第369話 2020/10/17 普通とか

 本日は10時半起き。雨。寒い。体が重い。11月下旬の気候だという話が流れているが、まあ確かに晩秋の雰囲気はある。買い物は明日以降だな。雨の日は動かないに越したことはない。とりあえずおとなしくしていよう。


 歌は世につれ世は歌につれと昔から言われるが、世につれて変わるのは歌だけではない。食べ物やファッション、社会のルールにマナー、常識、そして「普通」なども変わって行く。とくに普通というものはよく変わる。いま普通であるものが、10年後20年後にも普通であるとは限らない。

 ほんの13年前の日本人は、当時発売されたばかりのiPhoneを見て、「こんな物が売れるはずがない」とか「日本の携帯電話の方が多機能じゃないか」とか言っていたのである。それが普通の日本人の普通の声だった。その後どうなったのかは言わずもがな。

 事ほど左様に普通というものは、変わるときには簡単に変わって行く。だが中には根強く凝り固まり、なかなか変わらない普通もあり、ときとして社会のボトルネックとなる事さえある。

 さて、いまさら言うまでもない事だが、女性は子供を産む。子供を産んだ女性は母親であり、母親の配偶者は父親である。もちろんそうではないケースが存在する事は否定しないものの、基本的にはこれは特殊な事例ではなく普通である。世間の親子関係の大半が当てはまるはずだ。

 今月26日に開かれる臨時国会に、自民公明の両党は民法の特例法案を提出する。この法案は親子関係についての新たな規定を定めるものだ。と言っても、上記の親子関係を否定する訳ではない。改めて補強すると言っても良いかも知れない。何故そんな事が必要なのかと言えば、生殖補助医療によって誕生した子供の親子関係が、現行法では規定されていないからだ。

 生殖補助医療とは人工授精、体外受精、顕微授精などのいわゆる不妊治療を指し、これにより生まれる子供は年間数万人に達するという。もちろん不妊治療をしたからといって必ずしも現行法で不利がある訳ではない。子供の遺伝情報が夫婦間で完結していれば従来通りである。だが実際にはそれ以外のケースが存在する。つまり夫婦以外から卵子や精子を提供してもらう場合だ。この場合に果たして父親が誰になり、母親が誰になるのかは法的に不明確だった。

 今回の特例法案では、卵子の提供のいかんに関わらず出産した女性が母親であり、精子の提供があったとしてもそれを男性配偶者が同意している限りは彼が父親となる。自分の精子じゃないからと嫡出否認はできないのだ。

 まあ子供の権利を考えての法改正であろうし、短期的にはこれで良いのではないかと思うのだが、長期的に見れば問題は出て来るかも知れない。同性婚など性的マイノリティの間に生まれた子供の場合、この規定が邪魔になる危険性はある。現在の日本では代理母は認められていないが、いずれ認めざるを得なくなる可能性もある。あるいはほんの10年後、医学が進歩して男性が子供を出産できるようになったらどうする。そのときにまた法律を改正しなくてはならなくなるのではないか。

 いまは普通ではない事が、おそらく10年後20年後の世界では普通になっているのである。後手後手に回るより、先手を打って新しい日本の未来像を法律によって開拓して行くくらいの姿勢を見せても良かったのではないかと思うところ。


 詳細は不明なのだが、フランスのパリ郊外で16日、学校の教師の首が切断され殺されるという事件が起きた模様。容疑者は射殺され、未成年者1人を含む4人が逮捕されている。マクロン大統領はイスラム過激派のテロ攻撃であるとの見解を示しているとのこと。

 まあIS辺りに感化されたのなら首を斬るのもわからないではないが、何とも言葉が浮かばない。殺された方に同情するより他にできる事もない。もちろん日本人にだってイスラム教徒でもないくせに首を斬りたがるヤツは居るので、フランス人にとやかく言える立場ではないものの、どうにも可哀想に思う次第。


 オオスズメバチがアメリカで確認されたのは今年に入ってからだが、着実に生息域を広げている模様。ワシントン州農務局の専門家は捕獲したオオスズメバチに発信器を取り付けて放し、巣の位置を探り出そうとしているものの、失敗が続いているそうだ。

 まあそれ自体は仕方ないのだろうが、それを報じているCNNの記事がちょっとアレである。「オオスズメバチはミツバチの巣をわずか数時間で破壊して、ミツバチの頭部を切断して殺してしまうことから『殺人スズメバチ』とも呼ばれる」とか書いてるのだが、オオスズメバチは本当に人を殺すから殺人スズメバチなのだという事を理解していないのだろうか。

 もしかしたらパニックが起きないように配慮しているのかも知れないが、子供が近付いたりしないよう、多少は怖がらせた方が良いと思うのだがなあ。


 14日、ブラジルで上院議員の自宅に横領の疑いで連邦警察の家宅捜索が入った。その際、議員はしきりにトイレに行きたがったそうで、不審に思った捜査員がボディチェックをしたところ、パンツの中に3万3150レアル(約62万円)の札束を突っ込んでいたらしい。勝新か。

 議員は「私はいかなる不正行為にも関与していないと誓う」(時事通信)と潔白を主張しているとの事だが、何故パンツの中に現金があったのかについては口を閉ざしている模様。「もうパンツははかない」くらい言えばいいのに。


 虫けらは金もないのにNHKの受信料を支払っている。まあBSニュースとワールドニュースは見ているからな、やむを得ないとは思っているのだが、世間にある「NHKを解体しろ」という声に反対するものではない。公共放送は必要だと思うし、海外のニュースも見せてもらいたいのだが、いまのNHKを存続させる必要があるとは考えていない。

 NHKは16日に開かれた、受信料制度などの在り方を検討する総務省の有識者会議で、家庭や事業所でテレビを設置した場合にNHKへの届け出を義務化するよう制度変更を要望し、さらに受信契約を結んでいない世帯の居住者の氏名や、転居した場合には転居先などの個人情報を公的機関などに照会できるようにする仕組みの導入も求めたそうだ。

 それって、事実上の税金だろ。そうしたいのなら公共放送じゃなくて国営放送になるべきだと思うのだが。うちは公共放送であって国営ではないので職員の給料も自由だし金儲けの方法も自由だしでも受信料は義務化してね、ってそんなアホな理屈があるか。

 右翼はNHKを「左翼の巣窟」だと言い、左翼はNHKを「政権の手先」だと言う。いまのNHKは国民からの支持を失っているのではないか。一度更地にして新しい公共放送をもう一度作り上げた方が、政府への支持率は上がるように思う。いい加減旧弊は改めるべきだろう。


 本日はこんなところで。昨日は1000文字ほど書けた。何とか頑張った。雨は夕方まで降り続く模様。果たして夜には気分も上向きになるだろうか。

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