではあるまい。先般イギリスの放送規制当局が中国国営の英語放送CGTNの放送免許を取り消した。イギリス国内で中国政府のプロパガンダを垂れ流す報道を問題視したのだ。今回の中国側のBBC放送停止はこれへの対抗措置であると考えるのが妥当と言える。

 人の振り見て我が振り直すのではなく、やられたらやり返すのが中国共産党的権謀術数なのだろう。そう言えば『半沢直樹』は中国で人気だと聞いた事がある。現代中国人のメンタリティに合っているのかも知れない。

 他方、中国とインドの軍同士がにらみ合っていたヒマラヤの係争地から、両軍が撤退する合意を結んだと、11日にインド側が発表した。この地域では両軍の兵士が殴り合いの乱闘を起こし、双方に死傷者が出たりしたが、この合意によって混乱を収拾したいというところなのかも知れない。と、普通なら思うが、まあ何せ中国絡みである。そう簡単に行くかどうか。

 現地では10日から両軍の撤退が始まっているそうだが、この合意はそう遠くない将来に反故にされ、相手側が約束を破ったと互いに非難し合う事態になるのではないか。中国が兵士の安全を考えて領土拡大を躊躇するような国なら、南シナ海のような問題は発生しない。

 これらの問題はイギリスやインドだけの問題ではない。遠からず日本にも影響が及ぶに違いない。そのとき日本政府はどんな判断をするのだろう。


 日本で法螺貝を吹くと言えば山伏か黒木香であるが、インドでもハワイでも伝統的な楽器として用いられているという。

 1万8000年ほど前に人間が居住していたと推察されるフランスのピレネー山脈にあるマルスラ洞窟で、1931年に法螺貝が発見された。しかし当時は楽器だとはわからず、何かの儀式に使う容器だろうと考えられ、そのままトゥールーズの自然史博物館に収蔵されて長い間忘れられていた。

 これが最近再発見され、調査の結果、人の手が加わった楽器であると判明したのだそうな。実際に鳴らしてみると、ド、ド#、レの音が出たらしい。まあ法螺貝だからな、音階は関係ない気もするのだが、現代のヨーロッパ人としてはそうも行かないのだろう。今後は3Dプリンターでレプリカを作って研究を進める予定。何か面白い結果が出ると良いのだがな。


 寡聞にして知らなかったのだが、『ゴリラグルー』というのはアメリカでは強力な接着剤として有名なのだそうだ。元は業務用だったらしい。日本でも買えるのだが、アメリカの物と同じ成分なのかは知らない。

 で、普段使っているヘアスプレーがなかったので、このゴリラグルーで頭髪を固めたという馬鹿がアメリカで話題になっているそうだ。何度シャンプーしても落ちないと困っているとの事。まあシャンプー程度でいちいち落ちていたら接着剤として使えないからな、当たり前っちゃ当たり前だ。

 困ってしまったので病院で何とかしてもらおうとして、インターネットで治療費を募ったところ、1万5000ドル(約160万円)ほど集まったという。笑いながらチップ感覚で金を出したヤツが多いのではないか。しかし一部報道では取扱説明書に「髪の毛に使ってはいけない」と書いていなかったのでメーカーを訴えると発言し、炎上しているようだ。

 昔から「馬鹿につける薬はない」という。病院で何とかできる話ではないかも知れないな。しかし「馬鹿をつけられる接着剤はある」のだ。科学技術の発展に乾杯。


 9日、アラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機『HOPE』が火星の周回軌道に到達し、これを祝してドバイの高層建築物『ブルジュ・ハリファ』ではロケットや探査機、日本の国旗をテーマにしたライトアップが行われた。何で日本の国旗が出て来るんだと思う人もいるかも知れないが、このHOPEは日本の種子島宇宙センターから打ち上げられたのだ。この辺、義理堅さを感じる。他意はない。

 まあ何にせよ、アラブという区切りでもイスラムという区切りでも、中東という区切りでも初の火星探査機が成功したのである。素直に喜ぶべきだろう。

 なお10日には中国の火星探査機『天問1号』も火星周回軌道に達している。アメリカの『マーズ2020』も近々火星に到着する予定。しばらくは火星の話題が増えるのかも知れない。


 アメリカのバイデン大統領は10日、クーデターを起こしたミャンマー国軍の幹部や軍と関係の深い企業などへの制裁を発表した。アメリカ国内にある資産の凍結などを盛り込んでいるという。

「米国はクーデターを指揮した軍指導者や、彼らのビジネス上の権益および近親者に直ちに制裁を科すことが可能になる」

「軍は奪った権力を放棄して、昨年11月8日の選挙で示されたミャンマー国民の意思を尊重しなくてはならない」(以上CNN)

「軍は、掌握した権力を直ちに手放し、アウン・サン・スー・チー国家顧問など、拘束した政治指導者を釈放すべきだ」

「民主的な権利を行使する抗議デモへの暴力は受け入れられない」(以上NHK)

 などなど。

 アメリカが動いてくれたのである。これで矢面にはアメリカが立ってくれる。日本もその陰に隠れる形で良いから何か行動を起こすべきだと思うところ。


 本日はこんなところで。イマイチ調子が上がらないな。昨日は1500文字ほど書けた。まあまあか。今日も何とか頑張ろう。

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