第257話 2020/6/27 耄碌とか

 本日は4時半起き。今年初めて冷房をつけっぱなしで寝た。毎年の事とは言え、これからこんな日が続くのかと思うとウンザリである。気温も湿度も電気代も高くなる。何と強欲な。どれか1つくらいサービスで下げてくれないものか。これを書いてるのは7時半だが、もう気温は24℃。はあ、ため息しか出ない。


 お馴染みデジタル大辞泉によれば、耄碌もうろくとは「年をとって頭脳や身体のはたらきがおとろえること。老いぼれること」とある。何か実感を込めてうなずいてしまう。考える事の内容やレベルは若い頃と何も変わっていないのに、それを考えるべき脳が衰え、動くべき体が動かなくなっている。具体的には集中力の低下が著しい。記憶力も衰えているし、何かにつけて億劫である。体はあちこち痛いし動かないし、階段を下りるだけで膝が笑うし。そらグルコサミンだのDHAだのに頼りたくなる気持ちも理解できる。「もしかしたら効くんじゃないか」と思いがちなのだ。

 せめてもの慰めは、これは虫けらだけが体感するものではないという事だ。人間はみな耄碌する。程度の差こそあれ、しないという選択肢はない。誰もが必ず老化し、耄碌し「こんなはずじゃなかったのになあ」と若い頃を懐かしむのである。それはどこの国の人間であれ、どんな立場の人物であれ変わらない。人は必ず耄碌する。それは大前提とせねばならない。

 ところで、広島と長崎に原爆を落としたのは誰だろう。そんな質問をされたら、大半の日本人は困惑の表情で「アメリカ以外に誰がいるのか」と思うだろう。もちろん世の中には「え、日本とアメリカって戦争してたの?」とか本当に言ってしまう馬鹿がいるらしいので、100%とは行かないが、老若男女を問わず日本人ならまず間違える事はあるまい。

 だが、「そんなはずはない」と主張する者がいる。「日本の教科書には、原爆を落としたのは『連合国』と書いているのだから」と言うのだ。誰がそんな馬鹿な事を言っているのかと言えば、ロシアのプーチン大統領である。

 25日、プーチン大統領は諮問機関である社会評議会のメンバーとのオンライン会議で「歴史の歪曲」について話し合った。そこで、

「第2次大戦でナチス・ドイツがソ連を攻撃したことや、ソ連がドイツを破ったことは明らかなのに西側諸国の教科書は触れず、メディアは別の見方を伝えている」(産経新聞)

 と欧米を批判したのだが、その後で日本に触れ、

「誰が広島、長崎を原爆攻撃したのか明らかなのに、日本の教科書に何と書かれているか? 連合国だ。どんな連合国だ? 連合国側に核兵器はなかった。あったのは米国だけだ」(産経新聞)

 と述べたらしい。しかしその根拠については触れなかったので不明。

 この発言を受けて困惑したのが日本の文部科学省である。ご苦労な事に、わざわざ現行の教科書を確認したらしい。しかし小中学校の教科書にはやはり、原爆を投下したのはアメリカであるとしか書かれていなかった。

「唐突に驚いた。何を見てあのような発言をしたのか」(産経新聞)

 と、担当者は話しているとの事。何とも人騒がせな。

 とは言え、プーチン氏も1人で仕事をしている訳ではない。周囲にはブレーンを配置し、常に助言を受けているはずだ。今回の事はプーチン氏が勝手に思い込んだという可能性もあるが、誰かが耳に入れた事も考えられる。それを疑いもせず、そのまま口にしてしまったのではないか。

 もっと若い頃のプーチン氏なら、助言と言えど一応裏を取るくらいの事はしたのかも知れない。だが、もうプーチン氏も歳を取った。67歳である。トランプ氏やバイデン氏に比べれば若いが、年齢的に耄碌し始めていても不思議はない。情報の裏を取るのが億劫だったのだろう。まして国内向けのアピールである。間違っていたところで知った事ではない、みたいな投げやりな部分があってもおかしくはない。人間歳を取ると、何もかも面倒臭くなって投げやりになりがちなのだ。

 とは言うものの、耄碌した老人に率いられる核大国というのも怖い話である。かつて「スターリンは馬鹿だ」と言った男が国家機密漏洩罪で捕まった、というロシアンジョークがあったが、「プーチンは耄碌した」という言葉が笑い話にならない時代がやって来るのだろう。夏だというのに寒気のする話題である。


 耄碌の始まったプーチン氏に対し、デンマークの首相はまだ40代。若いリーダーは羨ましい。フレデリクセン首相は昨年41歳で就任した、同国史上最年少の首相であるが、来月に予定されていた結婚式を延期すると25日に発表した。まだ独身だったのだな。

 式の延期の理由はEUの首脳会議の予定に重なるためだという。うーむ、まあ新型コロナだ何だとEUにも議題は山積みであろうし、各国の予定を可能な限り調整した上での日程だろうからな。「結婚式やるから日程を変えろ」などと言えるはずもない。首相の婚約者は「幸いなことにとても忍耐強い人」(AFP)らしいので、とりあえず今回は我慢してもらうしかないのでは。ただEU各国の首脳も、フレデリクセン首相を中心にした記念写真くらい撮ってあげても良いように思うところ。慶事はみんなで喜ぶべきだ。


 26日、東京地裁は「NHKが映らないテレビ」だけを自宅に設置している場合、受信契約を結ぶ義務はないとの判断を下した。まあ当然の話だろう。これがいままで通じなかった事が異常である。至極当たり前の事について、当たり前の判決が出た事を喜ばねばならないとは、まったく情けない限り。


 26日、オーストラリアでは情報機関と警察が、野党労働党所属のニューサウスウェールズ州議員の自宅を家宅捜索した。中国による内政干渉をめぐる捜査の一環であるという。

 これ日本でやったら、やれ権力の暴走だ、やれ差別だと大騒ぎになるだろう。しかし日本の政治家にも、誰とは言わんが中国から金をもらっている連中もいるはずだ。マスメディアにはそういうところを暴いてもらいたいのだが、まあ期待はできまい。マスメディア自体が中国から金をもらってたりするかも知れないしな。まったくいまの世の中、誰を信じれば良いのやら。


 アメリカの疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド所長は25日、アメリカの新型コロナウイルス感染者数について、実際は人口の5~8%に上り、報告数の10倍以上、2000万人を超える可能性があると主張した。

 実際の患者数については、各国政府が本気になって調査すればある程度判明するとは思うのだが、数がわかっても仕方ないという考え方もある。そんな事もあって、どこの国の患者数も実情を正確には表していない。

 まあ、ここまで感染が拡大したら、もはや総数なんて意味のない数字なのかも知れない。いまかかっていない人も第2波、第3波でかかる可能性がある訳だしな。そんなところにコストをかけている場合ではないというのも間違った意見ではないように思うところ。


 本日はこんなところで。現在9時半。室温は25℃。じんわり暑い。

 さて今日は時間に余裕がある。どうしようか。やらなきゃいかん事はいくつもあるのだが、長時間続けたら成果が上がるような事ばかりではないので困る。というのは単なる言い訳だ。グダグダ言わずに自分のケツを蹴り上げねば。

 昨日は『魔獣奉賛士』が更新できたし、何とか今日も頑張りたいところ。

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