第474話 2021/1/30 本日休業

 本日は7時半起き。起き、と書いたが起きていない。眠った感がまるでないからだ。うつらううつらしては目が覚め、と何度も繰り返しているうちに朝になってしまった。たまにこれがあるのだよなあ。目を開けていられない。と言って、目を閉じても眠れない訳だが。体は動くが頭の死んだ、ゾンビ状態で一日過ごすしかない。そんな訳で本日は休業。今夜は早めに寝ようかな。で、また書けないのだろう。


 ここんところ全然書けない。1日1000文字でいっぱいいっぱいだ。総文字数は10万文字を超え、物語も転換点に差し掛かっている。ここからまた新しいキャラクターがどんどん出て来るのだ。その順番と出し方で頭が痛い。て言うか、そっちにウェイトがかかるとロボットが活躍できなくなってしまう。バランスは大事。


 テレビアニメのスタッフって偉大だと思う。物語を展開させながら毎回違ったデザインの敵ロボを出して戦わせてるのだから。一人で考えてそれをやるのは、かなり難しい。いま書いているシーンの敵は、噛ませ犬とまで言うと可哀想だが、結局新キャラ紹介のために暴れて倒されるだけなので、あまり見せ場もないままかなりの文字数引っ張っている。この次の敵はもうちょっと見せ場を作りたいなあ。


 まあそんな頑張って書いてもたいして読まれないのではあるが。でもいまはそれでいい。虫けらが読まれもしないのに飽きもせず作品を作り続けるのは、「顧客」を作るためである。つまりは「自分の作品を好んで読んでくれる読者」という市場を開拓するためだ。いまはそのために必要な事を繰り返している段階と言える。それが商売になるかどうかはまだわからない。だが顧客の存在していない作家がこの先何十年も書き続けていられるとは思えない。


 昨日歌舞伎の話を少し書いたが、1回や2回歌舞伎を見た事があるだけでは、「歌舞伎の客」とは言えない。歌舞伎の客としてのルールやマナーを身につけるためには年期が必要なのだ。同じような事はタカラヅカにも言える。落語のファンにも近いものがあるだろう。アイドルヲタにも言えるし、あるいは美術館を訪れる人々にも近いものがある。彼らに共通しているのは、楽しみを提供する側に「客を育てる姿勢」があるという事だ。さて振り返って、web小説はどうだろう。


「所詮web小説なんて流し読みしかされないのだから、ちゃんとした物を作ろうとしても無駄。それがやりたいなら公募に出せ」みたいな言説を目にした事がある。「読者層に合わせろ」という話もよく聞く。でもそれって、ジリ貧になるだけじゃないのか。どうせweb小説のブームなど一過性のものだろうし、あと5年も経ったら小説投稿サイトなんて全滅していても構わない、という立場ならそれでもいいのかも知れないが、みんなそれでいいのだろうか。


 無論、顧客を育てる事だけが正しい訳ではない。実際商業小説や商業漫画の世界でも、顧客を育てようなどという姿勢はあまり見られない。まあその結果、見事にジリ貧になっているのではあるが。そういう意味で言えば、まだ映画には希望が持てるのかも知れない。いずれ壊滅的なところまで追い詰められるのだろうが、滅びはしないのではないか。漫画や小説の紙媒体はコレクターズアイテムとして生き残る可能性はあるものの、雑誌が生き残るのはかなり難しい。「これはどうしても紙を広げて読みたいんだ」と読者に思わせる作家を育てない限り、早晩滅ぶだろう。


 顧客を育てるというと難しそうな気がするかも知れないが、要はクルマの売り方である。エントリーモデルを用意して、その上に中級モデルを設定し、さらに上に高級モデルを作る事で、客の収入やライフスタイルに適合した商品に誘導する。もちろんクルマは開発にもの凄い金がかかるから、どのメーカーもフルラインナップを揃える訳には行かない。それが可能なのはトヨタかフォルクスワーゲンくらいである。他はジャンルやセグメントにこだわってクルマを製造し、業界全体で顧客を育てている。日本ではクルマは売れなくなってきているが、世界的に見ればまだ市場は拡大しているのだ。


 小説も「若者の読書離れがー」とか言ってないで、もっと積極的に「初めて小説を読む人向けの作品」とか「小説を読み慣れた人向けの作品」とかの分け方をしてはどうだろう。「いろんなレーベルを用意しているんだけど」と言うのかも知れないが、それが読者に伝わっていないが故のジリ貧なのではないか。そもそも同一の作家の作品であっても、初心者が読みやすい物もあれば、そうでない物もある。それを丁寧に仕分ける作業なしに顧客を育てるのは不可能だと思うのだが。


 ましてやweb小説など、玉石混淆は新たな才能の登場に必要だとは思うものの、もはや数が多すぎて玉にも石にも巡り会うのは至難の業である。まあこの点についてカクヨムは検索システムを改良したりなど対応しようとしているが、まだ道は半ばであろう。年齢制限やセルフレーティングだけでは、読みやすいか、とっつきやすいかはわからない。だから結局ジャンルを目当てに人が流れ、同様なジャンルの作品が急増し、このジャンルはもう古いだの飽きただの言われる訳だ。誰も幸せにならない。


 顧客を育てるためには、システムができあがるのを待つより作家個人個人が対応した方が早いだろう。つまり作家がエントリーモデル、中級モデル、上級モデルの作品をそれぞれ用意する、もしくは「私の作品はすべて上級者向けです」などと宣言させる等々、やり方はイロイロ考えられるのではないか。もちろん最初は自己申告するしかないが、やがてある程度作家に読者が振り分けられたら、あとは自然と読者による区分けがされて行くのではと思うところ。


 まあ、そうなったらなったで「上級作品書かない作家はダメだ」とか「エントリー作品ばっか読んでるヤツは進歩がない」とかイロイロと言うヤツが現れてトラブルも生まれてくるだろうとは思うのだが、みんな揃って沈んで行くよりはマシなのではないかなあ。とりあえず虫けらはフルラインナップを目指して作品の数を増やして行きたい。


 本日はこんなところで。休みと言いつつ2500文字ほど書いてしまった。まあ、まとまりのない戯言であるが。ああ眠い。眠すぎる。あくびが止まらない。仕方ない、ちょっと横になるか。明日は何か書けますように。

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