第368話 2020/10/16 小ネタ集

 本日は9時起き。外は晴天だが夜から雨が降る予報。眠気がキツいな。肺がザラザラするような息苦しさは相変わらず。これ以上酷くなるのなら病院に行く事も考えた方が良いのかも知れない。でも万が一新型コロナとか診断されると面倒臭い事になるからな。家に閉じこもってる方が良いだろう。自分的にも世間的にも。

 そんなこんなで本日は小ネタ集。始まり始まり。


 虫けらだって名前くらい知っているものの、マトモに読んだ事のない作家の代表の1人が、かの高名なウィリアム・シェークスピアであるが、その死後7年経って友人たちによって出版された、「ファースト・フォリオ」として知られる戯曲全集の初版本が14日、アメリカのニューヨークで競売にかけられ、文学作品としては史上最高額となる997万ドル(約10億5000万円)で落札されたのだそうな。

 金はあるところにはあるもんなのだな、という意味では凄いなと思うのだが、あまり羨ましい話でもない。いや、もちろん古本に997万ドル出せる人の生活は羨ましいし、997万ドルもらえる人も羨ましい。だが自分の本がどれだけ高値で売れたところで、墓の下のシェークスピアには1銭も入らないのだ。この点は全然羨ましくない。

 まあシェークスピアは生前から評価されていた作家のようだが、死後の神格化とも言うべき高評価は想定外であったろう。そんなに評価するんなら生きてるうちにもっと大事にしてくれよ、と草葉の陰で思っているかも知れない。果たして虫けらは生きているうちに評価されるだろうか。


 アメリカの民主党の副大統領候補ハリス氏の関係者が新型コロナウイルスに感染した事が15日に判明し、ハリス氏は18日まで遊説を中止すると発表した。アメリカ人は上から下まで、与党も野党も新型コロナに無防備なのだな。これではトランプ氏を笑えない。超大国アメリカの危機管理は大丈夫なのだろうか。


 新型コロナといえば、フランスの警察が15日、現職の保健相の自宅と事務所を家宅捜索した。汚職の捜査ではない。政府当局は新型コロナの感染拡大を阻止すべきだったのに放置したと患者団体が申し立てたからだ。首相や前首相、前保健相も捜査対象となっているという。

 しかし普通に考えて新型コロナの関係者(どんな関係者だ)から首相や保健相に対して「感染拡大阻止対策に手心を加えてほしい」などという要望があったはずもなく、金銭の授受があったとも思えない。警察が捜査しても出て来るのは、彼らがいかに無能であったかという証拠だけではないのか。まあ「無能は罪である」というのがフランスの社会常識であるのなら仕方ないが、なかなか厳しいな。

 確かに無能であるなら政治家になどなるべきではない。しかしあまり有能な人間が迷走したり暴走したりすると、とんでもない事になりかねない。なかなか加減の難しい話である。


 フランスといえば、西部の都市ナントの歴史博物館では中国の内モンゴル自治区の博物館と提携し、モンゴル帝国のチンギスハンに関する展覧会を企画していたのだが、これに中国政府が横槍を入れてきて、展覧会が中止に追い込まれたらしい。

 新型コロナの影響で今月から来年春に開催が延期されていたこの展示だが、中国政府は「チンギスハン」「帝国」「モンゴル」という言葉を展示から削除する事を迫ったという。もはや何の展示かわからない。さらにテキストや地図、パンフレットおよび宣伝に対する監督権も求められたという。だったら中国でやれよ、という感じである。

 これを受けて博物館は展覧会を中止し、ヨーロッパやアメリカにある資料を集めて2024年に改めて当初の構想通りのチンギスハン展を開催したいとしている。

 ナント歴史博物館に曰く、

「国の描いた物語に沿って、モンゴルの歴史や文化を完全に消すための偏向した書き換え」(産経新聞)であり、

「われわれが守る人間的、科学的、倫理的価値観の名の下、今回の展示をやめる決定を下した」(AFP)

 とのこと。

 いま内モンゴル自治区では学校の授業からモンゴル語教育が奪われ、北京語に統一されようとしており、これに対する住民の抗議運動を共産党は弾圧している。この展示に関する横槍も、その動きの一環であるのかも知れない。


 抗議運動と言えば、国民の抗議デモの拡大を受けて、旧ソ連構成国の中央アジアの国キルギスでジェエンベコフ大統領が15日辞任した。

「私は権力にしがみついたりはしない。キルギスの歴史に、流血の事態と国民に銃を向けることを許した大統領として名を残したくない。辞任の決心を固めた」(AFP)

 とのことなのだが、そもそもこの大統領には今月4日に行われた議会選挙で票数を操作し、自らに近い2政党が議会のほとんどを占めるように画策した疑いがかけられている。選挙結果は後に無効とされた。現時点では真相は不明だが、まあ普通に考えて自業自得である。

 14日には反大統領派のトップであるジャパロフ氏の首相就任を承認したものの、抗議運動は収束せず、15日の辞任となった。結果、ジャパロフ氏に大統領権限と首相権限の両方が委譲された模様。これはこれで後々問題が尾を引きそうな気もしないではないのだが、果たしてこれで国民は落ち着くのだろうか。


 もう1つ抗議運動と言えば、タイではプラユット政権退陣と王制改革を求める抗議デモが連日行われている。14日には一時首相府前の道路を占拠したものの、15日早朝に警察が強制排除に乗り出し、20人以上が拘束された模様。

 軍部を背景とした現在の政権と、国民を無視しているかのような現在の国王、国民にとってはどちらも喫緊の課題なのだろうが、2つ同時には難しくないか。要求は一つにまとめるか、優先順位をつけた方が通りやすいかも知れない。おそらく政権側も国王に対してはさほどの愛着もないだろう。それで国民の支持が得られるとなれば、首のすげ替えくらいはするのではないかと思わなくもないところ。


 14日、中東のイエメンで拘束されていたアメリカ人2人が解放された。この2人はイスラム教シーア派の武装組織フーシ派に拘束――どんな経緯かは不明――されていたのだが、オマーンのハイサム国王とサウジアラビアのサルマン国王との仲介によって解放された模様。その代わりとして、オマーンの首都マスカットに囚われていたフーシ派の関係者271人が解放されている。

 まあな、「人間の命は地球より重い」からな、仕方ない。……なーんかおかしくないか? あれ、欧米はテロリストに譲歩するような事はないんじゃなかったか? それともフーシ派はテロリストではなく正規軍だと判断を変更したのか? んん? つまり1977年のダッカのハイジャック事件で、日本政府のとった対応が実は正解だったって事なのか? んんん?

 まあ欧米のダブルスタンダードはいまに始まった事ではない。ダブルスタンダードである事がスタンダードであると言っても過言ではないかも知れない。あまり真に受けてもいかんのだろう。


 本日はこんなところで。昨日はゼロ。まったく1文字も書けなかった。集中力が欠片もなかったからな。果たして今日は何とかなるだろうか。なってほしいのだが。

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