第315話 2020/8/24 批判とか

 昨夜は早々に諦めて、10時前に睡眠導入剤を飲んだ。で、朝起きたら9時半。途中で何回か起きてるが、それを除いても軽く10時間は眠っている。寝過ぎだ。まあ頭が疲れているからな。仕方ないのかも知れない。さすがに毎日2作品を上げ続けるのは大変だ。しかし今日で『案山子の帝王』は上げ終わる。明日からは多少余裕もできるだろう。たぶん。


 理屈の上では、他人を批判するのは簡単だ。人間の行動は様々な無数の要素から成り立っている。その中から問題がありそうな部分、あるいは自分の気に食わない部分を選び出し、それをあげつらって「コイツはこんなに酷いヤツだ!」と主張すれば良いだけなのだから。

 ただ現実はそう上手く行かない。なぜなら選び出された「問題がありそうな部分」が、互いに矛盾している場合があるからだ。あるいは、問題点を一つに絞って選び出したはずなのに、批判しているうちにそれがブレてしまったりする。まあ人間のやる事だから、と言ってしまえばそれまでなのだが、なかなか完璧な批判は難しい。

 批判されるのも仕事の内なのが政治家であるが、中でも今日24日で歴代最長の連続在任記録2799日を達成した安倍首相に対する批判は大きい。虫けらは安倍首相の人間味のなさが嫌いであるが、世の中には虫けらよりも遙かに安倍首相が大嫌いという人々が居る。しかしご多分に漏れず、その批判はブレている。

 ある人は、安倍首相は無能だという。「いまの日本の経済状況を見ろ、こんなに酷い事になっているではないか!」と。なるほど、その意見は間違っていないかも知れない。まあ日本経済というのが世界の中において日本単体で独立して存在しているのかどうかはともかく、お世辞にも日本は好景気ではない。ならば少なくとも経済政策に関しては、安倍首相は有能とは言い難いのだろう。

 ところが、その同じ人が同じ口で言うのである。「アベは悪いヤツだ! 日本を崩壊に導いている!」と。んんん? それでいいのか? 悪いヤツが日本を崩壊に導いているのなら、その結果状況が悪くなっているのなら、それは目的を達成しているのではないのか。つまり有能という事だろう。「アベは有能かつ悪辣だ、日本を意図的に滅ぼそうとしている」という主張ならわからなくもない。しかし彼らは安倍首相を有能とは決して認めない。どうしても「無能で悪いヤツ」と言いたいようだ。その結果、いわゆる「アベ政治を許さない」人々の声には「アベは無能」と「アベは悪い」が混在し、カオスを形成している。現状ここまで安倍政権に対する批判が大きくなっても彼らにイマイチ共感が集まらないのは、こういうところが理由なのではないか。

 善悪には基準がないと昨日書いたが、有能無能も基準がある訳ではない。常に相対的に評価するしかない。安倍首相には結果を残せていない部分も多々あるのだろうが、では他の人がやっていれば結果を残せたのか。これは「やらせてみなければわからない」のである。もっと良い結果が残せるかも知れないし、もっと悪くなるかも知れない。そして悪くなったとしても、取り返しはつかない。変化は常にギャンブルである。ならばローリスク・ローリターンの現状維持を選びたいという人の気持ちは理解できなくもない。それは未来に対する一つの有効な選択であり、これが間違っているという主張には首をかしげる。

 繰り返しになるが、虫けらは安倍首相が嫌いであるので、安倍政権は交代してもらいたいと思っている。たとえば現在進行形で問題となっているモーリシャスの貨物船事故。これは日本政府にも安倍首相にも責任はない。なので政府に謝罪しろなどとは言わない。謝罪したって何の意味もない。だが、首相は日本のリーダーである。事故によって迷惑を被ったモーリシャスの人々に対して「何か手伝える事はないですか」の一言をかけるくらいの事をしてもバチは当たらんだろう。外務省を通じてうんたらかんたら、という事はあるのかも知れないが、まず事故の起こった直後、自分の口で何か言うべきだった。それができないところが虫けらは嫌いである。ただ政治家として有能か無能かはまた別の話であろう。

 現実問題として安倍首相を引きずり下ろせない野党にも少なからず問題がある。野党政権に希望が持てれば、「こんな凄い事を思いつく人が野党にはいるんだ、こんな対策を実行してくれるんだ」と国民に思わせる事ができる人材が野党にいれば、こんな状況にはなっていない。国民に何も思わせる事ができないから、現状維持を選択されるのである。当たり前すぎるくらいに当たり前の反応と言える。ネガティブキャンペーンも無意味とは言わない。だがそれは、いわば刺身のツマである。メインにしてどうする。そういうところに絶望的にセンスがない。

 安倍首相がまた病院に行った事で、時事通信は「健康不安! 健康不安!」とわめき立てているが、それしかないのかと言いたい。権力の監視装置を標榜しているメディアが、突くべき問題点を探し出せないというのはどうにもならない。八百長しかできないのなら政治記事など書くのをやめたらどうだ。これでは安倍政権は当分安泰である。虫けらは河野太郎首相を見てみたいのだがなあ。


 かつてF1で走り、いまは活動の場をアメリカの「インディアナポリス500マイルレース」に移している佐藤琢磨氏が、現地時間23日のレースで3年ぶり2回目の優勝を飾った。ちなみにこのレースの模様は今日NHKのBS1で放送される。別にNHKから金をもらった訳ではないのだが――くれるのなら迷わずもらうが――嬉しかったので書いてしまった。

 ただF1もそうなのだが、自動車レースをテレビで観て面白いのかという問題はある。いまひとつスピード感が感じられなくてなあ。何か上手い見せ方はないものかと思うのだけれど。


 アメリカでスーパーマーケットといえばウォルマートであるが、そのマサチューセッツ州にある店で、見知らぬ男にいきなり抱きつかれ、「いまのはCOVIDハグだ」と言われる事案が何件か発生しているらしい。まあ「俺コロナ」事案は日本を含めて世界中で起きているようなのだが、ハグは嫌だな。アメリカなんだから射殺すればいいのに、とか思ってしまうのは不謹慎なのだろうか。


 アメリカで新型コロナといえば、回復した感染者の血漿を治療に使う事を、食品医薬品局(FDA)が緊急に承認したそうだ。ただしその効果については専門家の間でも意見が分かれ、またドナーの確保にも課題がある。感染爆発が起こっているアメリカで実際どれほどの効力を持つのかは何とも言えない。とは言え、この治療法については以前から言われている事でもあるし、日本でも検討はされているのではないか。量的な事を考えればワクチンの開発を待つ方が合理的なのかも知れないが。


 本日はこんなところで。ホント昨日は何も思いつかなかった。PCの前でじーっと時間を潰している虚しさよ。今日は何か書けるといいのだけれどなあ。

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