第432話 2020/12/19 議論とか
本日は9時半起き。脳みそが疲れている。だが楽しい。やっぱり新作の書き始めは楽しいな。これが一通り設定を披露し終わって、話も広げるだけ広げて、ここからさあまとめよう、となってくると大変になるのだが。エンディングをどうするかだけでも年内に思いつかないものかなあ。だいたいの方向性はもう決まっているのだが、どう締めるのかが思いつかない。どうなる事やら。
議論は大事だ。議論をすることによって正しい解答が導き出されるとは限らないものの、とりあえずお互いに相手がどう考えているのかを知る事はできる。ならば互いに納得はできないまでも、双方の主張の中間地点に落とし所を見つけるのは可能である。不満を解消できなくても、比較的不満の少ない解決策は提示できる。だからこそ議論する事は大事なのだが、人間というのは困ったもので、自分が不利であると思ったり、自分の無知無策が露呈すると思ったりした場合に、議論を放棄してしまう。そしてこう言うのだ。「それは議論以前の問題だ」と。
議論以前という事は、すなわち議論していないという事であるから、少なくとも胸を張れるような話ではないはずなのだが、それを口にする者はたいてい偉そうなのが不思議なところである。特に「議論をするための場」であるはずの「議会」に集まる「議員」と呼ばれる者たちにこの「議論以前」という言葉を使われると、イラッとする。おまえら自分の存在価値を否定して何がしたいんだと思う。議論をするために税金で養われている身分の分際で議論を否定するなら、とっとと辞職すれば良かろう。これほどの税金の無駄遣いはない。
さて日本政府は18日、国産対艦ミサイルについて長射程化など大幅な増強を閣議決定した。これによって敵基地への先制攻撃が可能になるなど、専守防衛の観点から非常に問題だと野党が騒いでいる、と時事通信が報じている。その記事のタイトルはこうである。
「菅政権、「敵基地」論議なき装備増強 国産ミサイル長射程化」
この場合「論議」という言葉が使われているが、論議と議論にどれほどの違いがあるのかには諸説ある。それこそ議論に値するほどに。しかし普通に使用される範疇において特に違いはない。このレベルの違いにこだわるのは報道記者か小説家くらいのものだろう。
閑話休題。議論もなしに自衛隊の装備を増強するというのは、確かに税金の使い方という観点から見ても問題はあるかも知れない。議論は必要であり、可能な限り行うべきである。それは議論以前の問題であってはならない。ただ。
ミサイルの長射程化は世界の流れであるし、自衛隊員の安全を確保するためにも、あるいは抑止力としても有効であるはずだ。そもそも長射程化と先制攻撃はイコールではない。いや、そもそも論を言い出せば、そもそも専守防衛と先制攻撃が本当に矛盾するのかについて、議論は尽くされたのか。あるいはそもそも自衛隊が増強する事をすなわち悪事であるかのように扱う事について、メディアは議論を尽くしたのか。議論以前の問題と考えてはいないか。
政府に対して議論を尽くせと要求するのは野党やメディアの正当な行為であるが、だから野党やメディアは議論を尽くさなくても良いという話にはならない。「先ず隗より始めよ」は国家の最高権力者にのみ当てはまる言葉ではない。野党であろうが民間企業であろうが同じである。
居酒屋で酔っ払ったオヤジが首相の記者会見をテレビで見ながら「コイツはダメだな」とか言うのは言論の自由であるが、社会的権力を有する野党やメディアが同じレベルで良いはずがない。好き勝手な事を言う自由が欲しいのなら、社会的権力を放棄するべきではないかと思う次第。
メディアといえばテレビ朝日が18日昼のニュースで、件の「桜を見る会」に関連して安倍前首相が東京地検の聴取を受けたと報じた。しかし同日、これが誤報であったと夜の報道番組「報道ステーション」で謝罪した。
詳しい経緯は報じられていないので不明だが、どうも情報の裏を取らずに飛ばしたもののようだ。テレビ朝日は随分と無責任な記者を雇っているのだな。無責任に言葉を使いたいのならテレビなどで仕事せず、小説投稿サイトに好きな文章を書き込めば良かろうに。
しかし一般企業が不祥事を起こしたら社長に引責辞任しろと圧力をかけるメディアのみなさんは、身内の不祥事には本当に寛大である。貴族か何かか。
日本でユニセフ(国連児童基金)というと、どうも「例の画像」が脳裏にチラついていかんのだが、ユニセフの活動自体は立派なものである。世界中の困窮する子供たちを支援する彼らの行動は尊重され尊敬されるべきだと思う。
そんなユニセフが、イギリス議会で非難された。何をしでかしたのかと言えば、新型コロナのパンデミックで困窮に陥ったイギリス国内の家庭に食料援助を行ったのだ。また困窮者の支援団体に資金提供も始めているそうだ。
ユニセフUKの関係者曰く、
「この国は世界有数の富裕国で、フードバンクや食料支援に頼る必要があってはならない」
「究極的には、空腹に苦しむ子供をなくすため、食料貧困の根本原因に取り組む長期的解決が必要になる」
「ユニセフUKは、イギリスで子供の権利のため働いてきた25年間の経験をもとに、この前例のない危機に対応している。8月に開始した一度きりの全国的な対応で、この危機下で危険にさらされている全国の子供や家族に支援を提供している」
「ユニセフは引き続き、世界で最も貧しい子供たちを助けるために、国際的な資金を使っていく。私たちはすべての子供が大事で、すべての子供が、どこで生まれたかにかかわらず、生き延びて健やかに成長する権利があると信じている」(以上BBC)
との事である。
これといって何も間違ってはいないように思うのだが、17日、イギリスの与党保守党のリース=モグ院内総務は、議会での野党労働党からの質問を受けてこう答えたそうだ。
「恥を知るべきだ」
「ユニセフがこのように政治的な真似をするのは、本当のスキャンダルだと思う。大勢が飢えている世界で、最も貧しく、最も困窮した諸国の人たちを助けるべきなのに、飢饉と内戦で揺れる国を助けるのではなく、ひとつの行政区に確か2万5000ポンドを与えるなどして、安易に政治的な得点を挙げている」(以上BBC)
うーむ。これって要するに、「うちのシマで勝手な真似するんじゃねえよ」って言ってるだけに思えるのだが。現実に政府の手が回っていないからこういう動きになるのではないのか。
虫けら個人としては日本のユニセフにもこういった動きを見せてもらいたいところなのだがな。新型コロナで子ども食堂が閉鎖されて困っている家庭は少なくないはずだ。金を集めるだけが仕事ではなかろうに。
本日はこんなところで。昨日もデカい地震があったな。嫌だ嫌だ。
新作はようやく2万文字に達したところ。なかなか文字数が増えないが、まあそうそう思うようには行かないわな。果たして今年中にどれくらい増やせるか。なるべく余裕を持たせて新年から公開したいと考える次第。
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