第282話 2020/7/22 著作権とか

 本日は10時起き。また午前3時くらいまで眠れなかった。体調が悪いと眠れないのか。体調が悪いからこそ早く眠って欲しいのだが、上手く行かないものだ。昨日はイロイロとサッパリだったが、今日はどうだろうなあ。何とか頭が働いてくれると良いのだけれど。


 毎日毎日ここで駄文を垂れ流しているが、ここに書かれてあるのは基本的に個人的な見解である事が前提である。当たり前だ。科学的に、もしくは言語学的に、あるいは法学的に正しい見解など、虫けらに書ける訳がない。論拠など「何となくそう思ったから」以上のものなどありはしないのだ。その前提に則って今日も書いている。

 虫けらはこのカクヨムで著作物を公開している。故に著作権者である。もう少し正確に言うなら著作権者界の末端の片隅に蠢く有象無象の一欠片である。その一欠片として、著作権は守ってもらいたいと思っている。守ってもらうとはどういう意味か。それは法的に保護してもらいたいという意味と同時に、一般ユーザーに尊重してもらいたいという意味もある。

 ただ、それならば四角四面に厳格にキッチリがちがちに守ってもらいたいのかと言われると、それはそうではないのだ。たとえばカクヨムではKADOKAWA関連作品の二次創作が許されているが、こういう部分はこの先も何としても残していただきたい。あらゆる二次創作が法律によって禁じられるような世界は望んでいない。他人の著作物であっても、それに対するアプローチにはそれなりの自由があってしかるべきだと個人的には思っている。

 しかし最近はこの著作権保護の考えが社会的に過剰になっているような気がしてならない。繰り返すが著作権は守るべきだ。だが一般ユーザーがそれをある程度勝手な解釈で自由に楽しむ事は、それなりに認めてもらいたい。その「それなり」が難しいのだろうけれど、それをしなければこの業界全体が滅んでしまうように思う。

 一例として挙げるなら、著作権者の死後70年間は権利が保護されるというのも、イマイチ意味がわからない。個人的にはあらゆる著作物は著作権者の死後即座に著作権フリーとなるべきではないかと思う。もちろん、その著作物を書籍化した出版社や映画化した映画会社の利益も保護されねばならないが、それにしたって70年は長すぎるだろう。遺族年金的な側面を考えても、30年くらいが落とし所ではないのかと思わなくもない。

 さて、最高裁判所第3小法廷は7月21日、ツイートで写真を無断転載された写真家が起こした訴えについて、Twitter社の上告を棄却し、著作者の氏名表示権が侵害されたとの判断を示した。この裁判がわかりにくいのは、「他人の写真をパクって使うと罰せられる」という当たり前の話だけではなく、Twitterのシステム的な面での責任が問われている事だろう。

 この写真家は撮影し公開した写真に自分のサインを入れていた。これが悪意ある第三者にパクられた訳だが、Twitterでは写真を投稿すると、上下がトリミングされた状態で表示される。すると写真家の名前の部分が消えてしまい、誰の作品だかわからなくなる。これが著作権上問題だと最高裁は認めたのだ。

 その上で、画像をパクって投稿した人物と、それをリツイートした3名のメールアドレスを開示するようTwitter社に命じた。この「リツイートした3名のメールアドレス開示」の部分がネットで話題となっている。故意に、悪意を持ってリツイートしたというのならともかく、写真が誰の作品かを確認せずにリツイートしただけでメールアドレスを開示されねばならんのか、という点に疑問を感じる声が多い。虫けらも、リツイートまで含めてしまうのはやり過ぎだと思う。

 パクった人間が罰せられるのは当然だ。しかしリツイートは、いわば巻き込まれただけである。著作権を侵害する意図がそこにあったかは判断のしようがない。著作権に関連した法律を厳密に精査すればこのような判決になるのかも知れないが、法律は人間が運用する事が前提ではないのか。「こう書いてあるからこうなんだよ」という判断をするのなら、AIで十分な気がする。

 著作物は人々の社会生活を豊かにする。それが創作する意味であり価値ではないか。著作権は保護されるべきであるが、それを重視するあまり世の中が息苦しくなってしまっては本末転倒のように思えてならない。最高裁判所は日本有数の頭脳が集まる場所であるはずだ。もう少し人間的な、上手い落とし所が見つけられなかったものなのだろうか。


「理屈と膏薬はどこにでもつく」と言われるが、関連団体という物もどこにでもあるようだ。日本外国特派員協会で20日、東京都内のキャバクラなどで働く女性たちの団体「日本水商売協会」が会見し、

「夜の街で感染者が増えているのは事実で、多大な迷惑をかけていることは業界を代表して深くおわびしたい」

「店によって感染対策には大きな開きがあり、『夜の街』や『ホスト』などをひとくくりにして批判するだけでは何も変わらない」

「国が示したガイドラインは実態とかけ離れ、現実的でないうえ、順守徹底させる仕組みもない。国や都は、夜の街を悪者にして分断をあおるだけではなく、現場の声に耳を傾け、1店ごとにサポートや指導をするなど本質的な解決に目を向けてほしい」

「私たちの業界にはシングルマザーも多く、セーフティネットとしての機能があるが、このままでは全国100万人以上と言われる従業員の一定数が失業してしまう」(以上NHK)

 と、現状を述べた。まあ水商売もこの世界にはなくてはならない業界だと思う。水商売の存在しない世界など気持ち悪くて住みたくはない。ただ、水商売という言葉はお世辞にも褒め言葉ではあるまい。それをあえて協会の名称につけたのは反骨精神なのかも知れないが、少し首をかしげるところである。とは言え、「接待を伴う飲食店協会」よりはかなりマシだとは思うけれど。


「ノストラダムスの大予言」で有名な五島勉氏が、6月16日に90歳で亡くなっていたそうだ。Yahoo!ニュースのコメント欄などを見ると、「過去の良い思い出」みたいに書き込んでいる人が多い。みんな人間が出来ているな。虫けらは出来ていないのでそんな感想は思いつかない。

「これは嘘ですよ」という大前提の下に嘘をつくのは笑って許せるが、「これは本当の事ですよ」という顔で嘘をつくのは許せない。安易に許すべきではないと思う。死んだらみんな仏様なのは日本人的価値観であるが、常にそれが通用すると思ったら大間違いである。なのでお悔やみは申し上げないし冥福も祈らない。知ったことか。


 本日はこんなところで。昨日は新作を1300文字ほど書いただけで終わってしまった。やっぱり新作はアイデアが溜まっているからサクサク書ける。しかし『魔獣奉賛士』はもうネタ切れである。何とか頭をひねりまくってエンディングまで持って行かないとな、とは思うのだけれど。

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