第283話 2020/7/23 安楽死とか

 本日は11時起き。寝た寝た。たぶん10時間は寝てる。何か脳みそがちょっとスッキリした感じ。今日は調子が良いかも知れない。まあ、また明日極端に悪くなる可能性もあるのだが。何で波ってあるんだろうな。ある程度の期間、一定レベルをキープしてくれれば楽なのに。


 人間が「生きる」というのはどういう事か。あまりに哲学的すぎて虫けらの頭では解答など見つからないが、「死」が大きな要因であることは間違いないと思う。ちゃんと死ねる人生、納得ずくの死を迎えられた人は、それなりの人生を生きたはずだ。

ただ、そんな人がいったいどれだけいるだろう。たいていの人は納得の行かないまま死を迎える。自分はまだ生きたいのに死ななければならない人、あるいはすぐ死にたいのに生き長らえさせられた果てに死ぬ人、世の中そんな人の方が多いような気がする。

 もちろん生きる事が何でもかんでも善い事ではないのと同じく、死ぬ事が何でもかんでも善い訳ではない。死にたいと思っても、そこで頑張って乗り越えて生きる事が本人の幸福につながる場合もある。そういう意味で死を忌避する感情、生きて欲しいと思う感覚は間違っていない。ただしその逆もまた真なり。死を望む者に死を与える行為が常に悪行とされるのは間違っているのではないか。

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)という病気がある。これは徐々に全身の筋肉が動かなくなる難病で、進行を抑制する治療はあるものの、治す手段はいまのところ存在しない不治の病である。最後は呼吸器の筋肉が動かなくなって死ぬしかない。もし虫けらがALSだと診断されたら、死刑宣告を受けたと感じるかも知れない。少なくとも将来に展望など開けず絶望するだろう。

 昨年11月、京都市内に暮らす51歳の女性ALS患者が死亡したのだが、容体が急変し搬送された病院で詳細を調べたところ、普段服用していない薬が見つかったという。病院が通報し京都府警が捜査した結果、防犯カメラの映像から、当日女性の自宅に、宮城県と東京都に住むいずれも40代の医師2人が訪れていたと判明した。京都府警は嘱託殺人の容疑で逮捕状を取り、関係箇所を捜索している。亡くなった女性は周囲に「安楽死させてほしい」と漏らしていたそうだ。

 真相はまだわからない。もしかしたらこの2人の医師が金儲けのために人を殺す悪徳医師である可能性もゼロではない。だがこの件で罪を問うのはどうなのだろう。

 安楽死の問題が持ち上がったのはこの5年や10年ではない。もっとずっと前から問題は表面化していた。それを放置して動かなかったのは政府である。もちろん安楽死に反対する勢力もあるのだろう。だが政府が本気で動こうと思えば動けたはずだ。なのに安楽死を望む人々の声を無視し、彼らを見捨てた挙げ句、安楽死に協力した医療関係者に殺人者のレッテルを貼っている。これを怠慢と言わずして何と言うのだろう。

 ALSの重症患者の多くの人が、人工呼吸器が必要になった際にその装着を拒否するという話もある。これもある意味安楽死と言えるが、今回亡くなった女性がそこまで追い詰められていた状態であったかどうかが今後注目されるようだ。願わくは寛大な裁きを期待したい。


 現地時間の21日午前9時頃、ウクライナでバスジャック事件が発生、手榴弾などの爆発物や自動小銃、拳銃で武装した男が13人の乗客を人質に立てこもった。男は政府に反体制的メッセージをSNSに投稿する事を要求し、また自らをテロリストと認めることも望んだ。そしてさらにゼレンスキー大統領との対話も要求したらしい。

 そこで実際大統領が電話に出ると、男は即座に3人の人質を解放し、そこでさらなる人質解放の条件を出した。それは大統領が『アースリングス』という映画を国民に推薦するメッセージをSNSに投稿する事。

 この映画は畜産業界における動物虐待を取り上げた2005年の作品で、ホアキン・フェニックス氏がナレーションを担当しているそうだ。そこで大統領がこの映画を推薦する動画をFacebookに投稿すると、人質は全員解放され、男は逮捕された。そのすぐ後に動画は削除されたのだが。

 男には様々な前科があるそうだが、現在は動物愛護活動家であると報じられている。ただし精神が非常に不安定であったとも。この一例をもって動物愛護活動家全体を断ずるのは極めてアンフェアだとは思うが、何となく納得できてしまうのも事実である。他の国でこういう事が起きなければ良いなと思うところ。


 短いが、本日はこんなところで。昨日は『魔獣奉賛士』と新作を、どちらも1500文字ほど書けた。かなり頑張った。反動が来なければ良いのだが。

 そんなこんなで4連休の初日である。まあ、虫けらには何の関係もないのだけれどな。

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